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【書籍編】愛するということ(エーリッヒ・フロム)

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エーリッヒ・フロム著「愛するということ」について思いついたことなどを綴ったものをまとめました。
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2020年12月の記事一覧

「神様は私の心の中に」の話

「神様は私の心の中に」の話

神は人間であること、男であること、父親である事をやめ、様々な現象の背後にある統一原理の象徴となり、人間の内にある種子から育つであろう花を象徴するものになった。

だから神は名前を持つことができない。
なぜなら、名前というのはつねに物とか人間とか、何か限定されたものを示す。
神は人間でも物でもないのだから、名前を持てるはずがあろうか。

ー エーリッヒ・フロム

「超越者はその多様性・統一性・網羅性

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「"与える"という行為の強さ」の話

「"与える"という行為の強さ」の話

エーリッヒ・フロム曰く、様々な愛の形の根底には「友愛」というものが存在し、すべての他者、つまり自分以外の「無機物の物体」も含めたあらゆる存在に対して向けられる「その人の人生をより良いものにしたい」と願う、人間のごく基本的な感情の一つである。

その友愛にまつわる能力は6歳前後、日本では小学校入学の前後に成長が始まる。

それまでは母親からの無償の愛、「母性愛」によって受動に終始していたが、子供特有

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「同情由来の他者への行為はマスターベーションと変わりない?」の話

「同情由来の他者への行為はマスターベーションと変わりない?」の話

(あらかじめ断っておきますが、少々穿った解釈をしてる、とお伝えしておきます。
好んでそう思考したわけではないのですが、そう思わずにいられないというのも、また好んで思ったわけではないのです。言い訳でしょうがね。)

結論から申しますと、「自己満足のための"同情"と、同情由来の"与える“という行為は、その対象の自尊心、ひいては尊厳を損なうことに繋がってしまうのではないか?」ということです。

この点を

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「父親の権威意識が変質したものこそ、現代社会の根幹を構成するシステムなのか?」という話

「父親の権威意識が変質したものこそ、現代社会の根幹を構成するシステムなのか?」という話

※暇をこじらせている方は「時間を投資してやろう」と思ってコメントにてお教えいただければ幸いです。
ほんとに周りに聞ける人がいなくて困ってるんです(汗)

今日も今日とて「愛するということ(エーリッヒ・フロム)」を読んでいるんですが、またまた気になることがあったんですよ。

それでその気になることというのが、「父親の"息子に財産委託をしたい"とさせる権威意識の変質したものこそ、この現代社会の根幹を構

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「未熟な二人すらも愛が育てる」と言う話

「未熟な二人すらも愛が育てる」と言う話

今ですね、カウンセラーさんにお勧めされた「愛するということ(エーリッヒ・フロム)」という書籍を読みながら、再度マインドマップを作るべくノートを取ってます。

かれこれp.56、2章の2項目目まで読んだところなんですがね、すこし気になったことがあったんですよ。

それで気になったことというのが、フロムは著書で「"配慮"、"責任"、"尊重"、"知"が備わってこそ甲は乙を愛せるのだ」みたいなことを言って

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