母校の大阪市立大学(大阪公立大学)の大学生からTwitterで「ガイジ」「池沼」などの誹謗中傷を受けたので慰謝料請求事件として民事訴訟で裁判を起こして勝訴した話
一度は削除しましたが、このようなことが二度と起きてほしくない、起きてはならないという思いから、また、証拠の保全を目的として、この記事を再び公開することにしました。
この記事は有料に設定していますが、無料で全文が読めます。なお、字数は全体で40,000を超過しています。
事の発端
「ホームレスを支援するのは”無駄”なのか?」
2022年8月17日(水)の、日付が変わる直前。社会的弱者の排除を支持するツイートを目にした私は、ふと疑問に思い、何気なくツイートをした。そして、この投稿から全てが始まった。
当時、相互フォローをしていた、私が卒業した大阪市立大学(大阪公立大学)に在籍する法学部生のlaw害(ろうがい)氏(@aaaa_sogg)から、にわかに信じがたいリプライが送られてきた。
「無駄でしょ笑」
目を疑い、何度も読み返した。何故そのように考えるに至ったのか、それを引き出すべく、箍が外れないように飛び出そうな感情を抑えながら、冷静に問い掛け続けた。しかし、law害氏からの返答は、いずれもホームレスに対する無理解を表すものであった。
law害氏は、この一連の遣り取り以外にも、生活保護制度に対しての持論――これについても、やはり彼の不勉強が露呈しているものであった――と共に、優生思想とも取られかねない持論を立て続けに表明した。
彼が考えを改める様子は微塵も無かった。遣る瀬の無い思いに駆られ、私は次のようなツイートを残し、寝床に就いた。
布団に包まりながら、law害氏からのリプライを見て、頭の中では堂々巡りになっていた。社会的弱者とそれに対する支援は本当に不要なことなのか? そもそも、危険な思想の持ち主に説得することが危険な行為なのか? そうこう考えているうちに、寝落ちた。
その翌日、8月18日(木)。law害氏のアカウントを覗くと……。
はあ~~~ん、これはやっとんな? やってもうとるな? 見事にブロックをキメられていた。私はやられたらやり返さないと気が済まない”タチ”なので、別のアカウントに切り替えてlaw害氏のツイートを辿ってみた。そこで見たものとは……。
「ガイジ」という言葉。「障害児」を略した差別的なスラングである。この言葉を使うことに、彼の人間性を疑わざるを得なかった。憤りと呆れが交錯する中で、私は吐露した。
すると、私のこの投稿を受けて、law害氏は新たにツイートを行った。
「ガイジ」の他に、「池沼」という言葉を用いていた。当初、私はこの言葉の意味を知らなかったため、調べてみたところ「知的障害者」の略から生まれた卑語であることが判った。衝撃を受けた。甚だ侮辱的な意味合いを含んだこの言葉を口に出来るとは、一体どういう神経をしているのか。
そして、「パン屋」「アラサー」といった属性。私がパン作りを趣味、生業としていることは、law害氏が身を置く大学のコミュニティーでは一定程度は知れ渡っているはずである。そして、その当時の私は29歳。彼は明確な意図を持って私を指して侮辱をしているに違いないと感じた。
それ以降もlaw害氏の発言を監視し続け、彼もまた、私に対して嘲笑、軽侮するような投稿を繰り返した。
また、調べていくうちに、これらのツイート以外にも、law害氏は別のアカウント(@Ahosine_law)でも、私に対する侮辱的な発言を同時期に残していたことも判った。
さすがに看過できるものではないと判断したため、大学時代の知人らに助けを求めるようにして事の顛末を共有した。その結果、何かしらの法的措置は執れないかと検討するに至った。
提訴までの道程
弁護士に相談
考えられる対応としては、law害氏を法廷に引っ張り出すこと。つまり、訴訟を起こし、損害賠償請求を行うことである。ここで、訴訟提起のためには、裁判所に提出する訴状を書くのに相手方の氏名と住所が必要となる。Twitterに投稿されたツイートを基に発信者情報開示請求を行えば、最終的に相手の氏名や住所などの情報が入手できる。当時はプロバイダー責任制限法改正(2022年10月1日)の前であったため、大まかには、以下の手順を踏むことが求められた。
Twitter社に対してIPアドレスの開示を求める仮処分を裁判所に申し立てる。
IPアドレスを割り当てたプロバイダーに契約者情報の開示を求める訴訟を提起する。
開示された契約者に対して損害賠償を請求する。
しかし、プロバイダーのログの保存期間の関係上、Twitter社に対するIPアドレスの開示仮処分の申し立ては迅速に行う必要があり、タイムリミットは当該ツイートの投稿から2週間程度が目処である。また、発信者情報開示請求の費用は決して安いものではなく、上記の1と2の段階で必要となる弁護士費用はそれぞれ約40万円、合計すれば約80万円にも上り、費用倒れの危険性がある。その上、開示請求を行ったからといって必ず認められるというわけでもない。訴える側からすれば、相当なリスクを抱えないといけない。仮にそのリスクを取ったとしても、損害賠償金などで戻ってくる分は、リスクに見合うものではない。むしろ、弁護士費用を差し引けば赤字である。ハイリスク・ローリターンどころか、ハイリスク・ノーリターンである。
そうなると、弁護士などの第三者の手を借りずにlaw害氏の氏名と住所を入手することが次の策になる。しかし、大学に直接問い合わせたところで、プライバシー保護の観点から、彼の情報を教えてくれることなんてまずあり得ない。そもそも、事実関係を確認できないので対応できないと言われて、門前払いされることは予想に難くない。
私に残された最終手段は、law害氏がこれまでにTwitterに投稿してきたツイートから情報をかき集めてそれらを照合し、彼の氏名と住所を特定するという、常人離れした心底気持ちの悪いものであった。控えめに言ってもキショい。キショ人(きしょんちゅ)。しかし、絶対に痛い目に遭わせてやると気張っていた私には、これに手を染める他は無かった。
まずは氏名。これは比較的容易であった。”上の名前”は、law害氏の過去のツイートを遡ればすぐに見つかった。また、Twitterアカウントのプロフィールに彼のInstagramのリンクが貼られていたので、そこを覗いてみると、プロフィールに彼の”下の名前”が記載されていた。
次は住所。これが問題。一般の大学生が自宅の住所をSNSなどのインターネット空間に公開しているケースはまずない。仮に公開していれば、その人のインターネットリテラシーが疑われる事案である。それでも、一縷の望みを掛けて、何か手掛かりになるような些細な情報でも構わないと、彼の投稿から手当たり次第に模索していった。彼のホームグラウンドであろう地域の名前は、複数のツイートから散見された。ただ、もう一押し。それに繋がるような何かが欲しいと漁っているうちに、law害氏のまた別のアカウント「@tadai_edo」を発見。このアカウントでの過去の投稿を遡ると、次のツイートを見つけた。
自宅の中庭が写った写真。中庭や向こう側に見える建物の規模からして、見るからにニュータウン的な地域にありそうな高級住宅やタワーマンションの類い。ベランダから撮影したものであろうが、レンズの方向と地上の水平面とを成す伏角を考慮すると、比較的高層階の部屋であると予想できる。そして特徴的なのが、中庭の植え込み。これだけはっきりとした形状の植え込みだと、航空写真で探せば特定できる可能性はある。というわけで、Googleマップで彼の居住地の周辺を調べてみると……。
完全に一致。建物の位置、中庭の植え込みの形状、どう見ても同じ場所。斯くして、私はlaw害氏の氏名と住所を揃えることに成功した。もっとも、こんなことで大学時代に培った検索能力を使いたくはなかったが……。
しかし、本当にこの住所にlaw害氏が住んでいるのか、という疑問がまだ残っている。この住所を訴状に記入した後で全く知らない第三者の居住地だと判ると「あ、すんません、間違えてました、ウィッス」ってなって、本当にただの恥ずかしい激ヤバの人になってしまう。いや、人様が撮った写真から自宅を特定している時点でもう既に激ヤバの人になってしまっているのだが……。ひとまず、その区の図書館に赴き、建物名匠と住居者前の詳細が一覧で掲載されている『ゼンリン住宅地図』を閲覧して調べてみたが、調査の範囲外であったのか、当該の住所にあるはずの名字が見当たらなかった。と、いうわけで……。
現地調査の結果、郵便受けに記載されている名字が一致。「ここで間違いなさそうだ」と確信するに至った。
法律相談
相手の氏名も住所も出揃ったし、さあ訴えるぞ、とは思ったものの、ひとつ気掛かりなことが。law害氏は「ガイジ」「池沼」という表現を用いた投稿について、「パン屋」「ジャムおじさん」「アラサー」「29歳」などの私の属性には触れているが、「あると」というハンドルネームでの名指しはしていない。素人目から見て、法的に本当に侮辱罪に問えるのか、という一抹の不安がないわけではなかった。勝ち目の無い戦いにわざわざ身を投じるのは無意味である。
というわけで、餅は餅屋、この件について専門家の目にはどう映って見えるのかを知るために、法律事務所に赴いた。法テラスの制度を利用すれば、経済状況などの諸条件に合致していれば、同一案件について無料で3回まで弁護士に相談することが可能である。事務所によりけりだが、1回あたり30分~1時間の相談が可能である。与えられた3回分のビギナーズボーナスを決して無駄にしてはならない。証拠資料としてlaw害氏の当該ツイートとURLのスクリーンショットを印刷したもの、聞きたいことや気になることをリストアップしたメモを事前に準備し、毎回持参して相談に臨んだ。
主たる質問と、それに対する弁護士の回答は、大まかには以下の通りであった。
Q.今回のケースでは、law害氏を法的に訴えることが出来るのか?
A.ツイートを見る限りでは、名誉権侵害に当たるため、不法行為に基づく損害賠償請求が出来る。しかし、「あると」という人物とその本人との同定可能性がやや不明瞭であるという点で、勝訴できる可能性は五分五分。Q.今回のケースでは、請求する慰謝料の相場はどの程度か?
A.ピンからキリまで。被害者がどの程度の精神的苦痛を被ったと考えているかに応じて、1万円でも100万円でも、自由に設定して構わない。Q.裁判沙汰は人生で初めてなので、本人訴訟(弁護士や司法書士などの専門職に依頼せずに、独自で裁判を進めること)は不安である。弁護士は付けた方が良いか?
A.付けても良い。しかし、勝訴したとしても、回収した慰謝料から弁護士費用を差し引けば僅かしか残らないか、全て無くなってしまう。また、弁護士を付けたにもかかわらず敗訴してしまった場合は、提訴した側の精神的苦痛が増大してしまいかねない。訴訟内容もそこまで複雑なものではなく、準備をきちんと行えば個人でも十分に対処できるものなので、総合的に考えれば、今回は弁護士を付けない方がベターである。
法的にも訴えられるし、弁護士を付けなくても裁判は出来るみたいだ。しかし、そうは言っても、勝訴の絶対的な可能性が保証されているわけではないし、その上、本人訴訟となると提出する証拠資料や書面の準備などで忙殺されるし、勝訴する可能性が下がることも危ぶまれる。物理的にも精神的にも少なからぬ負担が掛かってしまうことを想像すると、先が思いやられ、依然として提訴に敷居の高さを感じざるを得なかった。不安な様子の私に、弁護士は次のように切り出した。
「あなたには、もうひとつの選択肢があります。それは、何もしないで無視すること、です。」
「それは……一体どういうことですか?」
「この人(law害氏)は、確かに許しがたいことをしました。しかし、この人に制裁を加えようと躍起して時間とお金を費やすことは、却って無駄であると考えることも出来ます。この人のために自分を浪費してしまうくらいなら、何も手を付けずに放っておくのも、あなたを守るひとつの手段になります。この人が将来、同じような事案を起こしてしまった時に、誰かがこの人をちゃんと怒って、痛い目を見せてくれるかもしれませんから。」
「えっ……じゃあ……僕がそのちゃんと怒る1人目になってもいいってことですか!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?(クソデカボイス)」
不安は瞬時に動機へと昇華された。やる、やっていく、強い気持ちでやる、TRY EVERYTHING(ズートピア)。弁護士のアドバイスに背中を押され(?)、私は提訴する意志を固めた。
内容証明郵便(2022/09/07)
はやる気持ちの私に、弁護士からもうひとつの助言が。それは、内容証明郵便の送達である。内容証明郵便とは、手紙の一種で、「差し出した日付」「差出人の住所と氏名」「宛先の住所と氏名」「文書に書かれた内容」を、日本郵便が証明してくれる一般書留郵便物である。不法行為に基づく損害賠償請求の権利は、3年で時効を迎えてしまうため、その前に請求の意思を示した書面を内容証明郵便で送ってしまうというものだ。もちろん、一般には使われない郵便物の形式であるため、宛先の相手に対して牽制するという意味もある。
早ければ早いほど良い。法律相談から帰宅した私は、内容証明郵便の執筆に早速取り掛かった。弁護士によると、内容証明郵便の書き方については、インターネットで調べれば参考になる情報がいくらでも見つかるとのこと。それらを参考にして、WordでA4用紙に、文字数を20、行数を26に設定して、「通知書」と題した文書を1日で書き上げた。
当時は、私自身、法についてはあまりにも勉強不足で知識が十分に及んでいなかったこともあり、民法と刑法を混同してしまっていた。しかし、とにかく書いて出すことが優先事項。適切な文体はどれか、侮辱罪と名誉毀損罪の違いは何か、慰謝料の相場はどれくらいか。様々な事例や解説を半ば血眼になりながら参考にして、必死のパッチで通知書を書き上げた。その中で、私がlaw害氏に要求したことは次の3つである。
損害賠償金(慰謝料)として20万円の支払
「ガイジ」「池沼」などを含む当該ツイートの削除
同様の行為を私を含む他者に今後行わないことの誓約
慰謝料については、当初は10万円を想定していた。ぶっちゃけ、10万円でも多い方であろうとは思っていた。しかし、相手に強気の姿勢を見せるために、大学生が必死にアルバイトをすれば数ヶ月で稼げる額であろう20万円に吊り上げた。なお、今になって、反省文を書くことも要求すれば良かったことを後悔している。
9月7日(水)の昼下がり。完成した文書を郵便局に持ち込み、内容の確認と送達の手続きをしてもらった。その際に、相手に郵便物を配達した事実が後から証明できるように、配達証明付き内容証明郵便として送付してもらった。こうして、私は内容証明郵便を送るという実績を解除してしまった。まさか自分が異常大学教員の北村紗衣と同じことをしてしまうとはな……(異常大学教員とか言っていたらオープンレター立ち上げられるぞ!)。ちなみに、内容証明郵便として仕上げた書類は計4頁で、送付するのに2300円も掛かった。Alcyonでアフタヌーンティーが出来るやんけ。
翌日、9月8日(木)。私は次のようなツイートを投稿した。
この1時間後、law害氏を名乗るアカウントからダイレクトメッセージが届いた。
当該ツイートの削除と、同様の行為を行わないことについては受け入れるが、慰謝料の支払いは拒否をするというものであった。それも”断固”として拒否という対抗姿勢。しかし、本当にこれがlaw害氏本人によるものなのかどうかが確証できないため、私はこれを回答として受け取ることを拒否をした。その後、このアカウントは消失した(俗に言う「捨て垢」か?)。つーかこっちは2300円を払ってまで内容証明郵便で送ってんのにそれをDM1本送ったぐらいで「へいへいわかりました」って片付くような甘っちょろいもんやと思うなよ。
9月13日(火)、郵便物等配達証明書が自宅に届いた。私が送達した内容証明郵便は9月12(月)日にlaw害氏の自宅に届いたようである。ちゃんと現地調査しておいて良かった。なお、証明書を受け取った同日に、law害氏は次のようなツイートを投稿している。
ここでlaw害氏が触れている「掲示板」とは、大阪公立大学の学生が運営している掲示板サイト『ハム大ちゃんねる!』を指している。「ガイジが図星」っていうことは、やっぱり侮辱するつもりで言ったってことじゃん。じゃけんさっさと内容証明郵便送ってきましょうね~。
なお、その『ハム大ちゃんねる!』では、law害氏が次のようなスレッドを立てていた。
law害氏は「池沼に関してはノーコメント」とコメントしているが、ということはつまり、あまりにも図星なので、疚しさのあまり黙秘しているのではないか。
回答期限となる9月21日(水)、law害氏本人を名乗る別のアカウントから、通知書に対する回答書のスクリーンショットが送られてきた。だから内容証明郵便で送ってこいっつってんだろ。
スクリーンショットの内容は、次の通り。
要約すると、次の通りである。
「ガイジ」「池沼」と言ったが、あなたのことを指して言ったわけではない。
仮にそうだとしても、あなたは意思疎通が出来ているので健常者である。
投稿はすぐに消してアカウントを非公開にしたので、問題は無い。
以上より、名誉権侵害には当たらないし、精神的苦痛も認められない。
ナメとんのかコラ。「20万円は経済的に難しいのでせめて10万円に減額してください」とか「分納での支払いにしていただけないでしょうか」といった嘆願をしてくるだろうかと密かに期待していたのだが、そういった素振りは一切無くて、それどころか謝罪の一言も無いという体たらく。まずは「ごめんなさい」って義務教育で教えられなかったんか?
このように、law害氏からは何ひとつとして誠意ある対応は無かった。これを以て、私は次のツイートを連続投稿した。
私とlaw害氏の両者の本名を記載した上で、民事訴訟を提起することを告知した。本名を記載したのは、私がこの件について相応の覚悟を決めているということを相手にも自覚してほしかったからである。なお、この箇所のツイートは年が変わる前後には削除した。
その2日後、9月23日(金)。law害氏を名乗るアカウントから次のダイレクトメッセージが届いた。
彼の言う「この投稿」とは、私が民事訴訟を提起すると実名を添えて投稿した先述のツイートのことを指している。また、「入院中」と言っているが、どうやら腕をマムシに噛まれてしまったようで、後日確認してみると、本当に入院中であった。受傷については本当にお気の毒なのだが、それを差し置いても、「どの口が言っているのか?」というお気持ち。そもそも、民事訴訟の告知をしただけなので、名誉権侵害だと解するのは無理があるだろう。いやしかし、この期に及んで悪あがきとは恐れ入った。何とみっともない。
一体これらの投稿のどれが侮辱に当たるのというのだろうか。超難問。分からなさすぎて、サイゼリヤの間違え探しかと思ったわ。「初音ミクのおっぱい……🥰」ってやつかな。ちなみに、”Everything is better off without you.”は、NINTENDO64の『スーパーマリオ64』のハックロムのひとつ『sm64.z64』のプレイ中に表示されるダイアログである。詳しくは、こちらを参照。
一連のダイレクトメッセージはこの文言で締め括られていた。彼の言う「ボランティア」とは、私が近隣地区の古民家を拠点とした地域のまちづくりに携わっていて、非常勤職員として有給で働いていることを指しているのであろう。しかし、そもそもボランティアではないし、単なる勘違い、というか、思い込み。捨て台詞としては余りにもダサすぎる。タートルネック着てる黒髪マッシュの男ぐらいダサい。訴訟を起こしてほしくないという下心が見え見え。こんなペラい言葉で私を止められると思っているのか? #絶対に強い気持ちで訴えてやろうな2022 という気持ちを胸に、9月26日(月)に訴状を提出することにした。
9月25日(日)。京都南座で超歌舞伎2022の千穐楽後公演を観劇した後、law害氏を名乗る同アカウントからのダイレクトメッセージを確認した。
えーっとですね、あのー、””示談””とは? ちゅうか、示談の意味、分かってる? 分かってなさそうやから教えたげるな。示談ってな、200種類あるねん、「民事上の紛争を裁判に拠らず、当事者間の合意で解決すること」っちゅう意味やねん。お前のこれのどこが示談なん? 反訴の準備してるって言うてる時点でバチバチに合意する意思ないやん? ちゅうか反訴するぞってはったり掛けたらこっちがびびって訴訟取りやめるとでも思ってんの? あと学生で時間を無駄にしたくないから示談? なんそれ!! 結局自分のことしか考えてへんやん! うちかて仕事で忙しいんすけど笑 自分、そんなに訴訟起こしてほしくないん? へぇー?
訴状提出(2022/09/28)
はい、というわけでですね、今日は9月28日(水)。私は今、大阪市は大阪メトロ御堂筋線の淀屋橋駅から徒歩15分にある大阪簡易裁判所に来ているわけですけども。本当はもっと早くに来る予定だったんですけどね、26日(月)に間違えて谷町4丁目の大阪家庭裁判所のほうに行っちゃってですね(アホ)、そっから余りにも眠すぎて身体が動かなかったもんで、結局はlaw害氏の謎DMを受け取った次の週になっちゃいました。ごめんねlaw害くん。
訴訟を提出するとは言ったものの、何をどうすれば良いのか右も左も分からない状態だったので、まずは別館1階の簡裁受付センターで事情を説明。そこで、訴状提出の際には次のものが必要であることを教えてもらった。
紛争の要点を述べた文書とスクリーンショットなどの証拠書類を各3部(裁判所用、被告用、原告控え用)
収入印紙2000円分(訴額に応じて変動)
郵便切手5000円分(被告1名あたり)
証拠書類は一応は持ってきていたものの、紛争の要点は書いていなかった。その場で手書きで仕上げても良いのだが、時間を掛けて書きたかったし、剰え、収入印紙と郵便切手も購入しないといけない。ということで、その日は提訴の手続きについてだけ聞き、諸々の準備のために一旦持ち帰ることにした。ちなみに、少額訴訟(1回の期日で審理が終わるが、判決後に控訴が出来ない)についても説明を受けたが、じっくりと抜かりなく相手方と戦っていきたいと私は望んでいたので、通常訴訟で進める旨を伝えた。
帰宅後、自宅近くの郵便局に出向いて収入印紙と郵便切手を注文したが、郵便切手5000円分の内訳がややこしかった。500円と100円が各7枚、84円が5枚、20円と10円と5円と2円と1円が各10枚。あまりのややこしさに、局員もしどろもどろになり、全部揃ったところで「これで合っていますか……?」と不安げに確認されたが、「私もあんまりよく分からないです……」と申し訳なさそうに返す他なかった。
翌日の9月29日(金)、提出書類を揃えて再び大阪簡易裁判所へ。書類は不備が無いか一枚一枚丁寧に目を通してもらい、最終的にその日のうちに訴状は無事に受理された。事件番号は「令和4年(ハ)第70818号」。出頭日時、つまり最初の口頭弁論の日時は、折悪く担当書記官が不在で日程調整が出来なかったため、この時点では未定であった。
10月4日(火)、担当書記官から連絡があり、第1回口頭弁論の期日が11月11日午後3時30分に決定したことを確認した。これを受けて、私はTwitterで第1回口頭弁論についての告知を行った。同日、被告もTwitterで口頭弁論について言及した。
テメェ……自分のしたことの尻拭いも出来ひんのかワレ……。反省の色は全く無く、申し訳なさそうな素振りさえ見せない。むしろ、自分が無罪でこちらが敗訴するものだと思い込んでいる。「頭ぐらい下げたってもいい」って、どの面下げて言っているのか。「ガイジ」という差別語の重みについても何にも解っていない様子。というか、私は、障害の有無を問題にしてはいないし、というか、相手が誰であっても「ガイジ」や「池沼」という言葉は言ってはいけない、ということを強調しているだけ。これが法学部の学生の言うことかと、余りにも哀れで、見ているこっちが恥ずかしくなってくる。
被告のこうしたツイートと同時に、口頭弁論についての情報を得た彼の仲間である学生らも次々と反応し、裁判について触れていった。
まず、この裁判で私が負けて当然と思っている人が一定数存在するという事実に、驚きを隠せなかった。そして、私が起こした裁判を軽視し、揶揄するようなツイートが散見された。「現預金20万円被害者の会」って何ですか? 憤りやら失望やらが交錯して、ぐちゃぐちゃになった。「ガイジ」「池沼」と言われた私が、スティグマを押しつけられた私が、どうしてここまで笑い物にされなくてはならないのか。彼らの良識を疑わざるを得なかった。
口頭弁論
第1回口頭弁論(2022/11/08)
11月8日(火)、被告からの答弁書が準備できたとのことなので、大阪簡易裁判所で被告からの答弁書を受け取った。
被告はあくまでも抗戦のスタンス。「甲3号証の投稿」とは、このnoteの序盤で提示したlaw害氏の「ガイジ怒り狂ってるや笑図星かな」というツイートのこと。「私が原告に誹謗中傷したという投稿」とは、law害氏の「話通じやんガイジはブロックするのが1番やな」というツイートを受けて私が投稿した「ガイジ呼ばわりされて突っぱねられるんだったら…」というツイートのこと。ここで、関連ツイートを時系列で整理して再度掲載する。
要するに、law害氏は答弁書の中で「ガイジって最初に言ったけど、それはお前のことを言ったんとちゃうし、お前が勝手に勘違いして勝手にキレてるだけやん(大意)」と言いたかったものと思われる。なんやそれ!(©千鳥・ノブ) 仮にそうであったとしてもlaw害氏は後々のツイートでがっつり私を意識して「ガイジ」「池沼」って言っているツイートをしてるんだから反論になってねんだわ。何が「言いがかり」だ。
奥底からふつふつと湧き上がるこの怒りは、気が付くとガソリンになっていた。やる気はガソリン。無いと動けないけど、揮発性。怒りが揮発してしまう前に、金曜日に控えた口頭弁論で提出する準備書面を執筆した。その概要は、次の通りである。
「ガイジ」「池沼」という語について
「ガイジ」は「障害児」の略、「池沼」は「知的障害者」の略で、いずれも他者を障害者に喩えて侮辱する差別的表現である。
こうした表現を他者に使用することは、社会通念上許される限度を超える行為に該当し、名誉感情を侵害するものである。
被告には、「ガイジ」「池沼」という言葉がどのような意味を持っていて、これらをどういう意図で発言したのか、答弁せよ。
答弁書に対する反論
被告は、当該のツイートで「パン屋」「ジャムおじさん」「アラサー」「29歳」といった、第三者が見ても私を特定しうる具体的な属性を適示している。
被告は、大阪市立大学のキャンパスで原告が手製のパンを知人に頒布していた事実を知っており、被告も過去に購入したことがある。被告が私の年齢と職業を知らないはずはなく、当該ツイートに上記の属性を示す表現を記載したのは故意である。
主宰しているパン教室のアカウント「@avecdespains」のツイートを、宣伝目的で「@442hz」でもリツイートしているし、アカウントに記載したWebサイトから年齢を確認することが出来るため、被告が私の年齢を知ることができる。
それでも私を指したものではないと反論するなら、何故「パン屋」「ジャムおじさん」「アラサー」「29歳」という表現を敢えて当該ツイートに添えて投稿したのか、答弁せよ。
パンの人として認知されている証拠として、大阪市立大学のキャンパスで作ったパンを頒布していたことがある。元々は知人のみに限定していたが、噂が広まって私が知らない人まで買いに来るようになった。そして、何を隠そう、law害氏もその客の一人であった。私がパン作りを生業にしていることを知らないはずがない。私がパンを頒布していたことを証明するツイート、そしてlaw害氏が私のパンを買ったことを証左するツイートは、スクリーンショットにして印刷して提出した。
年齢についても、私の過去のツイートをわざわざ掘り起こして提出した。
何が楽しくてこんなツイートを証拠として出さないといけないのか……。スクリーンショットをひとつひとつプリンターで印刷しては右上に赤のボールペンで「甲○号証」と打っていく作業を進めながら、惨めに思えてきた。
口頭弁論の期日が近付くにつれ、law害氏と彼の周辺の学生らも、私や裁判を揶揄するようなツイートを投稿していった。
色々ツッコみたい箇所があるのですが、こいつらはフルタイム勤務じゃ無ければ無条件で「無職」扱いなんですか? 「無職」の漢字読めてる? 古典Bで漢文の時だけ全部欠席したんか?
それから、たましま君、老婆心ながら教えてあげるね。「こんぐらいの冗談もわかんねぇのかよwノリ悪いな」みたいないじめと同じやつ、くっそダサいし、言われる側が冗談と受け取ってない時点で冗談じゃねんだわ。つーか相手を怒らせておいて「なんで怒ってんの? 冗談じゃん」って言って冗談(指カニカニ)が理解できない方が悪いみたいな態度で誤魔化しとるけど、怒らせてしまっている時点でお前の冗談の才能もセンスもゼロ、ナッシング、無、空っぽだから、二度と冗談言わないほうが良いですよ。
11月11日(金)、口頭弁論当日。毎週金曜日はまちづくりの仕事として、古民家の台所で数十人分のお昼ご飯を調理し、地域住民に提供しているのだが、この日は裁判所に向かうため、お昼過ぎに片付けを済ませたら早めに上がった。帰宅し、涼しい時期の普段着である初音ミクのTシャツ(トングをカチカチしてパンを威嚇する初音ミク by はつねネガメ)に袢纏を身に纏い、自宅を後にした。普段はこの時期は下駄を履いているが、この日は法廷で大きな音を立てないようにと普通の靴にしたかもしれないが、はっきりとは覚えていない。
この裁判については、law害氏の周辺にいる大学生の間でも、弁論に興味がある、傍聴したいと言っている人が多数存在していることは、風の噂で私も把握していた。どうも3~4人とかそういうレベルではなさそう。無論、その中にはこの人たちも……。
「戦いに挑む」も何も、あなたたち、ただの傍聴人ですよね? いや、まだ「law害くん、裁判頑張ってね」とかなら解りますよ(差別語を使うような人を親友だからという理由で肩を持っている時点で1mmも解りたくはないですけれど)。アウトサイダーのくせに験担ぎとか言って張り切ってんのマジで片腹ペインフルなんですわ。そんなに頑張ってイキらなくても大丈夫ですよ。
それはさておき、人生で初めての法廷。普通に生きていたら裁判沙汰に巻き込まれることはないし、何なら私が訴訟を起こすという事態。地下鉄に揺られながら、「あの荘厳な空間で、落ち着いてちゃんと弁論が出来るだろうか」と、やきもきしていた。
大阪簡易裁判所に到着。開廷の時間よりも20~30分程早めに到着し、準備書面と追加の証拠書類を民事部に提出した。提出を済ませたので、そのまま法廷へと足を運べば良かったのだが、いざ向かおうとすると、途端に極度の緊張が私にのしかかってきた。躊躇し、足が思うように動かなくなり、行くに行けず、廊下の椅子に腰掛けた。身体は火照り、発汗し、呼吸もやや荒くなり、肩で息をした。自分で始めた物語だというのに、現実に原告として戦うことに恐怖を覚え、圧倒されていた。
覚悟を決めて、椅子から腰を上げたのは、開廷の3分前。別館6階、67号法廷。開廷は15時30分だったが、ちょうど同時刻に入廷し、裁判官に向かって左側の席に座った。
傍聴席には、私が予想していたよりも多くの人が座っているのが判った。しかし、この人たちの殆どが被告の側に付いているだと思うと、怖くて直視できなかった。ましてや被告の顔など見られなかった。右目の視界にぼんやりと映っているだけで、傍聴席には15~20人はいたと思う。脳裏を過った。「あれ、これ私が負けるやつ……?」
傍聴席の中に私に与してくれる人は一体何人いるのだろうか、という心配をよそに、第1回口頭弁論が開始した。裁判官から、まずは氏名などを確認され、その後に、提出した準備書面と証拠書類を説明するように求められた。説明の中で不備があれば裁判官から指摘され、言い分を補強するような追加の書類を提出するように促された。私は、とにかく落ち着いて、いつも以上にゆっくり話すことを心掛けた。
証拠書類の説明の中で、裁判官からある箇所を言及された。それは、「あると」という人物の同定可能性、つまり、Twitterの「あると」の中の人が紛れもないこの私であることについてである。これを具体的に証明できる証拠はあるのかと問われたが、事前に提出した証拠書類ではこれを説明できるものがなかった。どうしようかとどぎまぎしたが、次の瞬間、証拠として有効と思われる材料を思い付いた。次回の口頭弁論までに提出することを裁判官に伝え、了承された。
口頭弁論が始まるまでは、逆転裁判よろしく、被告と舌戦を交わすものだと思い込んでいた。しかし、蓋を開けてみれば、訴訟に至った状況とお互いの言い分を粛々と整理するセッションのようなもので、口頭弁論はものの20分程度で終わった。
終了直前で、次回の第2回口頭弁論の期日についての話し合いとなった。裁判官は、書記官が金曜日の担当なので、次回の期日として金曜日を候補に挙げた。私は毎週金曜日に古民家の仕事があるため、「午後3時以降であれば出頭できる」と伝えると、裁判官は金曜日の午後4時を提示した。しかし、被告が、「金曜日は大学の授業があるので出頭できない」とこれを拒否した。どうしようかと裁判官が少し唸り、暫くしてから12月14日(水)午後4時0分を提示し、これで落ち着いた。
終了後、被告と傍聴人らが先に退廷し、私はその後で法廷から出た。というのも、帰りのエレベーターで被告とそのサイドの人たちと一緒になったらあまりにも気まずいからである。いや、気まずいどころか、相手側から何を言われるか分からない。見えないところで、彼らがエレベーターに乗って廊下から気配を消したのを、耳で聞いて彼らの声が聞こえないことを確認してから、私もエレベーターに乗って裁判所の出口へと向かった。
その途中、一人の学生が歩み寄り、話し掛けてきた。こんな私に話し掛けてくるとは優しい人に違いないと思ったし、以前にも面識があったので、私は応じた。駅までの道々で、その学生は、色々と私に尋ねてきた。裁判を起こすまでの経緯、当日までの心境、口頭弁論を終えての感想、被告に対して思うこと。興味津々に聞いてくれたので、ひとつひとつ、思っていることを素直に話し、歓談した。その学生とは行き先が違っていたので、途中で別れたが、会話の中で、私はあなたの味方である、頑張って勝ってほしい、という旨を語ってくれた。その言葉で、緊張やら不安やらでこの一日で硬化した心身がほろほろと解れる心地がした。私の行動は間違ってはないのだと、少し思えた。
第1回口頭弁論を終えて、被告とそのサイドのどのような反応をしているか、Twitterで確認した。
law害氏は、相変わらずの様子であった。私の主張など、どこ吹く風。他人の服装を馬鹿に出来るぐらいには、この裁判を屁でもないと思っているのだろう。「ガイジ」などと言える人はその程度のお人柄なのだということがよく解った。その取り巻きも「あるとパン」「パン屋」「ジャムおじさん」などの呼称(半ば蔑称)を使って私をおもちゃにする次第。
第2回口頭弁論(2022/12/13)
12月13日(月)、私は第2回口頭弁論を前日に控え、準備書面その2と追加の証拠書類の準備で追われていた。この日に被告からの準備書面を受け取っていたのだが、その大筋は次の通りであった。
「ガイジ」「池沼」という言葉は、「面倒くさい人」「自分にとって害のある人」といった曖昧な意味のものであり、スラングとして人口に膾炙している。
「パン屋」「29歳」などの属性は、さほど特殊な属性ではなく、これを以て原告が自分のことを指していると主張するのは自意識過剰である。その証拠に、SNSや検索エンジンで「パン屋 29歳」と検索しても、原告のSNSアカウントだけがが表示されるということはない。
原告は主宰しているパン教室のアカウント「@avecdespains」をリツイートしているが、原告が主宰者であるとは「@442hz」の中では明言していないし、リツイートの頻度も月に1度の程度なので、同定可能性の証拠としては無理がある。
原告が、私のツイートのスクリーンショットを添えたツイートを固定ツイートに設定している時点で、原告についての誤った情報(=あるとは障害者である)を流布して社会的評価を下げているのは原告自身である。
何らかの障害を持っているから「ガイジ」と発言した、といったわけではないし、これは第三者から見ても分かることである。
law害氏の「自意識過剰」という言葉選びから、あくまでも「お前が勝手にキレてるだけ」という考えが見て取れる。これに対して、私は急ピッチで準備書面を仕上げ、その中で次のようなことを述べた。
「ガイジ」「池沼」という用語は、意見や立場を異にする相手を障害を持つ人に喩えて、話が通じない人間であることを誤認させる、悪意のある言い回しで、社会通念上、決して許されるものではない。
私や被告のアカウントをフォローしている人(=大学界隈)であれば、「パン屋」「29歳」などの属性で私のことを同定できる可能性は十分にある。
そもそも「ガイジ」「池沼」といった発言をしたのは私ではなく被告であり、「誤った情報を流布しているのは私である」という主張の反論になっていない。
私は過去に卒業論文について題目を添えたツイートを投稿しており、同大学の学部が運営するウェブサイトにも同論文の題名が本名と共に掲載されている。これにより、私と「あると」の同定性は保証される。
第1回口頭弁論で、裁判官から、私が「あると」であることの証拠は何かと問われていた。あの時、私は過去の記憶から「学部を卒業した時に卒業論文のタイトルを書いたツイートをしていたはずだ」と捻り出していた。証拠書類としてはかなり強力なものであることは間違いない。
「お前……自分のしたことの落とし前も付けられへんのか……」という思いを吐露したことをどこで嗅ぎつけたのか、law害氏は普段の調子で煽っていた。
law害氏は私に対して「若ハゲ」という言葉で、身体的特徴をあざ笑う発言していた。確かに数年前から抜け毛が多いことは気にしてるが、それはさておき、完全なる悪意に満ちた投稿。一体何を食べたらここまで他人を蔑視できるようになるのか。
12月14日(水)、第2回口頭弁論の日。12月ともなるとさすがに寒さが堪えるので、黒のコートを纏い、首には大槻香奈さんのスカーフ、そして鞄の中にアイマイナのぬいぐるみを入れて、出発した。前回同様、私は早めに裁判所に到着し、民事部に準備書面と追加の証拠書類を提出した。そして、廊下の椅子に腰掛けて、時間の許す限り、精神と呼吸を整えていた。
そして、やはり16時ちょうどに入廷。傍聴人は、前回よりは少ない気がしたが、それでも多かったし、依然としてアウェイの空気であった。1回目の口頭弁論の日に味方だと名乗り出てくれた学生はいなかった。前回同様、私と被告がお互いに準備書面の内容を陳述し、これを基に主張していった。
裁判官から、「内容証明郵便を送る際に、被告の住所をどうやって調べたのですか?」という質問。私はおもむろに口を開け、ゆっくりと、文節を区切るような口調で、「被告が、Twitterの別のアカウントに、自宅のベランダから、中庭を撮影した写真を、上げていたので、そこから住所を、特定しました」と答えた。法廷内の空気が凍った。さすがに、それはそう。
弁論の中で、裁判官がlaw害氏に説明を求めた際にも、彼は曖昧な主張に終始し、時に裁判官が「……んん?」と声を漏らし、再度の説明を求める場面も見受けられた。終盤になって、私はlaw害氏に対して「ツイートの中で『パン屋』や『29歳』などの属性を記載したのは何故か」を問うた。裁判官から説明を求められると、彼は「29歳のパン屋という、総称として一般的な人のことを述べたまでだ」といった旨の回答をした。納得のいかない私はすかさず、「だったらわざわざ『パン屋』とか『29歳』とかの属性を書いて限定する必要はないですよね」とまくし立てた。すると、law害氏はムキになり、「じゃああなたはここにその人を連れて来れるんですか」と突き返してきた。全く以て語るに落ちるレスポンスに私は絶句したが、裁判官に「まあまあまあ」と宥められて、その場は収まった。
最後に、裁判官から、他に何か言い残したことは無いかと問われた。もしあれば追加の証拠書類を提出することになるので、第3回の口頭弁論が設けられることになるのだが、特に思い当たらなかったので、「今の私から出せることは全て出しました」と返答した。これを以て全ての口頭弁論は終了し、判決は2023年1月27日(金)午前11時に言い渡されることが裁判官から伝えられた。
前回と同じく、被告とそのサイドが退廷しきったのを確認してから、私も退廷し、裁判所を後にした。口頭弁論を終えて、law害氏が所感をツイートしていた。また、第2回口頭弁論を実際に傍聴していた学生が、ルポルタージュを書いていたようだった。
law害氏は勝利を確信していた。他の大多数の人たち、私が負けるのは確実と張っているようであった。私が訴訟を起こした頃に抱いていた自信は、とっくに地の底に落ちていた。私はやっぱり間違ったことをしてしまったのだろうか。私だけがおかしいのだろうか。私を信じているのは、私だけなのだろうか。今日から判決までの間、1ヶ月以上も、暗澹たる心持ちで日々を送らないといけないのかと思うと、絶望にも似た、何とも言えない気持ちであった。もはや慰謝料なんていくらだって構わない。頼む、5万円、いや、1万円でもいい。あなたは社会に生きる人間として許されないことをしたのだということを、彼に解らせてやりたい。
ちなみに……。
ごめんな……。気の毒やけど、でも、これも生活のためなんや……。(©加藤よしき)
判決当日(2023/01/27)
年が明けて、2023年1月27日(金)。予定していた仕事は、午前だけ休みをもらった。黒のコート、青のタータンチェックのマフラー、そして、鞄にはアイマイナのぬいぐるみ。朝一番に心療内科を受診し、その足で大阪簡易裁判所に直行。よく寝たが、非常に眠い。冬になると、俗に言う「冬季うつ」のような症状が出て、服用する薬の量も少し増やしてもらっている。それなのに、この日は強烈な眠気に襲われていて、電車の中で何度も欠伸を繰り返した。今日で全てが決まる。しかし、布団から出る程ではない。しかし、それでもやはり、あの場所で、直に、判決の言い渡しを、聞きたい。
裁判所には予定の20分前に到着した。廊下の椅子に腰を掛け、ただひたすらに、膝を揺すりながら、時間を潰す。そして、午前11時の1分前、67号法廷に入る。law害氏は姿を見せず。傍聴席も、この後に執り行われる裁判を目当てに傍聴しに来た人が数人で、これまでの口頭弁論で被告の応援に来ていたメンバーもいなかった。挙動が不審になりながらも、眠気で思考が抑制された状態で、席に座った。
裁判官「それでは、判決を言い渡します」
私「……(眠い)」
裁判官「主文、▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒15万円▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒を支払え」
私「(えっ、私が払うの……?)」
裁判官「原告の▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒請求を棄却する」
私「(ああ、やっぱり私の負けなのか……)」
裁判官「訴訟費用は、これを4分し、その1を原告の負担▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒」
私「(あれ、被告のほうが多く払うのか……)」
裁判官「この判決は、1項に限り▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒」
私「(IKKO……?)」
裁判官「以上です」
私「(……終わり?)」
1分で終了。カップラーメンより早い。裁判官が早口で判決を言い渡したのもあるが、それよりも、眠すぎて頭がぼーっとしていて、肝心な箇所はちゃんと聞けていなかった、というか、耳をすり抜けていったような感覚だった。なので、どっちが勝ってどっちが負けたのか、確証が持てず。何が起こったか分からないような顔をした私は、判決の内容を記した書類を貰えないかと書記官に尋ねた。すると、判決言渡の原本は受付で渡せるとのことだった。私は法廷を後にして、民事部に向かい、手続きをして、判決言渡の原本を受け取った。そして、そこに書かれていた内容を、公園に落ちてある団栗を手でひとつずつ拾うように、一文字ずつ丁寧に読み、私はようやく状況を理解した。肩の荷が下りた。大きく息をついた。
「ああ、勝ったんだ」
判決言渡原本
被告とその周囲の反応
裁判所を後にした私は、職場である古民家に向かった。毎週金曜日は私がご飯を作っているが、この日はピンチヒッターで地域の方がシェフを務めてくれた。毎月最終金曜日はカレーと決めていて、この日は豚こま肉を使ったおうちカレー。今まで食べてきた中で一番美味しいポークカレーを食べることが出来た。至福のひとときだった。
さて、law害氏はどうしているかと気になり、ツイートを覗いてみた。
反省の色は皆無。law害氏は裁判官に責任転嫁し、あろうことか、慰謝料15万円を工面するために、PayPayを利用して不特定多数から募金する始末。
そしてそれに手を貸す人がいるという事実。世も末。
悔悟するそぶりもなく、law害氏はさらに、慰謝料に充てるお金を調達するするために、今回の裁判について綴ったnoteを販売し始めた。記事の途中から有料となっており、全てを読むには500円を支払わないといけない。なお、記事の中には、再び私を「若ハゲ」と呼び軽侮する内容が。自分のしでかしたことを何とも思わず、このような行動にまで及んでしまうこの面の皮の厚さには、一周回って手を叩いて驚嘆してしまう。
そして、law害氏の周りの学生たちも、判決について口々にツイートをしていた。
おい……トンカツを食べながら「戦いにカツ!」とか呑気に言って裁判を楽しみにしていた頃のお前はどこに行ってしまったんや……。
私に言わせてもらうと、友達が悪いことをした時に、戒めもせずに、友達だからというしょうもない理由で身贔屓するあなたの方こそ、大事なものを多く失っているし、哀れだと思いますよ。
あとお前が前に私のことを「老害パン屋」呼ばわりしたこと、今でも覚えているし許していないからな。
けんかをやめて~ 二人をとめて~ 私のために争わないで~(河合保奈美)
それってあなたの感想ですよね?(自分が大丈夫なのだから他人でも大丈夫で然るべきというのは、演繹法としては片手落ちだし、視野狭窄な考え方ですよ)
だから冗談のセンス無いのに無理すんなって。家でゆっくりお茶でも飲んでな。
慰謝料の意味を分かってなさそうでかわいいね。ニッコリしちゃう。
その考え方だと。被告は45万支払う……ってコト?(ちいかわ)
私は、私自身の傷付いた尊厳を守るために裁判を起こしました。商売根性で裁判を起こしたと思われるのは心外です。
伊藤詩織さんと杉田水脈さんの件をご存じない? 学がないね~~~
子供の喧嘩では済まないと思ったので、大人の喧嘩(裁判)にしました。大人なので。
今回はその「人としてひどい言葉」が悪意を持って一方的に他人に向けられたという点で駄目だったということをご理解いただきたいです。
確認したらブロックされていたので、私もブロックしました。相互ブロック! 私が一番好きなブロックだよ! 消え失せな。
パミリア卒業、おめでとうございます。次は大学卒業を目指して頑張ってください。
実戦経験というか、ただの恥ずかしい汚点だと思いますが……。
あまりのトンデモ理論で卒倒した。これでよくレポートが書けていますね。ていうか、訴訟の原因は私ではなくて、law害氏本人ですよ。判決文でもlaw害氏の最初の「ガイジ」発言が私に向けられたものであることはちゃんと認定されています。私は別にlaw害氏の学業を邪魔するために訴訟したわけじゃないし(というか、ちゃんと勉強しろよ、他人に時間割を組ませるなよ)、学業なんてしている場合ではない重大なことを彼はしでかしたのだから訴訟したんですよ。あなたの言い分だと「学生ではない大人は、学生から誹謗中傷を受けても、その学生は学業とアルバイトで忙しいから、訴訟した場合は学業とアルバイトの機会を奪ったという意味でハラスメントになる。だから、学生ではない大人は学生からどんな誹謗中傷を受けても、訴訟すべきではない」ということになりますけど、大丈夫ですか?
大阪公立大学に投書
今回の裁判に至るまでの顛末を大阪公立大学の職員に通知するべく、私は意見書を書き上げ、判決言渡の複写、law害氏のツイートのスクリーンショットも添えて、封筒にまとめ、大阪公立大学の学生課に宛てて郵送した。意見書には、law害氏への懲戒処分あるいはこれに準ずる処置の請求、学生らへのSNSなどの運用方法についての教育の徹底を要求した。
封書は3月の初めに送った。しかし、待てども待てども、大学からの手紙なり電話なりの連絡が一向に来ない。会議にかけられている最中なのか? まだ中身を見てもらえていないのか? そもそも宛先に届いていないのか? 秘密裡に破棄されたのか? 2週間が経ってもなかなか連絡が来ないので、気になって仕方がない私は、大阪公立大学の学生課に電話を入れ、送った書類についての確認をした。学生課が応対してくれたが、どうやらまだ確認ができていないらしく、確認が取れ次第、折り返し連絡するという暫定的な返事をもらった。
後日、大阪公立大学の学生課から電話が入った。意見書に対する回答としてであるが、その内容は、「学生の個人情報などのプライバシー保護の観点から、当該学生の在籍の有無については答えられない。学生全体にSNSの使い方についてポータルサイトなどで周知するので、それで許してほしい」(大意)というものであった。プライバシーも何も、こっちは被害を受けているのだが。被害者の対応より学生の保身が優先されるのだろうか。そもそも、被告の本名も知っているし、何なら証拠も送ったはずだが。そう疑問に感じながらも、寝不足で薬も抜けていて頭がうまく回らない状態だった私は、「わかりました」と渋々承諾した。
被告からの控訴
控訴期間(2023/02/10)
何はともあれ、これにて一件落着……とも言えず。一段落は着いたが、私の気持ちはまだざわついていた。というのも、判決の書面を受け取った翌日から2週間は控訴期間となる。つまり、2月上旬までは相手が控訴してくる可能性がある。law害氏は、案の定、控訴するべきか否かを思案していたようであった。
あのな、「ガイジ」っていうのは中傷と障害への蔑視が合わさった恐ろしい言葉なのであって、相手に障害があるかとか関係なく使ってはいけないんだよ。そこら辺、解らないのか?
1月30日、law害氏は、同大学の友人とTwitterのスペースで会議をし、控訴について検討していた。そして、控訴に踏み切る意思をTwitterで表明した。これにより、控訴審の開廷は、大阪地方裁判所からの通知を待つまでもなく、ほぼ確実となった。
なお、上に掲載した画像に映っているlaw害氏のプロフィール画像は、大阪公立大学の前学長、より正確には、大阪市立大学時代の最後の学長を務めた荒川哲男教授の顔写真である。
2月中旬に、大阪簡易裁判所に、被告からの控訴があったかを念のために電話で問い合わせたところ、被告が控訴期間の最終日である2月10日に控訴状を提出したという回答を、担当の書記官により受けた。
ちなみに、かなり先に掲載した、『ハム大ちゃんねる!』にlaw害氏が立てたスレッドについてであるが、2023年9月の下旬頃に一度削除されており、閲覧できない状態であった。しかし、第一審が終結した後の2月上旬には再び閲覧できる状態に戻ってたい。一度立てたスレッドは投稿者が削除することは出来ない仕様であるが、実のところ、law害氏が管理人に内密に直談判して当該のスレッドを削除させていたということが判明した。
証拠隠滅の意図だったのだろうか。あまりにもダサすぎる。
自殺未遂(2023/03/22)
控訴の決定は、思いの外、精神的な負担となった。不運はいたずらに重なる。3月に入った頃には、私がうなぎのたれのように10年以上にわたってツイートを継ぎ足していたTwitterアカウント(@442hz)が凍結されてしまった。イーロン・マスクを許さない。このため、急遽別のアカウント(@442hz__)を作成したのだが、10年以上もかけて蓄積してきた自分のログが問答無用で一気に消滅させられたことは相当に堪えた。
自分らが勝手にやってるだけのダサい悪乗りを「ネットのノリ」にすり替えてんなよ。
これら以外にも、現実での人間関係で強いストレスを感じ、涙が止まらなくなったり、希死念慮に押し潰されて何をするにもできない無気力な状態が発現してきた。とうとう、私の視界にはど真ん中にある最終手段しか見えない状態に陥った。
3月22日の夜、最寄り駅で線路内に飛び降りる形で自殺を試みた。衝動的であった。それしか考えられなかった。プラットフォームに靴を脱ぎ、その中にたった3行の遺書を置き、ホームドアに前のめりになりながら、電車が来るタイミングを見計らっていた。しかし、乗客からの通報を受けた駅員に制止されてしまい、警察に保護されてしまった。警察署まで連行されて取調室で、個人情報やら経歴やら自殺の動機やら、隅々まで尋問され続けた。職員に「死んだら誰だって悲しむよ」と諭されたが、「お前に何がわかる」と、嗚咽で口には出せなかったが、内心では強く反抗し、それ以降は対話を拒否した。日付が変わって翌23日、ついに緊急措置入院の対象と判断され、精神病院に移送され、閉鎖病棟に隔離入院となった。
深夜3時頃の閉鎖病棟は、当然であったが、ただ想像以上に薄暗く、無機質な様相であった。部屋は外から二重に施錠され(脱出できない)、窓はなく(飛び降りれない)、ベッドの手すりもなく(首を吊れない)、床や壁は柔らかく(頭を打ち付けられない)、掛け時計は頑丈にカバーを被せられ(破片で身体を自傷できない)、天井には監視カメラがあった(異常な行動をすると拘束されかねない)。患者とはいえ、自由を奪われた囚人のように思えた。人生を終えることができなかったのに、人生が終わった。天井を眺めながら、ただ流れてくる涙を拭うしかなかった。
結局、泣き疲れて、ほとんどを寝て過ごした。食事は朝と昼に出されたが、手を付けることはなかった。何を出されたのかをほとんど見ていないので、朝は食パン、昼は米飯であること以外は、具体的な献立も知らずじまいであった。就寝前に医師から手渡された飲み薬(エビリファイ)と、ただひたすら寝ていたことで、精神的にはやや落ち着いてきていた。夕方になると、精神保健福祉士が入室してきて面談を受けたが、そこで退院可能と判断を受けたため、そのまま退院に至った。
帰途に着く最中、私は自殺未遂と入院の件をツイートした。すると、大阪公立大学の学生から次のように引用リツイートされた。
目を疑い、動揺した。しかし、精神が摩耗している私には、もちろん幾許かの怒りも感じたが、それよりもむしろ、生存してしまっていることの申し訳なさや、何故あの時死にきれなかったのかという後悔の念のほうが勝っていた。私は「ドクズ」なのだと思った。
『ハム大ちゃんねる』にも、私の自殺未遂について言及したと思われるスレッドが立てられていた。
個人の事情を何も知らないくせに、外野から説教を振りかざすのは、さぞかし気持ちの良いことなのだろうなあ。私もそっちの立場に行ってみたい。羨ましく思った。「ドクズ」なので。
当のlaw害氏も、私の自殺未遂について言及していると思われるツイートを投稿していた。law害氏にとっては、自殺をする側こそが迷惑な存在であるという認識である。なお、law害氏は、後に公共交通機関の人身事故が発生した際に、「遺族に高い慰謝料を払わせたい」といった旨の発言を投稿しており、彼が先のような発言をした理由を裏付ける証左となっている。
控訴審
控訴審前のlaw害氏の言動
law害氏はというと、平常運転であった。「ガイジ」という言葉を使うことに躊躇はなく、いつものように差別的で不可解な主張をしていた。
4月4日、law害氏が翌日に控訴状を提出することを公表した。
大阪公立大学の中百舌鳥キャンパスの前にある「まる徳ラーメン」さんlaw害氏に与する立場だったんですね。まだ行ったことなかったんですけれども、無理すぎるので、絶対に行きません。
law害氏が控訴状を提出した後には、law害氏と思われる「真実」と名乗る別のアカウントが登場した。プロフィールには「デマはよくない、ちゃんと真実を語ろうや」と書かれており、その正義感の基で、引用リツイートなどで執拗に反論したり、独り善がりの主張を展開してきた。
最終的に、law害氏は私の勤務先にクレームを入れることを仄めかせ、アカウントを翌日中には削除した。もしクレームを入れてきたら威力業務妨害で通報するところでしたが……。
law害氏の周囲の反応
law害氏の知人の間では、依然として私自身や私が裁判を起こしたことを揶揄するツイートが見られた。
終いには、プロフィールに「学部主席卒業修士卒の鬱退職バトルパン屋さん」という、私の個人情報を掲載した謎のアカウントまで登場した。ちなみに、私は大阪市立大学文学部で主席卒業(正確には各学部から1名が選ばれる「学業成績優秀賞」を受賞)し、そのまま修士課程に進学したけれど落ちこぼれて、普通に就職しましたが適応障害と抑うつ状態で退職し、パンの仕事を生業にするに至りました(誰が興味あるねん!(©ヤナギブソン))。あと、トイレの水は中水道なので美味しくないですよ。
控訴理由書の受取
控訴人となったlaw害氏からの控訴理由書を受け取った。主な主張としては、
「ガイジ」は一般的に「害のある人」「面倒臭い人」という意味で使われるので誹謗中傷ではない
SNSの性質上、また、私とlaw害氏の両者をフォローしている人は少ないので、同定可能性は認められない
といった、往生際の悪いものであった。
しかし、これらに加えて、新たな主張が書かれていた。それは、「被控訴人(私)に誹謗中傷された」というものである。law害氏によると、私がlaw害氏にブロックされた際に「殺すぞ」「死ね」というツイートを投稿したので、それに対する反撃として「ガイジ」と言い返したのであって、law害氏は私に「殺すぞ」「死ね」と言われて非常に強い恐怖心を感じたのだと言う。
”非常に強い恐怖心?” あの人が?
「死ね」とか「ガイジ」とかを普段から使っちゃう人が、非常に強い恐怖心???
「ぶっ殺すぞ」とか軽々しく言ってしまう人が、非常に強い恐怖心???????
確かに私は「殺すぞ」「死ね」と投稿した。しかし、それはlaw害氏が普段からこのような「死ね」や「殺す」などの刺激的かつ攻撃的な言葉を常用しているため、同等のレベルの言葉でないとlaw害氏にとっては効果が無いと判断したからためである。「死ね」や「殺す」って普段言っているくせに言われたら恐怖の被害者ムーブですか? そもそも、そんなに強い恐怖心を抱いていたら、普通「ガイジ」とかいうド直球NGワードが咄嗟に出てくるか?
控訴審(2023/05/11)
と思いつつも、心身共に疲弊していた私は、ワークにもライフにも支障が出てきている状態であった。もっと早くに出すべきだった答弁書も、結局遅れて期日の5日前に提出せざるを得なかった。私が書いた答弁書を受け取りに行くlaw害氏は、Twitterで私を「アホ」と中傷していた。
5月11日10司30分、控訴審の口頭弁論が行われた。控訴審では、law害氏が控訴人、私が被控訴人となった。法廷には、私の家族や職場の関係者が訪れ、同じ大阪市立大学文学部出身の小説家である蝉川夏哉さんも、私を労って駆け付けていただいた(口頭弁論中に横目で見ながら、もしかしてとは思ってはいたが、一言の挨拶もできず、後ほど連絡を頂いて確認した次第で、その節は何卒ご容赦を願いたい)。しかしながら、簡易裁判所の第一審と同様に、傍聴人の大半は大学生で、その殆どがやはりlaw害氏を支持する立場であるように思われた。
裁判官は、第一審の時から2人増えて3人になった。口頭弁論が始まると、冒頭で裁判官から和解勧告がなされた。私は、和解をするつもりはないと表明したが、裁判官に諫められ、そのまま和解についての説明が進められた。その後、law害氏と私は別室の前の廊下まで案内され、まずは控訴人のlaw害氏が別室に入った。law害氏が部屋を出た後、被控訴人の私が別室に入った。
私はその部屋で、裁判官や書記官から和解についての説明を受けたのだが、彼らからは「あなた、相手から言われてから売り言葉に買い言葉で言い返してますよねwww 向こうも別訴で相当な慰謝料を請求しようとしてるし、ここで和解しとかないとやばいですよwww」といった、半ば嘲るように、終始ニヤつきながら、私に和解をするように誘導してきた。私は彼らに対して強い不快感を覚えた。図らずも「殺すぞ」と思った。ちなみに、裁判官たちの説明によると、私が和解を拒否しても、多少の減額はあれどlaw害氏に慰謝料を請求できるという。しかし、law害氏は精神的苦痛やプライバシー侵害(本名をTwitterで公表された、及び、裁判についての記事がnoteで公開された)など複数の理由から60万円の慰謝料を請求する別訴を検討しており、長い目で見れば、ここで和解して清算してしまった方が身のためであるという。
自身の中で十分に気持ちの整理や検討ができないまま、裁判官らからのいけ好かない圧力に屈して、最後は私が折れる形で、已む無く和解という道を選択した。裁判官は、和解条項の中に「お互いに謝罪すること」を採用しようとしたが、私はlaw害氏に対して、顔も見たくない程の強い嫌悪感を抱いており、また、和解という選択についても十分に納得した上での選択ではなかったため、謝罪を対面で行うことは断固として拒否した。斯くして、law害氏と私との間に和解条項が設定され、双方の謝罪は書面という形式で行われた。
和解調書原本
和解成立
私の裁判は、和解という形で決着を迎えた。書記官から和解調書を受け取った後、私は傍聴に訪れた家族と同僚と共に、裁判所を後にした。第一審で請求できるはずだった15万円の慰謝料は無かったことになった。ただ、それについては後悔の念は無かった。今回の裁判を契機として、law害氏が自身の言動について少しでも反省をしてくれればそれでもう良いと、淡い期待を抱いていたからである。
しかし、その期待は一瞬で踏みにじられた。
「和解」と書かれた紙を掲げてピースサインをするlaw害氏。law害氏とその知人たちは、控訴審が行われた法廷の前の廊下で記念撮影をしていたのだった。裁判所内が撮影禁止であるにもかかわらず、である。
law害氏は、何ら反省の態度を見せず、むしろ勝ち誇っている様子であった。また、law害氏の知人である大学生の多くも、祝福のコメントや、私を揶揄するコメントを投稿していた。
人間は、ここまで残酷になれるのか。母校の学生に対する底知れない憤怒、失望、恐怖、何もかも全てが綯い交ぜになって襲ってきた。私はふと「もう大学界隈とは関わりたくない」と呟いた。
四面楚歌に陥った私は、不特定多数の学生から更なる誹謗中傷を受けるのではないかという強烈な危機感を覚えた。このため、自身のTwitterアカウントを一時的に削除した。
再び自殺未遂
翌日も、law害氏は(和解なのに)勝利の余韻に浸っていた。「ガイジ」という言葉を消費しながら。
law害氏の引用リツイートも勢いを増していた。
この「ごめんな~おデブちゃん」という台詞は、以前に大阪市立大学の学生から受けた誹謗中傷のツイートで、「OKD」というのは「オカダ」という名字のアブジャド的略語である。
被害を受けた自分が裁判という手段により正当に抵抗したのに、どうして理解されなかったのか。どうして、むしろ愚弄されないといけないのか。精神的に耐えられなくなった。law害氏のツイートに多くの「いいね」が付されていることを目の当たりにして、次第に、自分が全て間違えていると考えるようになった。law害氏の価値観がスタンダードであり、当たり前である社会にとって、私は本当に障害者として忌まれる存在であり、不要な存在なのである。私が消えていなくなってしまえば、私を貶めていた人たちも手を叩いて歓喜し、正当に評価してくれるに違いないと強く思い始めた。
私は、今度こそ命を絶たんと決心した。
13日と14日に仕事が控えている。職場で私を待っている人がいる。でも、もうその人たちに応えられる気力は残っていない。許して欲しい、でも、せめて、それを終わらせられれば、楽になれる。開放される。喜ばれる。皆が幸せになる。死ぬことで、全部、叶う。
その夜、23時過ぎ。玄関を叩く音、呼ぶ声が聞こえた。警察であった。男女2人で来た。私の予告自殺を確認した第三者の通報によるものであった。私は、警察官から、自殺を図ろうとしている理由を問われ、「自分がいなくなればみんなが幸せになる」と答えた。その際、私はlaw害氏から誹謗中傷を受けていたことをも伝えた。警察官は、「だめ、だめ。そんなことをしたら。」と、手でバツを描くジェスチャーをした。「そんな奴は、将来どうせ痛い目に合うんだから、そんなことで自殺をしてはだめだよ」と諭された。私は何も反応しなかった。でも、心の中では、「そんな奴に限って何の罰も受けずにのうのうと生きていくんだろうが」と叫んでいた。自殺企図を表明するなどの言動が再び見られた場合には緊急措置入院の対象となり、即刻病院に送致する、と警察官から警告された。
13日、私の予告自殺を嗅ぎつけたlaw害氏は、追い打ちを掛けるかのように私を愚弄していた。
ここでの「劇団あほす」というワードは、大阪公立大学の課外活動団体で学生劇団の「劇団カオス」を捩ったものである。
そして、とどめを刺すかのように、「裁判でごめんなさいさせられたのが悔しくてしょうもない病み鬱かまってアピールを繰り返すアラサー男性」という名前のアカウントまで登場した。そのスクリーンネームは、sorryodevchan(ソーリーおデブちゃん)、つまり、「ごめんな~おデブちゃん」。
「ネットで死にたいかまってちゃんできるうちは死なないから大丈夫😁」、「周りに迷惑かけんなよ」、「30歳無職が若い女性をネトストしてるのキモ情けなくておもろい」 ―― law害氏はこれらの心無い、血も涙もないコメントを好意的に取り上げていた。
私の心はズタズタに引き裂かれた。もし、自殺が失敗したら、未遂で終わってしまったら……。彼らは私を、より一層、見下し軽侮し、地を這いつくばる私を面白がって蹴り続け、今後、永遠に、私の尊厳を傷付け続ける。今度こそは、自殺を達成しないといけない、確実に。
14日、仕事を終えたのが17時頃。一度帰宅し、18時以降、最寄り駅の線路に飛び降りる形での自殺を計画していた。しかし、身も心も満身創痍であった私には、たった3行の遺書を今回も用意するのが精一杯で、自殺を決行するための気力が不足していた。約束の時間までは、まだ1時間ある。万全な状態で実行に移すためにも、1時間の仮眠を取ることにした。私は、自室に横たわると、そのまま寝付いてしまった。
玄関のドアを叩く音に気付いて目を冷ますと、20時であった。ドアの向こうにいたのは、2日前に見た警察であった。ドアを開けると、警察官は開口一番、「ああ、よかった」と安堵した。その後、私の体調やら今日に至るまでの状況やらを確認してきた。そして、警察官は私に、「今でも死にたい気持ちはあるか」と尋ねた。私は察して、ゆっくりとした口調で「今は自殺したいとは思っていない」と返答した。「ある」と言ってしまえば、病院送りになって、本当に死ねなくなると思ったからだ。警察官は最後に、SNSでの誹謗中傷についての状況を確認したいと求めたため、私はlaw害氏のツイートとsorryodevchanのツイートを提供した。
提訴、再び
訴状提出(2023/07/07)
あれ以来、遺書は封筒に入れて、常に携帯するようになった。いつ死んでもいいように、いや、いつでも死ねるように。あの時はたった3行だった遺書は、定期的に書き換えて、今は10行である。
そして、law害氏とその周辺も、これまでの裁判について面白おかしく取り上げたり、私を揶揄したりするようなツイートを繰り返していた。
私は、和解が成立したのにも関わらず、law害氏がこうした投稿を続けていることに強い憤りを感じたため、再び提訴することを決心した。
7月7日、私は、law害による以下の投稿で私の名誉感情が侵害されたことを理由に、law害氏に対して20万円の慰謝料を請求する訴訟を提起した。
以下のツイートを投稿
めんどいけど明日答弁書受け取りに行く、アホがギリッギリに出したせいでほんまだるい
おれの鍵垢でのツイートパン屋に密告してる奴ほんまに終わってんな。普通にネタで晒すとかとは次元違うし、人として終わってるきっしょいなぁ🍞以上やでお前
「大学界隈と関わりたくない」
???「win-winやん」
「Twitterやめます」
~めでたしめでたし~ かと思ったら
1日経たずに戻ってきて、
「みんな自分がいない方が幸せなら死にます14日飛び降り自殺する」🥹
🤓「あ○とさん死なないで~😭」
「ニチャァ」
劇団あほすそういえば18時過ぎましたがパン屋は生きてるのかな?
電車乗ったら隣に座るの絶対おっさんか臭いおっさんかチー牛なんやけどパン屋の呪い?
以下の第三者の投稿をスクリーンショットを掲載する形で引用し投稿
記事文面「一番悪いのは多分こいつ😅」
引用内容「⬛るとさんって何やっても中途半端よな 会社も辞める 自殺も未遂 裁判も和解 何ひとつやり遂げたことがない」記事文面「こいつクレイジーすぎるwガチでストッパーないタイプやん」
引用内容「30歳無職が若い女性をネトストしてるのキモ情けなくておもろい」
私が再び提訴したことをTwitterに投稿すると、law害氏を支持していた大学生たちは否定的なコメントや私に対する揶揄を相次いで投稿した。
これら以外にも、私のツイート、特に裁判や希死念慮に関するツイートが非公開のアカウント(俗に言う「鍵垢」)からのリツイートや引用リツイートも大量に行われ、私の見えないところで陰口を叩かれることの恐怖を感じ、辟易していた。私は、他者に対して信頼する気持ちが完全に消滅していた。これらを観測した私は、他者に対して信頼する気持ちが完全に消滅した。law害氏の肩を持つ学生からの誹謗中傷による二次被害を未然に防ぎたいが、もはや、大阪公立大学の学生に関与すると碌なことがなく、金輪際、関わってほしくないと思った。このため私は、7月末に新たに別のアカウントを作成し、大阪公立大学の学生を、また、彼らと関わりのありそうな他大学の学生も、私が起こした裁判やlaw害氏に対する言動に対してどのような立場であれ、発見次第、全員ブロックしていった。即座に、片っ端から、無差別に、問答無用で。私に関する噂が悪い形で内密に伝えられ、私に対する社会的評価が低下するのを恐れたためである。私が声を上げたことに理解を示してくれていた人もいたけれども、それであってもブロックした。ごめんなさい。そんな人はいなかったとまた誰かさんたちに嗤われるかもしれないが、少ないけれど存在した。でも、申し訳ないけれど、もう信用できないのです。本心ではどうせ私のことを馬鹿にしているのではないか、としか疑えない状態になった。そもそも、そういう人たちがlaw害氏との関わり(相互にフォローやリプライをしている状態)を持っている時点で、幻滅し、信頼も何も持てなかった。
すると、law害氏はスクリーンネームを「barebarealtchan(バレバレあるとちゃん)」に一時的に変更していることが、8月2日に確認された。私は、law害氏のこの行為を、私に対する挑発と受け取った。
私が学生を片っ端からブロックしていっていることは知れ渡り、ブロックらされた学生による、揶揄の投稿も散見された。
第1回口頭弁論(2023/09/07)
2度目の裁判の期日等が設定された頃には、law害氏のTwitterアカウントは非公開となっており、以降、投稿を閲覧できないままである。
9月7日(木)の11時、62号法廷で2度目の裁判は始まった。裁判官は、堅物そうで、落ち着いた印象だった。第1回口頭弁論では、提出された証拠の確認や、諸々の事項の連絡のみで、10分程度で終了した。強いて言えば、証拠説明書(号証の一覧)の提出を求められたぐらいである。前回とは違って、傍聴席に大学生の姿は見えなかった。そのため、精神的には比較的落ち着いて臨むことが出来た。
第2回口頭弁論(2023/10/05)
ところが、第2回口頭弁論で、(少なくとも私にとっては)異例(と思われる)事態が発生した。
裁判官が変更となった。というのは、当初の裁判官の急病など已むを得ない事情によるものではない。どうやら、私とlaw害氏が以前に係争中であったため、急遽変更となったようである(前訴については、今回の訴状にも記載していた)。
新しい裁判官は、ハキハキとした明瞭な声で、まず、和解勧告がなされた。まず、law害氏が法廷から退出し、残った私に和解に対する説明と、意思の聴取が行われた。裁判官から提案された和解の条件は、「被告が慰謝料としてまず5万円を支払い、被告が期限内に当該のツイートを削除しなかった場合は残りの15万円を支払う」というものであった。私は悪くはないと思った。しかし、受諾するつもりは無かった。というのも、現時点でlaw害氏のアカウントは非公開で閲覧できない状態であり、当該のツイートが削除されたことを確認できないからである。仮に削除した旨をlaw害氏に報告されても、信用できない。それよりも何も、前訴以降のlaw害氏の投稿からも判るように、law害氏からは一切の反省の態度が窺えないのだし、もしここでまた和解なんてしてしまったら、law害氏も周囲もまたつけ上がって、舐めてくるのがオチである。そのため、和解に対しては断固拒否する意思を伝えた。これを受けて、裁判官は、裁判の長期化に伴う時間的拘束、精神的および経済的負担を勘案し、和解に至るように懇切丁寧に説得した。それでも私は、絶対に折れたくなかったので、前回のような思いをしたくなかったので、徹底的に拒否した。
幾度かの遣り取りを終えて、裁判官には納得してもらった。その後、私は別室に誘導され、法廷に戻ったlaw害氏への和解の提案が行われた。当然、どういうことが伝えられたのか、その詳細は知らない。
5分から10分程度――私にはもっと長いように思えた――が経過してから、私は再び案内され、法廷に戻った。裁判官は、私とlaw害氏に和解不成立、および裁判継続の旨を伝えた。
なお、私は準備書面で次のような主張を行った。
リツイートではなくてもスクリーンショットで投稿を引用した場合でも、引用元の内容に賛同する意思を示していると解されるのが、過去の判例から考慮しても妥当である
対して、law害氏は、前回の答弁書と今回の準備書面で概ね次のよう主張を行っていた。
この裁判は、以前に和解した事件を原告がもう一度掘り返した正当性のないものであり、原告の言いがかりである
原告は訴訟する前に何故連絡してこなかったのか
原告の被害妄想から来る思い違いである
😅という絵文字や「w」という文字列は、原告を揶揄する投稿に対して積極的な賛同を表明したものではなく、むしろそうした投稿に否定的な意思を示したものである
Twitterのスクリーンネームを「barebarealtchan(バレバレあるとちゃん)」に変更したのは、原告に執拗に監視されているように感じたので試しに設定しただけである
原告がTwitterで口頭弁論期日などを投稿するなどで裁判の情報を開示ししたことで、プライバシーが侵害された
「パン屋の呪い」という言葉が不快にさせてしまったことは謝罪するが、それを原告が飲まないのであれば反訴を提起する
「言いがかり」、「被害妄想」、「和解案を原告が飲まないのであれば」、「反訴を提起」。こうした言葉の端々から、law害氏が自身の言動によってどれほどの被害を他者に起こしてしまっているのかを未だに十分に自覚しておらず、反省も一切していないことがよく分かる。
口頭弁論の終了後、law害氏は法廷前の掲示板に貼られている開廷表をスマートフォンで撮影していた。何かの証拠として提出するためのものなのか、意図は不明であった。ただ、裁判所内は撮影禁止なのにそのルールを平然と再び破っていたので、呆れるほかなかった。
15万かけて戦ってるの偉い👏 ←何が偉いんですか?
第3回口頭弁論(2023/11/16)
私は裁判所に、私を「パン屋」「🍞」などと呼んで揶揄する大学生のツイートを全て印刷し、私自身の同定可能性の証拠として提出した。その数およそ50枚。当然、ステープラーで閉じることはできず。書記官からは、「すごい量ですね……」と絶句された。
第3回口頭弁論では、裁判官から私とlaw害氏に対して、次回の口頭弁論までに陳述書を提出するように求められた。これは初めてのことであった。具体的には、前訴で和解に至った日から今回の裁判までの出来事や心情などを日記のようにできる限り詳細に記述するようにとのことであった。
第4回口頭弁論(2024/01/18)
というわけで、陳述書を書くことになったが、とりあえず何も解らないので、和解成立前と成立後について、背景が分かるように記述していった。
私は、2017年3月に大阪市立大学を卒業し、2019年3月に同大学大学院を修了した。在学中にはTwitterで同学部・院の多くの知人と相互フォローの状態にあり、同大学院修了後も新旧の在学生との認知や交流が続いている状態であった。
私は、2019年4月から一般企業で勤務を開始したが、翌年3月に「適応障害」と診断され休職した。翌月に復職したが、3か月後の7月に「抑うつ状態」と診断され、退職した。この頃から、大阪市内の心療内科に通院するようになった。
私は、2021年4月にパン教室の主宰として開業し、その前後でも手製のパンを撮影した写真をTwitterに投稿していたため、私のフォロワーであった大阪市立大学の在学生には、次第に「パンの人」として認知されるようになっていった。
私は、2021年頃にTwitterでlaw害氏と相互にフォローをした。この頃、私は大阪市立大学の学生の知人のために、同大学の杉本キャンパス構内で手製のパンの販売を行っていて、law害氏は私がパンを販売している現場に訪れてパンを購入し、お互いの知人も交えて会話することが何度かあった。
(law害氏に「ガイジ」「池沼」と言われたため、住所を特定して内容証明郵便を送った話)
(law害氏から慰謝料の支払いを拒否されたため、裁判所に提訴した話)
私は、2022年10月から飲食店を営業していて、11月頃に大阪市立大学の在学生の一人が客として来店した。その人は、law害氏とは相互に認知しており知人の関係であったのだが、law害氏から「スパイ目的は禁止な」と口止めされていることを告白した。
(裁判が終わってから、law害氏と私がそれぞれ、noteで裁判についての記事を公開した話)
(law害氏が控訴したことを確認した話)
私は、2023年3月22日に、最寄り駅構内の線路内に飛び降りる形で自殺を試みたが、駅員に制止され、警察に保護された。次の日、緊急措置入院の対象となり、大阪府内の精神病院に移送されたが、当日の午後に退院した。
(控訴審で和解した話)
(Twitterでlaw害氏が「和解」の紙を持ってピースサインをしている写真がに上がっていたり、law害氏の知人が祝ってたりしていた話)
(私がTwitterのアカウントを消して、自殺念慮が強くなった話)
(私がTwitterで自殺を予告した話)
(第三者の通報で私の自宅に警察が来た話)
(私がTwitterで提訴したことを発表し、大阪市立大学・大阪公立大学の大学生をブロックしていった話)
私は、口頭弁論を通して、law害氏から誠意のある対応を受けているとは一切感じていない。第3回口頭弁論では、law害氏は、私が自殺企図を表明した際には現に原告の安否を心配していたと主張したが、law害氏は今までに私にTwitterのDMで慰謝料の支払の拒否やnoteの記事の削除を請求するメッセージを送っており、だったら私が自殺をしようとした時にlaw害氏は何故、安否を心配していることを伝えるメッセージを送ってこなかったのか。私は、被告の主張と行動が矛盾していると感じた。
私が陳述書を提出したのが口頭弁論の直前であったため、被告がこれを読んで反論となる証拠を準備するために裁判官から1期日の延期を提案された。しかし、law害氏は別に構わないとしてこれを断ったため、次回に判決が言い渡されることが確定した。
判決当日(2024/02/22)
2月22日(木)の午前11時30分頃、大阪簡易裁判所に到着し、62号法廷に入った。前回と同じようにアイマイナのぬいぐるみを連れて来た。法廷に、law害氏は姿は見せなかった。前回は、判決言渡が終わってから、遅れてやってきたようであるが、今回はどうなのかは知るところではない。私は、肘をつき手を組みながら、判決の内容が伝えられるのを待っていた。
裁判官「それでは、判決を言い渡します」
私「はい」
裁判官「被告は、原告に対し、15万円及びこれに対する令和5年6月16日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。原告のその余の請求を棄却する。訴訟費用は、これを4分し、その1を原告の負担とし、その余は被告の負担とする。この判決は、主文1項に限り、仮に執行することができる。以上です」
私「ありがとうございました」
判決言渡原本
裁判を終えて
判決は、私には十分に納得のいく内容であった。裁判所を後にした私は、すぐ近くの大阪市中央公会堂に向かい、地下1階の「中之島ソーシャルイート アウェイク」でランチの「牛肉煮込みのオムライス」を食べた。美味しかった。ちなみに、ここは「ハンバーグステーキ」もめちゃくちゃ美味しいです。
大阪公立大学に再び投書(2024/03/01)
前回の簡易裁判所での判決言渡後には、事の顛末などを記した意見書を大阪公立大学に意見書を提出したSNSの運用方法についての周知の徹底を請求した。しかしながら、結局私は、同じ学生から、そして彼の周囲からのセカンドレイプという形で再び被害を受けてしまった。私は再度、大阪公立大学に、law害氏への懲戒処分、および学生らに対するSNS利用の教育の改善策の提示を請求する意見書を、学生らのTwitterでの投稿内容と判決の複写を添付して送達した。今回は総務課ではなく、学長に宛てた。
書類はレターパックに同封し、3月1日に郵便局に提出した。追跡記録から、3日後の同月4日に大阪公立大学に配達が完了したことが確認された。しかし、1か月以上経っても、連絡は全く無し。結局、4月25日に大阪公立大学の法学部に電話を掛け、書類が届いているのか、それとも無視しているのかを問い、折り返しの連絡を要求した。
翌日、総務課から電話があり、回答を受けた。その内容は、「学生の在籍の有無については答えられない。SNSの活用方法については新入生に配布する冊子にも書いてある」(大意)とのことだった。前回と同じ回答だった。「その回答は承服できません。そもそも、当該の学生については、SNSでプロフィールに所属の大学と学部を掲載しているし、こちらで氏名も住所も把握しています。前回も動揺の県があった時にそちらに意見を申し入れたが、結局は何も改善してくれずに、結果として私は同じ学生から二度も被害を受けた。それで『答えられない』は筋違いだ。」そう私が反論すると、向こうは「おっしゃる通りです」と答えるに終始した。私は、「送った書類や電話ではまだ伝えきれないことがあるので、直接会って話がしたい」と伝えた。すると電話口の担当者は、「構いません、しかし、回答は変わりませんよ」と言われた。
というわけで、近々、大阪公立大学の職員と面と向かって話をするつもりである。
おわりに
「ガイジ」と「池沼」―― 誹謗中傷と、障害に対する軽視とが合わさった、とても恐ろしい言葉。これらが他人に向けて使われること自体が恐ろしいことであるのに、この刃を向けられ傷付けられた者が声を上げて必死に抵抗したことを嘲笑い、異物のように扱い蹴り続けることは、加害者と共犯して誹謗中傷と差別をすることに等しい行為であり、これらを甘受すべき理由はない。
今回のlaw害氏の行為は、社会通念上、決して許されるものではないし、許容される限度を超えた恥ずべきものである。また、彼に加担し、裁判に至るまでの私の一連の行動を揶揄してきた人たちについても、自らの言動がいかに愚かなものであったか、深い反省を請求したい。
なお、今回の件を踏まえて、私は今後、大阪市立大学および大阪公立大学の学生とは、仕事であれプライベートであれ、直接の関係を持つことは一切お断りさせていただく。関わったところで碌なことにならないということは、十分に、身を以て、痛い程、理解できた。また、何も知らない外野から「年下とばっかり絡んでいる」とか「大学界隈にまだ居座ってる」とか、嫌みを言われる筋合いもない。職場に来ていただく分には別に構わないが、私から話し掛けることはないし、話し掛けてこられても完全に無視をするか、事務的に淡々と対応する。その点はどうぞご了承いただきたい。
そういえば、住民票、第三者でも請求に正当な理由があれば普通に取得できたみたいです。
以上でこの記事は終わりです。長文にもかかわらず、ここまでお付き合いいただきまして、誠にありがとうございます。もしよろしければ、お気持ち程度のサポートとして記事の購入(500円)をしていただけますと幸いです。有料エリアに掲載しているのは1枚の写真のみですし、購入を強制するものではありません。
売り上げにつきましては、万が一、相手方が控訴や反訴をしてきた場合は、新たに掛かる裁判費用に優先して充てさせていただきます。余剰分については、パンやお菓子の材料、およびスターバックスの飲み物などに変換させていただきます。
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