東風解凍‥ はるかぜこおりをとく
二十四節気の
始まりは立春
その初候
『東風解凍‥はるかぜこおりをとく』
2月4日頃から2月8日頃
春生まれのわたしは
なにより冬が苦手で
誰より春を待ち焦がれていると言っても
過言ではないかもしれません。
新暦では元旦に始まり1月2日3日と‥
一年の始まりに浸る間もなく
気づけばまた慌ただしい波に飲まれて‥。
毎年いつもそんな風に上手くスタートを切れず
気持ちを切り替えれないまま
一年がなんとなく始まって‥。
そんなわたしにとって
旧暦である2月4日は
再スタートを切らせてくれるとても意味のある日だったりします。
東風解凍‥と言われても
まだまだ寒さの残るこの時期にピンと来ないかもしれません。実はわたしもそうなのです。
それでも、仕事が終わり
会社から一歩出ると1日1日と日が長くなり
あんなに真っ暗だった帰り道も
うっすら明るく‥
少しずつ近づいてくる春の足跡が聞こえてくるようで嬉しくなるのです。
そんな微かな春の気配を
身体で、心で感じながら
あたたかで優しい風を心待ちにしたいですね。
「東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」
『東風解凍』この言葉から
菅原道真の短歌を浮かべる方も多いでしょう
現代語訳は
「春になって東の風が吹いたならばその香りを私のもとまで送っておくれ梅の花よ。主人がいないからといって春を忘れるなよ。」
道真は左遷で
大宰府へ行くことになっていたのでこれからは直接見ることができない梅の木を想い
悲しい気持ちで詠んだものだと言われています
何度読んでも切なく
住み慣れた土地を離れるさみしさ
そして抗うことのできない運命に
諦めとわずかな希望のようなものを感じます。
だがそれだけでしょうか
わたしにはその裏に自分が居なくなってもどうか忘れないで欲しいと
妻へと送るメッセージが込められている気がしてなりません。
そして同時に引き継がれている
「飛び梅伝説」
道真の後を追うように梅の木も一夜にして大宰府へ飛んだと言われていますよね。
別説では都から取り寄せたことは伏せ
飛んできたことにしたとか‥。
やはりそこにも愛があり
そこまでしてもそばに置きたかった
強い強い愛情が感じられ
情の深い方だったのだろうと思わずにはいられません。
幾年の年月を超え今なお人々の心に響く
そんな短歌を慈しみ今日もまた
遠い「今」を生き抜いた道真に想いを馳せる今日この頃なのです。
あおさんの写真に添えて‥
読んでいただきありがとうございます。
東風解凍‥はるかぜこおりをとく
暖かい春風が池や湖の氷を解かし始める頃
photographer‥あお
writer‥るん
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