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3 count...の仕入れ先『あちらの世界』のおはなし

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3 count...(3カウント)は、不思議なあちらの世界から仕入れた魔法や不思議な雑貨を使うハンドメイド雑貨屋さん。 minneギャラリーで販売中。 ここでは、アクセ…
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2021年3月の記事一覧

#54 Oliviaの意地

#54 Oliviaの意地

ダイニングルームにはすでに
たくさんの料理が並んでいた。

午後からも作業があるためか
サンドイッチやフルーツ、グリルチキンなど
比較的軽いモノが中心だった。

洞窟の中では
ほとんど小声で必要な時しか話さなかったチームだが
ダイニングルームでは
声のボリュームはみんな大きめだった。

「いつも食事はこうやって一旦戻るんですか?」

それぞれが賑やかに談笑する中、向かいの席で
グリルチキンを豪快に

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#53 ドラゴンエッグストーン

#53 ドラゴンエッグストーン

Gretaたちと分かれて進んだすぐ先から
周りの岩の色がかなり青みがかっていた。

また、これまで以上に
通路の高さと幅が広くなっていった。

温度も少し下がって、気候が変わったような感覚だった。

Alexはさらにペースを落とし
ほとんど立ち止まりながら言った。

「この辺りから、ドラゴンの痕跡を感じるわ。
ここまでは通路だったけど、
少し前から空間が大きくなったでしょ?

それに、岩もドラゴン

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#52 ゴブリンの秘密の鉱石コレクション

#52 ゴブリンの秘密の鉱石コレクション

洞窟に着くと、
入り口で待機と指示されていたDanは
お気をつけて、と別れを告げた。

採掘チーム7人とOliviaと私と
鉱石商のPierreさんは洞窟の中へと進んだ。

入り口から数歩入ったところで、
壁面から私達に向かって複数の”何か”が
サッとと飛んできて、ふわりと空中で付いてきた。

私は思わずビクッと驚いた。

すると、すぐ後ろから
Miguel(ミゲル)の声がした。
「大丈夫だよ、俺

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#51 Alexの採掘チーム

#51 Alexの採掘チーム

そのままいよいよ洞窟に入るかと思ったが
Alexの部屋を出ると、すぐ近くで
8人くらいの大人たちが談笑していた。

Danを含む、年配から青年までの7人の男性と
Alexより少し若いくらいの女性が1人だった。

そのうちの奥の3人が私達に気付き、
全員がこちらを向いた。

「Alexさん、おはようございます!」
「キャプテン、おはようございます!」
「Alex、おはよう。」
皆が口々に挨拶をした。

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#50 蝶と鉱石の光魔法 装飾ランプ

#50 蝶と鉱石の光魔法 装飾ランプ

「Alexさんって
この採掘チームのキャプテンだったの!?」
入り口のプレートを見て、私は初めて知った。

「そうよ。
3年ほど前からこのチームを任されてるわ。」

かっこいい、と言う私に
Oliviaは自慢げな顔をしていた。

「荷物は奥の部屋に適当に置いちゃって。」

”奥の部屋”そう言われてハッとした。
穴の中が広すぎた。

外から見る限りでは
ウナギの寝床のような細長く狭い横穴の印象だった

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