「ロンドンならすぐに恋人ができると思っていた」は、出国子女な私たちのバイブル
5月の発売直前に知った本。日本に暮らしたことのある外国籍の女性が、日本語でロンドンや日本の暮らしを綴るもの。
正直最初は、もの珍しさに心を惹かれました。でも読み進めてみたら、これから海外に暮らしたい私にとって必要な話がたくさん書かれていました。
(余談ですが、写真は過去にロンドンを旅行した時のものです)
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ロンドンならすぐに恋人ができると思っていた
タイトルにも帯にも惹かれるこの本。
ロンドンならすぐに恋人ができると思っていた
これから海外に住み続けたい私にとっては、ちょっとギクッとするタイトルです。
読んだ動機
ここ数年の私にとって、フェミニズムはすごく大きな概念です。会社員時代に苦しんだことは、たいていがフェミニズムの視点で説明がつきます。
当時の私の悔しさを、フェミニズムの立場から言語化をする。このnoteでも、たびたびそんな作業をしてきました。
それで、この本の帯にはこう書いてあります。
「フェミニズムの生まれた国でも、若い女は便利屋扱いされるんだよ!」
他国での女性を取り巻く状況はどんなものなのだろう。そう思い、読み始めてみることにしました。
読んで得たこと・感じたこと
この本を読んでいる間に、実は一度離脱をしました。なぜかといえば、日本でのセクハラなどに関する話が、私にストレスを呼び起こしたから。
性というものに対して、日本における男性の優位さも、同意の取られなさも、「性暴力」と言わない社会も、私は大嫌いです。
過去の記憶と怒りがどうも思い出されてしまって、途中で一度読むのをやめました。
だけどやっぱり読み終えたくて再開し、結果的に楽しく読み終えたいま思うこと。
この本には決してフェミニスト視点だけの話ではなくて、「外国」に住むことの普遍性が詰まっているということです。
自分にとっての外国に住むと、その国の人に住む人はどんなふうに見えるのか。場所とは、何によって形成されているのか。
そして、ルーツの違う人たちが出会えば、どんなことが起きるのか。
余談だけど、恋愛を始める前に政治観を話し合うという文化は、すっごく羨ましく感じました。私もまた恋愛をすることがあれば、そこから始めたい。
そんな話を、コロナのある今の時代のものとして、同世代の女性から受け取ることができました。
最後に
この本に出てくる「出国子女」という言葉が好きです。
帰国子女ではなく、「出国子女」。文字通り、外国に出ることにした人たちのことです。
筆者によれば、出国子女は女性が多いと書かれていました。サンプル数は少ないけど、私の実感としてもそうです。
私自身海外に出ようとしていて思うのは、「私は日本に住めないんだなあ」という劣等感です。
私は母国に馴染めないという劣等感。やっぱり、この気持ちはなくはないのです。
でも、この本で筆者が「出国子女」と名付けてくれたから、自信をもらうことができました。
いまの私は自分を「出国子女」と定義することができるし、ちょっとかっこいいと感じるこの概念を誇らしく感じています。
この本はロンドンを舞台に書かれていますが、少し前まで韓国に留学していた私も、「外国に住む」という点で共通点を感じながら読みました。
自分の国ではない、私たちにとっての外国に住むことは、自国に住むよりもいろんなことに敏感になります。
それでも住みたくて住むわけですが、ちょっと心が折れそうになった時には、この本の話をまた読もうと思いました。
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