マガジンのカバー画像

読書感想文

16
運営しているクリエイター

記事一覧

『コンビニエンス・ラブ』

『コンビニエンス・ラブ』

-『推し』とは、『アイドル』とは?
ちゃんとライブに行くくらいアーティストやアイドルを好きになったのは6年前、そこから数え切れないほど、新しい人を好きになった反面、見に行くほど熱を帯びたのは少ない。
※ kuroyuyuyuさん、画像お借りしました!

『コンビニエンス・ラブ』を読んだ。
タイトルに惹かれて。こんな感じのテーマの質感で、わたしの好きな有川ひろさんが短編を書いていたと思ったので。

もっとみる
今年出会えてよかったエンタメ

今年出会えてよかったエンタメ

※今年刊行されていないものを選びました。
タイトル画像お借りしました。kakukakubooksさまありがとうございます。

映画これが私の人生設計

イタリアのもの暗さと、ヒロインの無鉄砲なところが妙に印象に残った映画だった。ヒロインのセレーナの有能さもフランチェスコとの凸凹な協力も面白くて、元気を貰える。後からなにか追うようなことはしなかったけれど、さっぱり見られて、それでいておもしろかったと

もっとみる
大事に読みたかった本のはなし

大事に読みたかった本のはなし

今年も、やっと読めた、本屋大賞受賞作。
『汝、星のごとく』。

ずっと読みたかったけれど、ハードカバーは高いし、読む本は溜まっているし、できればサイン本が欲しかった。実は家からそう遠くないところにサイン本のよく置いてある書店があるのだ。有難いことに。
本屋大賞を受賞したので、ないかな、と思いつつ、以前にもそこで凪良さんのサイン本を購入したことがあったので淡い期待を抱いて行ったら、ちゃんとありました

もっとみる
続編、終わりにしたくないね

続編、終わりにしたくないね

『映画の続編は大抵つまらない、それでも続編を作るおつもりなら、前作はなかったことにするほど全くの別物の傑作を作るという覚悟が必要』と20代で得た知見に書いてあった。
復縁について。

相棒のシーズン21が始まる。
5代目の相棒には、初代相棒でお馴染みの亀山薫(寺脇康文さん)が戻ってくる。
幼少期に相棒がはじまり、リアルタイムでも再放送でも見ていたわたしは『亀山の回じゃないと嫌!』とわがままを言う少

もっとみる
みんな『傲慢と善良』で生きる

みんな『傲慢と善良』で生きる

辻村深月という人の書く物語はどうしてこうも心を揺さぶってくるのか。
「人生で一番刺さった小説」との声、続出
なんてこんなに心惹かれる帯コメントもない。

恋愛ミステリ。
恋愛とミステリはどちらも大好物です。

恋愛小説だから1章と2章でそれぞれの目線で描かれているのが特徴的だけど、
ここで架目線が先に来るのがポイントだと思っている。

小説を読んでいると私を書いてるみたいだって思うことは多々あるん

もっとみる
スポットライトの当たらない場所

スポットライトの当たらない場所

久しぶりにこんなに濃密な読書体験をした。
深緑野分さんの『ベルリンは晴れているか』。
書店で見かけたのがきっかけだけれど、元々深緑野分さんの本は読んでみたかったのだ。『この本を盗む者は』の装丁の美しさでずっと覚えていたから。
なんとなく長編を書いているイメージがあり、本作も全469ページ。休日の1日の大半を費やして読んだ。

舞台は第二次世界大戦、戦時下と戦後すぐのベルリン。
ナチスが支配したドイ

もっとみる
『おもろい以外いらんねん』

『おもろい以外いらんねん』

最近、劇場に行くことが増えた。劇場といっても、お笑いの劇場。
学生が終わるから自由に行けなくなるなと思ったし、昨年末のM-1グランプリを観てから、来年こそはサポーターズクラブに入って会場観覧したいし、もっと生で観て推しの芸人さんを見つけたい、と思った。地下とかいろんな事務所のライブは見に行けてないからまだまだなんだけど。今年の目標には吉本以外の劇場に行くことが入っている。

アメトークの読書芸人の

もっとみる
自己愛が足りない

自己愛が足りない

みなさま、あけましておめでとうございます。
2022年初投稿になってしまいました。今年のやりたいことリストのひとつに「noteを月1以上は更新する」と書いたので1月もちゃんと書きたいと思います。

書きたいことがまとまらないくらいに沢山あるのだけど、
まずは昨日読んだ島本理生さんの『Red』のお話を。
映画を見かけて気になったから図書館で借りてきた。不倫がテーマで、少し重たい感じもする。読んでいる

もっとみる
どう人生を変えたかはわからない

どう人生を変えたかはわからない

『図書館戦争』シリーズに中学2年生のときに出会った。
中学生というのは多感な時期で、色んなことに影響されていたと思う。その中で本というのは大きな要素だった。図書館で重松清さんの本を読み漁ったり、あさのあつこさんの本を読んだりしていたのは覚えている。お気に入りだったのははじめての文学シリーズだった(今思い返すと全ての作家さんを読んでおけば良かった)そんな文学少女街道まっしぐらな私の周りには本が好きな

もっとみる
夏の読書感想文 続き

夏の読書感想文 続き

夏休みに読書感想文コンクールをみて高校生の部の課題図書を読んで読書感想文を書いてみました。その第2弾として今回は『水を縫う』を読んだので感想を書いていきます。

「男なのに」刺繍が好きな弟の清澄。「女なのに」かわいいものが苦手な姉の水青。「愛情豊かな母親」になれなかったさつ子。「まっとうな父親」になれなかった全と、その友人・黒田。「いいお嫁さん」になるよう育てられた祖母・文枝。普通の人なんていない

もっとみる
美術館に行くハードル

美術館に行くハードル

装丁が好き!というのは本を選ぶ大きな理由になる。山内マリコさんの『山内マリコの美術館は一人で行く派』も装丁に惹かれて読むことを決めた1冊。(もちろん先に#読書の秋2021を見てその中から決めたんですが…)山内マリコさんの本は小説を含めても初読です。

漫画『ブルーピリオド』で主人公の八虎が美術館に行くシーンがいくつかある。その描写を見てから、美術館とか博物館ってただいいな〜とぼやっと見ているだけじ

もっとみる
世界を広げてくれる出会い

世界を広げてくれる出会い

読書日記やブックガイドを読むのは好きです。
なぜならば、そのまま生きていたら人生で出会うはずの無かった本と出会える場所だから。本とのマッチング。

日本では1年に約72000冊の本が出版されているらしい。
1ヶ月で約6000冊、1日で約200冊。
売れた本は書店に残るし、取り上げられるから手に取る機会があるけれども書店の隅にある本や戻されてしまった本、昔の本は出会うこともなく過ぎ去ってしまう。

もっとみる
# 拡散する世界で

# 拡散する世界で

わたしが本を読む理由のひとつに、実体験することなく痛みを知ることができる、ということがある。

もし、病気になってしまったら。
もし、事件に巻き込まれたら。
もし、この世から本がなくなってしまったら。
もし、戦争のある時代に生きていたとしたら。

本を読むことでわたしはその痛みを追体験する。悲劇は起こりませんようにと祈る。起こさないようにと慎重になり、世界がよくなるためのなにかをしようという気持ち

もっとみる
【読書感想文】ほんの少しだけ前に進むために

【読書感想文】ほんの少しだけ前に進むために

読書の秋ということもあり、手持ち無沙汰なので本を読んでいます。図書館が空いているのでかなりお世話になっています。自分で買うことも多いし最近はセールをしていると電子でも買います。ただ、巷には把握しきれないほどの書籍があり、毎日増えていくので、何から手をつけようか迷っています。

そんな中、noteで読書の秋2021というキャンペーンがあるということを知ったので、その中からいくつか選んで読んで感想文を

もっとみる