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希望の国の海外移住 奇跡の宿泊施設De Leyhoeveに泊まった話

今回は夢のような宿泊施設にたまたま宿泊したという話。

ちょっと長くなるけどきっと聞いて損はしない話だから最後まで読んで欲しい。珍しく私が書くにしてはいい話だから。

もう先週になるが、移住の為にオランダに到着した。その晩は移動で疲れた娘を抱えてアムステルダム空港(スキポール空港)近くのホテルに宿泊した。そして家族3人で泥のように寝て、時差ボケで朝3時に目覚めた。

翌日は電車に2時間半揺られてオランダの北部の街フローニンゲンに移動した。

オランダ鉄道NSで移動

我々が借りたアパートはフローニンゲンに隣接する村にあるが、まだアパートにはベッドもない状態だった為、その日もやむなく宿を予約していた。日本からブッキングドットコムを使ってひと月前くらいに予約は済ませていた。

その宿を選んだ理由は単純で、フローニンゲン駅からもアパートからもアクセスしやすく、更に3人で宿泊しても110€程度とかなりリーズナブルだったからだ。

宿泊施設の名はDe Leyhoeve。

かなり立派な外観
エントランス
宿泊した部屋。多分50平米くらい。かなり広い。
廊下もかなりモダン

写真の通り新しく、清潔で、良心的な料金と3拍子揃っており申し分ない。

しかしこの宿泊施設は普通の宿泊施設ではなかった。

冒頭から私が一度も『ホテル』ではなく『宿泊施設』と呼んでいる理由は、まさにここはホテルではないからだ。

上の写真を見ていただいてもどこにもホテルと書いていない事にお気づきだろうか。

結論から申し上げるとここは
⚫️主には老人ホーム
   +
⚫︎介護施設
   +
⚫︎保育園
   +
⚫︎居酒屋
   +
⚫︎ゲストルーム

を兼ね備えた複合施設なのだ。

実は私もチェックインするまでそのような施設であることを全く知らず、普通のホテルに宿泊するものとばかり思っていた。

まず不思議に思ったのはエントランス前のガーデンテラスに旅行客には到底見えないシニアな方々が和気あいあいと手ぶらでお茶していたこと。

そしてチェックインしようとした際に受付けカウンターがそもそもないこと。←酒を注文するバーカウンターで鍵をもらった。

そして宿泊客にも関わらず我々にはかなり限られたエリアしか移動がゆるされていないこと。(我々のカードキーでは2階以上のフロアへは立ち入りできないようになっていた)

これらの事から何か変だなと思い、前述したバーカウンターで『ここは所謂普通のホテルですか?』といったニュアンスで遠回しに聞いてみたところ先ほどのような答えがかえってきたのだ。

かなり新しく高級感ある作りなので、老人ホームとしてはさぞかしリッチな方のみが入居できる施設かと思ったが、どうやら55歳以上で年金にちょっと足せばだれでも入居できるわよ!との事だった。

3年前まで県庁職員として保健所で特別養護老人ホームや老人介護施設などとも仕事で絡みがあった私にはとうてい理解できない話だった。

なぜならば、老人ホームに介護施設、そこに保育園が併設されるくらいなら日本でもつくることは可能だろう。

でもそこにブラッスリー(居酒屋)もあるし、バーもあるしホテルまである。

おまけに入所者と我々旅行者のような外部の人間、しかも私のように片手にビールをもったような酔っ払いが同じ空間にいるなんて日本ではありえないのだ。

違う角度で見たとしても保育園と居酒屋とゲストハウスが同一建物にあることすら日本ではありえないだろう。不審者を排除するのが困難だからだ。

どう考えても日本という定規で考えた場合に、行政から色々な許可が降りないし、すぐに改善点命令や業務停止命令がだされること間違いなしだ。

しかもしかも、老人ホームに入所してると思われるシニアの方々もさっきからバーでガンガンワイン注文してる。

バーでオーダーしたオランダ名物ジェニーバー、ジンのもとになったといわれる蒸留酒
各階の老人ホームの部屋割り
175平米なんて巨大な部屋もある
保育園

そう、ここはシニアになっても年金にちょっとお金を足す程度で入居できる夢の老人ホーム。

そして老人だけが集う施設ではなく。幼児や旅人などとも交流が可能、且つ、時には酒を飲みながら楽しく日々を過ごすことができる奇跡の施設。

なお、このような施設はオランダ国内でも稀で、政府の補助金に頼らず、全て利用者から受け取る利用料で運営資金を賄っているとのこと。
医師も看護師も常駐している。

シニアになったらこんな夢のような施設に住んでみたくありませんか?

55歳になるまでおよそあと10年か。

まあ日本ならそもそも年金受給は65歳からだけど。

でも日本では100年後もこんな施設は存在しないだろーなー。

オランダ、懐深い。

あー、お仕事したい。

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