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雑記

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#ゲーム

追悼・すぎやまこういち

追悼・すぎやまこういち

 印象深い場面を覚えている。何年か前、TVが密着取材した時、コンサート開演前にソファに座り、楽譜を開いてイメージトレーニングのように指揮棒を振る、すぎやまこういちの姿だ。
 が、その直後、カメラに向かってにっこり笑いながら
「普段こんなことしないんだけどね?アハハハ!」
 やられた。常に人を楽しませることに砕身する、生粋のエンターテイナーがそこにいた。
 耳への功績のみならず、人柄や表情も強く記憶

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DEATH STRANDING評

DEATH STRANDING評

 昔、揶揄を帯びた都市伝説として語られていた「大御所漫画家は目しか描かない」という言葉があった。
 私はそれを聞いてむしろ寒気を覚えるほど感動した。目しか描かない作品に自分の名前を載せて全責任を背負えるのか、と。
 やがてそれは週刊連載においてほぼ当然の仕組みであることが広まり、今ではほとんど語られなくなった。

 大作を四畳半で作れた時代も今は昔。ゲーム製作は数百の人間と数百億の金が動く大事業と

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せんとうきろく

せんとうきろく

 渋谷の街はクリスマスに向けて徐々に様変わりし、きんと冷えたビル風が私の襟元を容赦なく撫でて……と書きかけてさっそく指が止まる。はて、あの日はそんなに寒かっただろうか。とんと記憶にない。

 今から15年前、2004年12月11日の午後7時。私はSHIBUYA TSUTAYAの前にいた。待ち合わせではない。これから待つためだった。翌日に迫ったソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)初の携帯ゲ

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前略、ゲームプロデューサ各位

9年前ブログに書いた記事を再掲させていただきます。

いつどこであったかは失念したが、永六輔氏がある著書の中で語っていた持論が興味深かった。
 TVのプロデューサという仕事は特殊なもので、現場叩き上げの人間ばかりでは勤まらない。これからはプロデューサ専門の教育課程を設けるべきだと思う云々。
 長らくTVに携わってきた氏ならではの観念であろうか。あるいはコンテンツビジネスに携わるものなら、一様に抱く

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縁の下の時計持ち

 幇間という職業がある。いわゆるお座敷の宴席で、主人や客の機嫌をとったり、芸妓を助けて場を盛り上げる男である。
 客が厠(トイレ)に立つと、案内がてらついて行き、用を足す間もあれやこれや話しかけたという。ずいぶん不躾な、と思うかもしれないが、これは用を足す間、家庭や仕事を思い出して興醒めしないようにするための技だそう。
 なるほど、どんなに楽しい席であっても、一瞬落ち着く時間というものがる。そこで

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拝啓 小島秀夫殿

拝啓 小島秀夫殿

 映画にCGというものが使われるようになった頃、名作シリーズ『バットマン』の新作映画に使用するCGの会社を決めるコンペが行われ、若いCGスタジオが名乗りを上げた。
 お題として指定されたのは、バットマンがビルの屋上から飛び降り、裏路地にふわりと着地するというシーンを、ワンカットで表現せよというもの。
 この難題に若いスタッフたちは、当時最新のモーションキャプチャーを駆使してマントのはためきを取り込

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アンドロイドは電気執事の夢を見るか?・・・DETROIT:Become Humanに関する私的考察

アンドロイドは電気執事の夢を見るか?・・・DETROIT:Become Humanに関する私的考察

われわれの神々もわれわれの希望も、
もはやただ科学的なものでしかないとすれば、
われわれの愛もまた
科学的であっていけないいわれがありましょうか

 押井守監督のアニメ映画『イノセンス』の冒頭で引用されたことで、ご存知の方も多かろう。
 フランスの象徴主義作家、ヴィリエ・ド・リラダン伯爵が著し、人造人間に『アンドロイド』という呼称を初めて使ったことでも有名なSF小説『未来のイヴ』の一節である。
 

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なんとなく今まで読まれた記事のランキングを発表します

特に意味はありませんが実験的にやってみようと思いました。
ダッシュボートのデータをほぼそのままコピペしたので見辛くてすみません

(順位・タイトル・PV数・コメント数・好き数)
1・悲しい終着駅 9865 1 24
2・PLAYFULに行ってきた 4674 0 13
3・早野先生は役に立たない 3397 0 7
4・レビュー・PlayStationワイヤレスサラウンドヘッドセット 3024 0 4

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