小説は詩のスキルがあれば有利か?
この過去記事と同じようなことを書きますが。
詩と小説の関係はというと、前者が親で後者が子だ、みたいなことを書いてある。だから詩の勉強をしたら小説にも役立つんじゃねえのと。
そこでだ、本邦で詩と小説の両方をやった人を挙げてみようとしたらば、あたくし寡聞にしてほとんど知らんのだった。海外ならけっこういそうなんだけどもね。で本邦、これは宮沢賢治と金井美恵子と川上未映子あたりですか、パッと思いつく限りではその三人かね。
宮沢賢治の詩は何かの引用で読んだだけだが、まあその難しいことといったら。何いってるかわからねーと思うが俺にもわからなかった。あの人の童話のイメージで挑むと歯が立たんと思う。日本語のウィザードクラスである。勝てぬ。
金井美恵子はあたくしと苗字は同じだが、それ以外は関係がない。ルーツが群馬あたりだってことくらい(群馬の金井姓というのは少し歴史を持つのだが)。文庫を一冊だけ持っているがろくろく読んでない。で、この人も活動初期には詩もやっていてそちらで何か受賞したという。気になるがどこで買えるのか。
川上未映子は元が歌うたいであって歌詞を書いていたし、その他雑誌にイラストと共に詩が載ってたり、詩集もきっちり出している。いま二冊出てるのかな。最初の『先端で、さすわさされるわそらええわ』を読んだらもうすごい。日本語の可能性がこういうようにしてあるわけですよ。文庫になってるはずだから読んだほうがいい(ただし単行本のほうが装丁が綺麗)。この人の場合は詩が先なのか小説が先なのか、あるいはブログ時代のエッセイかもしれぬが、言葉の使い手として何がどう磨かれたものか知らんが、重要な作家であることはわかる。
三人を挙げた。何か共通項はないかしら、と思うんだけど、小説と詩を両方こなしていたということ以外はないかな。文章がうまい、などというと当たり前すぎるんで、他の点でいえば、自分だけの文章を(あるいは文体を)ギリギリまで鍛えたように思える。他の誰とも似ていないでしょうこの人たち。これは詩という表現で文章の彫琢ということをやっていたのとたぶん関係がある。
雑な話ですけどそんなところで。詩をやると文は独自になっていくか。
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