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『窓ぎわのトットちゃん(2023) 』空想とリアリズムのアニメーションの凄み
窓ぎわのトットちゃんは黒柳徹子の小学校時代の物語である。子どものころ読んだ人も多いだろう。私も内容は覚えていないものの読んだ。そして電車の教室というイメージが強く残った。
だから窓ぎわのトットちゃんに対して抱くイメージは子ども向けの温かい話のようなものだった。
今年公開されたアニメーション映画の今作はそのようなイメージを描きつつもしかし、同時に大きく裏切るものである。
裏切る、というのは悪い意味
[映画鑑賞文]ゴジラ-1.0(2023) 戦後と終戦の虚構について
この文章は以下のような構成をとる。
1ではこの映画の特徴を挙げる。2,3,4ではこの映画から導かれる隠されたテーマを暴く。5では2,3,4で書かれたことはどうでもいいことである、と言う。そしてそれはこの映画が描いたものと描き方と深い関係があると言う。端的にいえば私たちは戦後を夢としか、イメージとしてしか語り得ないということである。そしてこの映画が描くと戦後とは現代人が思い描く戦後的なものの最大公約