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美術館感想文

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【美術館感想文】モネ 連作の情景(大阪中之島美術館)

【美術館感想文】モネ 連作の情景(大阪中之島美術館)

再登場が早すぎやしないか、大阪中之島美術館。
厳密にはこの間にも別の美術館に行ってはいたのだけど、その話はおいおい。
今回もまた、展覧会目当てでの来訪でした。魅力的な展覧会をしているんだもん、新幹線にも乗っちゃうよね。

「モネ 連作の情景」。
こちらも前回のテート展と同様に東京でもしていたんだけど(上野の森美術館)、日程が合わず行けなかった。発表されたときからそわそわしながら行く日を狙っていた展

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【美術館感想文】テート美術館展(大阪中之島美術館)

【美術館感想文】テート美術館展(大阪中之島美術館)

大山崎山荘美術館と時を同じくして訪れたのが、当時大阪の中之島美術館で行われていた『テート美術館展』。

実は、2023年のことなので書いていなかったが、『テート美術館展』は、東京で開催されていたときにも行っていた。こういう風に巡回する展覧会で2会場以上足を運ぶのは、2022年〜2023年の『李禹煥展』(国立新美術館、兵庫県立美術館)に続いて2回目。この李先生の個展もめっっちゃよかったから、もう今年

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【美術館感想文】大山崎山荘美術館

【美術館感想文】大山崎山荘美術館

2024年、一番最初に訪れたのは、京都にある「大山崎山荘美術館」だった。いろいろな事情で、珍しく団体バスで近くまで行ったので道中はよく覚えていないが、確か、最寄りの駅から少し歩いたら着いた。最寄りの駅からはシャトルバスも出ていたはず。ただ、歩くの嫌いじゃないので、山道を上った。気持ちよかった。こういうときにしっかりと、バスの情報を調べたりするのが後世のためにはよいのだろうけれど、こんな時間なので許

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まだ芸術についてはよくわからないけれど

まだ芸術についてはよくわからないけれど

絵よりも文章が好きだった。漫画よりも小説が好きで、美術よりも国語が好きで、美術館より図書館が好きだった。
今思うと、家族に連れられて行った美術館で見た麗子像がすごくこわかった、とか、ゴッホの絵は点々でいっぱい描いていてすごかった、とか、そのくらいしか引き出しがなかった。

数年前の夏、陶板名画で有名な美術館に行った。教科書に載っている絵たちが、(本物かどうかはおいておいて)実在するのだと心躍った。

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私と美術館

私と美術館

何をするにも、「うってつけの」日があるのだろうと思う。偶然に偶然が重なった出来事だとしても、振り返ってみると、まるで初めからそうと決まっていたかのような日が。これは「相応しい」というとどこか違って、「とびきりの」というと近い。誰かはこれに、カンガルー日和と名付けた。桜舞う、4月のある晴れた日の日記。

仕事の日用に設定したアラームを解除し忘れ、朝、いつもと違う家で目が覚める。いつもだったらそのまま

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ひとり美術館

ひとり美術館

#わたしの旅行記

往復の切符と泊まる宿だけ決めて、あとはのんびり気ままに好きなことができるので、ひとり旅が好きです。
学生時代は、就職活動の説明会や面接で遠方を訪れるときに、周りにある神社を調べて足を運ぶ程度のひとり旅が主でした。もしくは日帰りで電車とバスを乗り継いで温泉に行くなど。
社会人になり、好きなように行動ができるようになって軸となってきたのが「美術館」。あの美術館でこんな企画展があるら

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森博嗣『詩的私的ジャック』

森博嗣『詩的私的ジャック』

詩的私的ジャック

刃物類の持ち込みが禁止されている機内で刃物を表紙に抱えた小説を読んだ。

S&Mシリーズ4作目。

旅のお供に1日では読み終えられない小説を持って行きたくて選んだ1冊。期待通り2日目に無事に事件は解決した。旅の合間の待ち時間にコツコツと読み進めたからか、彼の書く文章に慣れてきたからか、これまでの作品よりもはやく読み終えた感覚が残る。
電話をかけに行くときにわざわざ少し離れたとこ

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美術館感想文/ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会 | 森美術館

美術館感想文/ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会 | 森美術館

展覧会の感想は別のSNSにあげることがほとんどでnoteには書いてこなかったけれど、どうしようもなく考えることが多すぎて文章にまとめきれないのでnoteに書きつつ精査して削ぎ落として人様に見せられるレベルにしたものを別のSNSに掲載すべきではないかと思いつつある。

こんなにも考えているのは、森美術館の「ワールドクラスルーム」の展示を見たから。
美術館に行くにあたって、せっかくノートと鉛筆を持って

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