長くmoderare realismを追求している吉水千鶴子氏は、次のような感想を漏らしている。 筆者は特にチベットのゲルク派において顕著となった普遍の実在(the existence of universals)〔=moderate realism〕を認めるアポーハ論解釈の歴史的思想的発展に関心を寄せてきた…もちろん仏教徒による普遍実在論がダルマキールティ論理学の正当な解釈として主張されるに至
シチェルバツキーの他に忘れてはならない学者に、ウイーン大学の教授フラウワルナー(E,Frauwallner,1898-1974)がいる。彼のことは有名な世親2人説でご存じの方も多いだろう。フラウワルナーは、数多くの仏教論理学関係の論文を執筆した。中でも1954年発表の「ダルマキールティ著作の順序と生成」Die Reihenfolge und Entstehukng der Werke D