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一日一句【菜根譚】#12『心事天青日白、才華玉蘊珠藏』上に立つ人が控えめな理由


菜根譚の「心事天青日白、才華玉蘊珠藏」という言葉は、道徳修養の君子の心持ちと才能を説いたものです。

「心事天青日白」とは、君子の心持ちは青天白日のように光明磊落で、隠しておくべきことがないということです。君子の内心は坦蕩としていて、何の陰暗面もありません。そのような心持ちは、君子の修養の根本であり、他人から尊敬と信頼を得る基礎となります。
「光明」は、太陽の光のように明るく、清らかなこと。
「磊落(らいらく)」は、隠し立てすることなく、堂々としていることです。
「坦蕩(たんとう)」は心が広く、物事にこだわらない様子を表す言葉です。

「才華玉蘊珠藏」とは、君子の才能は、珍蔵された宝石のように、簡単に人に知られてはならないということです。君子の才能は、内向的で、控えめであるべきです。そのような才能こそが、より価値があり、時間の試練に耐えることができます。
「蘊(うん)」は「内に蓄える」という意味です。

これらの言葉は、君子の修養の2つの重要な側面、内面の品格と外面の表現を表しています。君子は、高尚な品格を持ち、心地が光明磊落であるべきです。同時に、一定の才能を持ちながらも、それを張り誇ってはならないと説いています。そのような君子こそが、真の君子です。

現実の生活においても、私たちは君子の修養を学び、内面が光明磊落で、外見が謙虚有礼であることを目指すべきです。そうすれば、他人から尊敬と信頼を得ることができ、人生の価値を実現することができるでしょう。
具体的な実践のヒントをいくつか挙げると、以下のようになります。

  • 道徳修養を深め、良好な品格を養う。心地を坦蕩とし、後ろめたいことをせず、自分の心事を知られて恥ずかしくないようになる。

  • 自分の才能を向上させようと努力するが、それを誇示しない。謙虚で慎重であり、自分の才能に傲慢にならない。

  • 他人と交流し、相手の立場に立って考える。他人を理解し、包容する。

私たち一人ひとりが、真の君子となって、社会に貢献していきたいものです。

経営者(君子)の道は奥深い

一日一句【菜根譚】#13「去除心中冰,和氣如春風」心の中の冷暖を除く



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