服部 藍良

(21) 血は水よりも濃い、兄はあだ名です。

服部 藍良

(21) 血は水よりも濃い、兄はあだ名です。

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    2021年 書いた記事まとめ

  • 兄との記録

    友達だった。恋人だった。兄妹になった。これから夫婦になりたい。

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「明日」を生きる理由だった人へ。

どうしても同じ苗字になりたかった。『服部 藍良』私のペンネームの苗字は、貴方から拝借したもの。私が中学2年生だった頃の、深く優しい思い出話である。 はんぞうくんクラスメイトの男子に「服部半蔵だな!かっこいい」と言われているのを見ていた。私と彼とクラスメイトの3人だけの放課後の教室。夕日が差し込む窓を見ながら「そうか?」とはにかんだ笑顔を向ける彼をよく覚えている。私はその日を境に彼を『はんぞうくん』と呼ぶようになった。私だけが呼ぶ、彼の名前だった。 恋の意味さえ遠のくような

    • 天使の住処

      昨日(5/15)は一緒に住む兄の誕生日だ。 前置きだが兄はあだ名だ。血は繋がってないし、私に兄妹はいな…いや、ついこの間妹が出来た。腹違いだけど。その話はまたいつか。 でも兄は兄だ。私たちは血が繋がるほど濃く、心を通り越したもっと深いところで繋がっている。だから兄だ。それ以上でもそれ以下でもない。 兄と出会ってもう7年目。時の流れは早い。私の人生の3分の1は兄がいる人生という計算になる。 「この先もずっと一緒だよ」 と緩やかに笑う貴方が好き。 自分が他人と生活を共にし

      • ラムネ空と白い夏休み

        貴方の人生で一番綺麗だった青空は、どんな空でしたか? 恋人にその質問をしたら「そんなこと考えたことないなぁ」と首を捻って悩み出した。 日々の空なんて、意識しなければ背景として消えてしまう。 あんなにも面積は広いのに、目先の小さなことにいっぱいで、狭い視野で生きているのが現代社会だろうか。 悩みに悩んで「小学生の頃やった青空教室の時に、屋上に椅子並べて見た空かなぁ」と言っていた。 「そっかぁ」と返して自分の質問に戻る。私の学校でもやっていたな、全然覚えていないけれど。

        • 行ってらっしゃい、良い旅を!

          東京ディズニーシーのキャスト(従業員)になった。 実はキャスト試験を受けるのは2回目だった。「バイトデビューはディズニーがいい!」と謎の憧れとプライドを掲げていたら落ちた。その当時は縁がなかったんだろう。 今回は応募するか凄く迷ったのだが、受かったので結果オーライである。 子供の頃から夢に見てた場所にキャストとして立っている。決まった時はとても嬉しくて幸せな気分だったが、入社式(アルバイトなのに入社式があるとはびっくり)の時は緊張もせず平然としていて、いつも通りな自分に笑

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        「明日」を生きる理由だった人へ。

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          4本

        記事

          ごめんなさい

          恋人に八つ当たりしてしまいました。 本当に心から大好きで大事な存在なのに、もう傷つけないと誓ったのに、なんでこんなことしてんだろう。 恋人に会えなくてバイトばかりしていたこの一ヶ月程、noteを書くことすら嫌で、職場の人以外とは誰とも会わずに、画面の中で踊るアイドルをぼんやりとした目で眺めていました。 毎日が辛くて生きていることが悲しくて、noteの下書きに誰にも見せられないような陰湿で暗い文章を書き溜めていました。 サムネの写真は彼からホワイトデーのお返しに貰った、

          ごめんなさい

          私の方が貰ってばかりでした。

          私が小学6年生の事である。 バレンタインの季節で脳裏に強く焼き付いている記憶の人たち。 その年は私の住んでいた地域では雪が降って、ホワイトバレンタインだった。子供ながら「なんてロマンチックな日だろう!」と、まだ誰にも触れられていないツヤツヤな雪を丁寧に掬いながら、インフルエンザで学校を休んだ彼は窓からこの景色を見ているだろうかと考えた。 イツメンよく一緒にいたのは男子だった。私と4人の男子で、いつも5人で休み時間はふざけていた。大体彼らが何か面白いことをして、私がそれを見て

          私の方が貰ってばかりでした。

          5度目の引越し、自転車放浪

          単純計算で4年に一度の引越しをしてる。オリンピックか。 厳密に書くとこうだ。 ・0~1歳…生まれてすぐ親の離婚で母の地元へ引越し。 ・10歳…家に空き巣が入り引越し。下着泥棒だった、最悪。 ・18歳…就職をし、会社の近くで一人暮らしする為に引越し。 ・19歳…学校へ進学する為に引越し。(ここで浦安住民になった) ・20歳…経済的理由で生活費、学費を自分で払うのが苦しくなり、実家ではないが母と暮らすことになり引越し。(今ここ) 一人暮らし期間は恐らく1年と8ヶ月。短いような

          5度目の引越し、自転車放浪

          可愛いあの子、芋みたいな私

          どうでしょう、この見た目。 惹かれませんか? Pâtisserie L'Authentiqueケーキを買いに来た。7年前に一度だけ食べたことのある、ホワイトチョコムースとピスタチオのブリュレで、表面は白くコーティングされた「エミリー」というケーキが忘れられなくて。 ショーケースを覗き込む。華やかに飾られたケーキたちが、誰かに持って帰られる時を待っている。どれも美味しそう… 残念ながら目当てのケーキは置いていなかった。店員さんによると、時期が来たらショーケースに並ぶようだ

          可愛いあの子、芋みたいな私

          ディズニーで成人式をやりたくて

          地元を飛びました。13年くらい住んでいたが、引越すことに対して何も未練がなかった。ハハッ! 世の「成人式」に対して思うこと地元で成人式を受けるメリットって、やっぱり懐かしの同級生との再会でしょうか。長らく顔を見ていない知り合いに偶然会えたら、少しは嬉しいもの。それを感じた事は、私も何度があった(気がする)。 でも、私はそういう再会は望んでない。 本当に会いたい人だったら、成人式なんて機会を使わずとも会いに行きませんか?私だったらそうします。会いたいという気持ちに私は正直

          ディズニーで成人式をやりたくて

          大人になりきれない私でも

          ただ生きるのではなく、善く生きること。 古代ギリシアの哲学者、ソクラテスの名言。聞いた事ある人も多いはず。「哲学って難しそう」と気負いしないでほしい。 2021年は本当に色々ありました。毎年言っているような気がするけれど、とびきりの幸福から、張り裂けそうな不幸に襲われたり。 せっかく新卒で入社した会社を辞めてまで専門学校に進学したのに、お金とそれに見合う時間が足りず、働いてばかりでした。社会人の頃よりも、労働に対する体の負荷が辛かった。 それでも懲りずに沢山遊んだ。善くな

          大人になりきれない私でも

          100個の好き

          100個の好きを数えてみたい。以前どこかのnoteで同じような事を書いている人がいてそれに影響された。今年思う私の「好き」はなんだろうか。 【1】言葉 話す言葉が人格を表すと思う。 【2】音楽 主食。音楽を食べて生きていきたい。 【3】兄 彼がいない世界はきっとつまらない。 【4】茜色の彼女 私の心臓。 【5】川谷絵音 「indigo la end」は特別。 【6】本 言葉の美術館。推敲された美しい文字が並んでいる。 【7】ディズニーランド 私にとって神聖な場所

          100個の好き

          コンビニの好きお客様たち

          役1年間、とあるコンビニでお世話になりました。数時間だけだが、お客さんが多く来店する時間帯なのでかなり忙しかった。 個人的に推していたり、特に覚えている人たちを書き留めておこうと思う。 忙しさの中にも感謝や楽しさ、励みを分けてくださったお客様、職場の方々。本当にありがとうございました。ここで働けた事を心から誇りに思います。 ※私の記事の中で、1番文字数が多いです。 書き留めなので身にならないお話多め。 前半戦🕊Peace スーパーライト 出勤して高確率で一番最初に出会う。

          コンビニの好きお客様たち

          終わりさえ美しい、兄と結婚したい。

          仲間と呼ぶには軽すぎて、友達と呼ぶにはあまりにも近く、恋人と呼ぶには遅過ぎる。血が繋がるほど濃く交わり、全てを預けられる家族のような人。 ※安心してほしいのだが血縁関係はなく、戸籍も別であり「兄」はあだ名である。 結婚なんて「生涯結婚なんてしてやるものか!!!!!」 本気でそう思っていた。これまで色んな人と付き合ってきたが、誰に対しても結婚したいとは思えなかった。「ずっと一緒にいようね」という嘘も合わせて流してきた。ずっとが存在しないことは、痛いほど分かっている。その時に楽

          終わりさえ美しい、兄と結婚したい。

          こんなにも甘いのに

          「嫌いの上に大嫌いがあるとするなら嫌いでした」 別れ際、彼にそんなことを言われた。 茶色「夢かぁ、自分の店を持つことかな。君は?…平凡な暮らし?はは、君は本当に面白いね!…では採用ということで、よろしくね」 彼との出会いはバイトの面接だった。ふわふわした茶色の髪、笑うと細くなる目、癖のある話し方。蛙のキャラクタースタンプで「お疲れ様です」と送られて、更に惹かれるようになった。あれは一目惚れだったと思う。 オレンジ彼はよく1人だった。自分から交流を絶っているように見えた。盛

          こんなにも甘いのに

          藍染め

          この気持ちを愛と呼ばず、なんと呼ぶのか教えてほしい。ピンクの細く柔らかな髪が、綿菓子のように可愛らしく、そばに寄ると甘い香りがした。 8月「高嶺の花子さん」を聴いていたら彼女は現れた。もう二度と会えないと思っていたのに、手を振る姿を見て「あぁ、やっぱり好きだな」と苦しくなった。 隣を歩きながら、離れていた2年分の情報交換をした。仲のいい人が減ったこと、大学を退学したこと、家にずっといること、絵を描かなくなったこと、整形したいこと。彼女はあの頃と変わらない口調で、今までに変

          私は貴方の名前が好きだよ。

          自分の名前が嫌いだった時期がある。その時よく聴いていたラックライフの『名前を呼ぶよ』を久しぶりに聴いた。もう遠い彼を思い出していた。この感情を残そうと思ってかれこれ5時間、打っては消してを繰り返している… 偽名とお前私が中学2年生の頃。共通のネット友達がいて、引き合わされた様なものだった。その日にLINEを交換して、時々話すようになった。LINEのトモダチ欄に表示される彼の名前。同じ中学の人たちと嫌々交換した連絡先に埋もれないよう、こっそりお気に入りに登録した。 年齢も、

          私は貴方の名前が好きだよ。