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熱にうなされつつも抜け目なし。

先週は体調の悪い日が多かった。
体調が悪くて、お布団の中でうんうん、唸っていると何故か子供の頃を思い出す。

幼い頃病弱だった私は(多分今も病弱かそうでないかで分けたら病弱な部類なのだけど)、よく熱を出していた。
私が熱を出した時は、りんごジュースと桃缶を買って来てもらうのが定番だった。喉が痛くて咀嚼が難しい時はすりおろし林檎。
少し食べられるようになったら、たまご粥かよく火を通した卵をのせたうどん。

汗をかいてしまったパジャマを着替えている最中に、ママンが部屋の空気の入れ替えとシーツの交換をしてくれていた。
部屋に戻った時のピンっと一本糸が張ったような空気の緊張感と冷たいシーツが熱で火照った身体には、とても心地が良かった。

光がまだ差し込む部屋の中で、建物やコンクリートの地面を反響させて届く、どこからか聞こえてくる人の声を朦朧とする意識の底で聞いているのが好きだった。

そんな風に寝込んでいた時から思い出す、さらに幼い頃の記憶がある。

それは、私がまだ幼稚園に入る前の記憶。
40度を超える熱を出した。
氷枕とおでこに濡れたタオルをのせて、掛け布団の上にはおばあちゃんが作ってくれた赤いちゃんちゃんこをのせて、うんうんと唸っていた。
仕事から帰ってきたお父さんが、熱がまだ下がっていない私を心配して顔をのぞいている。ママンはおでこのタオルを交換してくれている。

う〜ん、うん。
う〜ん、うん。

「・・・の、・・・ごと・・が、・・しぃ・・・。
き・・き・・キティちゃんのままごとトントンが欲しい」

そう、そうして私はキティちゃんのままごとトントンを手に入れたのだ。
熱にうなされながら、心配してくれる両親の気持ちに便乗して、欲しいものを手に入れるとは、5歳児未満にして我ながら恐るべし!!!

もちろん、無事熱が下がった私は、嬉々としてキティちゃんのままごとトントンのジャガイモや人参、お魚をトントンしたのでした〜。
だって、おいしいお料理を作ってくれるママンみたいに早くなりたかったんだもん。

▼熱にうなされながらゲッツした「キティちゃんのままごとトントン」

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