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ディズニーで成人式をやりたくて

地元を飛びました。13年くらい住んでいたが、引越すことに対して何も未練がなかった。ハハッ!


世の「成人式」に対して思うこと

地元で成人式を受けるメリットって、やっぱり懐かしの同級生との再会でしょうか。長らく顔を見ていない知り合いに偶然会えたら、少しは嬉しいもの。それを感じた事は、私も何度があった(気がする)。

でも、私はそういう再会は望んでない。

本当に会いたい人だったら、成人式なんて機会を使わずとも会いに行きませんか?私だったらそうします。会いたいという気持ちに私は正直でいたいので、連絡をするし、会う約束をして、自分の時間を相手に捧げたい。

学校、職場、冠婚葬祭など、外部からの招待で集められた中での出会いは尊いものですが、その効力はとても弱いような気がする。なぜならそこでの人間関係は、学校や職場という共通意識で結ばれたものだから。

「学校」が変わったから、会うことが無くなった。
「職場」が変わったから、話すことが無くなった。
「クラス」が変わったから、「部署」が変わったから、「グループ」が変わったから……

私はそんなつまらない理由で、私に笑いかけて優しくしてくれた人と離れたくない。この出会いを大切にしたいから、私の哲学を教えたいし相手にも教えてほしい。もっと深く話したい。もっと深く確かな絆を結びたい。そう思い続けてきた。

そして、そんなつまらない理由で離れた人と、今更会ったところで私は何も楽しくない。後にも先にも関係性が変化しない(だろう)人に時間を使うくらいなら、今いる大切な人に時間を使いたい。これが地元の成人式に参加しなかった理由である。


「彼に会いたい」と舞浜に引越す前は思っていたが、段々とこの気持ちは落ち着いてきた。会うことでこの思い出が、何か別の意味に変化してしまう可能性が怖くなったのだ。美しい思い出をありがとう。でもいつか、会えたらいいね。


私と君が会う場所は、私たちが決める

朝の美容室で隣に座っていた女の子の事を思い返している。彼女は弾むような声でヘアメイクする美容師さんにこう言っていた。

「私、同窓会の幹事なんです〜LINE知らない人には、緊急連絡網使って呼びかけたり……もう大変でしたよ〜でも、皆に会えるの嬉しい。きっと喜んでくれますよね」
ちらりと鏡越しに盗み見る。栗色の髪にパッチリ開いた瞳。

そうだね、全員が今日を楽しみにしていたらいいね。君の行いを、全員が喜んでくれるといいね。君の周りの全ての人が、久しぶりの再会を楽しんでいたらいいね。私のように卑屈な考えをもったまま、嫌々参加している人がいないことを心から願うよ。

世界の幸せな部分しか見えてなくて、それを信じて疑わない無邪気な顔は、赤い花柄の振袖が良く似合っていたよ。

セットが終わり、彼女のお父さんが迎えに来る。温厚そうな方だ。仲睦まじく2人で帰っていく姿を視線で見送りながら、鏡に映る自分を見る。

ああ、違う。私はあの子のようになれない。
あの子が喜べることを、私は喜ぶことが出来ない。

彼女の話を聞いて楽しそうに相槌を打っていた美容師さんが、仕上げのヘアメイクをしようと私の右隣に来る。
なるべく自然な会話になるように美容師さんに話しかけてみた。

「さっきの彼女、幹事だなんて凄いですね。クラスの絶対的アイドルみたいな。可愛かったなぁ〜今日の同窓会で惚れ直す人多そう」

「そうですね〜服部さんは同窓会、参加するんですか?」
「実は地元が遠くて…参加しないですね」
「あ〜私も同窓会参加しなかったので、一緒ですね」

一緒。その言葉に少しだけ心が軽くなった。
彼女だけでなく新成人の誰かも、全員集まるように連絡や声掛けを努力しただろう。行かないことを少しだけ後悔したが、浦安での成人式は私が選んだこと。

会いたい人には、自分で会いに行くよ。だから今日は、ディズニーシーで楽しむことを許してね。

きっと、赤い振袖のあの子も、私も、美容師さんも、成人式に参加しない人も、誰も悪くない。

(私は同窓会の連絡は来なかった。まぁ誰も住所や連絡先を知らないので当然だが)


一生で一度の。

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選んだ振袖は黒。裏地が黒と白のストライプになっている。近くで見ると百合が刺繍されているが、遠くから見ると真っ黒で無地の振袖だ。大好きなキャラクター、しあわせウサギのオズワルドをイメージしたコーデだ。

キャストさん達もオズワルド意識したコーデと分かってくれたようで、行く先々で褒められた。とても嬉しい。ふりそでMODEさん!!こんな素敵な振袖をありがとう!!

C442です!!帯によって、私のようにポップで可愛くなったり、クールに格好良くなったり素晴らしき。(バリバリ宣伝)


周りの新成人は久しぶりの再会を喜び、幸せそうに笑っている。誰とも交わらず、1人でスマホと向き合っている人もチラホラいる。それぞれの思いを想像しては、嬉しくなったり寂しくなったりする。

式典が始まり端の方に座っていると、後ろに1人の女の子が来た。黒字の振袖に、黄色と赤の帯。ヘアメイクは左右の高い位置にお団子が2つ。ミッキーのような彼女も、私と同じなんだろうなぁ。と想像を巡らせた。

知り合いは誰もいない。オズワルドをギュッと抱きしめて、不意に湧き上がる寂しさを堪える。

大丈夫だよ、私の大切な人は今日は隣にいないけど、いつだって一緒にいる。それに今日は、母と2人きりでディズニーシーを満喫する。

隣で20年振りだ〜!とはしゃぐ母がおかしくて笑ってしまう。寅年仕様になった、チップのぬいぐるみバッチを買っていた。理由もなく、安心してしまうな。

暴力も、暴言も、一度たりとも忘れたことはないし許した訳ではないけれど、ちゃんと母とそれなりに上手くやっている。

20歳の私は、自分の意思で選択出来る思考と、愛する家族と、友達と、兄がいる。悲しいことに色々事情があって舞浜をもうすぐ離れるけれど、絶対またこの土地に住みたい。

おーーい舞浜ーー!!!!愛してるぜーー!!!!



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