スピノザ『エチカ』かんそーぶん1
バールーフ・デ・スピノザは、17世紀オランダに生きた哲学者である。この17世紀というのは、近代科学が著しい発展を始める直前であり、圧倒的力をふるった宗教、もとい神という概念への揺らぎが生じ始めた時代でもある。
スピノザは、そんな時代の中で、科学を持ち上げようとする社会に逆行するかのように「神」を強く肯定する。にもかかわらず、彼は無神論者として教会を追われることとなるのだ。なんとも興味深い。
彼のライフワークとも言える『エチカ』では、ある定理の確立のために、まず定義が