職員よりも職員のよう
Kさんは70代のおじいさん。
疾患名は軽度知的障害。会話はできるが他の利用者さんとはあまり会話をしていない。
日中はテレビを見るか、自室か廊下の椅子でラジオを聴いて過ごしている。
話しかけると嬉しいのか笑顔で返答してくれる。
歩けているしトイレも自分で問題なくできている。
朝5時頃から廊下のカーテンを全て開け、暗くなってきたらカーテンを閉めるのを自分の仕事としている。
誰がお願いした訳ではないが、誰もやらないから自分がやると言い、自分で役割を決めたようだ。
歩けるし、手もしっかりとしている。
他にも何かできる様なことはないかな・・・
職員数が少ないため利用者さんが自主的にやってくれるのは大助かり。
よし、下膳もお願いしてみるか。
歩けるし手も動くけどカートがあれば一度にいくつも運べるから効率的だ。
Kさん専属カートを用意し、食べ終わった人のお膳やコップ、おしぼり、口腔ケアグッズ(歯ブラシ、ガーグルベースなど)を下げるように依頼。
Kさんはカートを押しながら利用者さんのテーブルを回り、次々と下膳し始める。
配膳車付近で食事介助をしながらKさんが来るのを待ち、積み重なったお盆などが運ばれてきたら私が配膳車に移す。
おしぼりはバケツへ。
コップは配膳車とは別のコップ入れに。
口腔ケアグッズは流しに移し、またカートを渡して「 お願いします 」。
自分の仕事が増え、感謝されるのが嬉しいようで毎日積極的に行う。
たまに気分が乗らない時は休む日もあるが、それでも朝・昼・夕の下膳を毎日している。
給料払っても良いのではと思うくらい働くKさんは職員よりも職員のようだ。
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