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暇つぶしに哲学してみた

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哲学なんて不要だ、なんてことを言う方もいますが、哲学は誰でもできるし、いつ始めてもいいし、何を対象にしても良いとても間口の広い学問です。あなたも哲学してみませんか。 ※このマガジ… もっと読む
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#哲学

心の餓えを満たすのは芸術だ。

心の餓えを満たすのは芸術だ。

19時〜20時過ぎ、表参道の「岡本太郎記念館」に僕は居た。JazzのLiveに身を沈めるためだ。

肩の上に立つことが許されない巨人、岡本太郎は「芸術家」であり「文筆家」であり「哲学者」であった。どんなジャンルの人であっても、その職業の本質が何かをただひたすらに求め続けた時、その人は求め続けたものと同化し、哲学を持つようになる。

今日のイベントは記念館の館長、平野さんが”Days of Deli

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哲学的な良書 勝手に5選

哲学的な良書 勝手に5選

 哲学は物事を深く考え本質を問う学問だ。どんなジャンルのトピックでも深く考えると難解に思えることもある。ここではサイズ的に手に取りやすく、文量的にも多くないもので、個人的に好きな良書を5冊ピックアップしてみた。

■『これは水です』 デヴィッド・フォスター・ウォレス 著/阿部重夫 訳

 前にも書いたが、僕はWebマガジン『bmr』の編集長にして知のサブカルの巨人、文化人である丸屋九兵衛さんを崇拝

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シンギュラリティはいつ起こるかに関する哲学的回答

シンギュラリティはいつ起こるかに関する哲学的回答

巷ではAIが人の仕事を奪うとかシンギュラリティがどうだとか、全くもってどうでもいい話題で溢れている。

シンギュラリティとは、「技術的特異点」と和訳され「AIが人間を超える点」を一意的に示す言葉では無い。

AI、すなわちArtificial Intelligenceは人工的に創り出された知性であるので、人間を超える云々の話ではなく、AIをコーディングする人間の判断基準が絶対的なものである。

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君たちは何をつくるか

君たちは何をつくるか

念願の新規事業開発部門に配属されたので、ぼくはこれから何を作るべきかについて毎日いろいろ考えている。「これから」すなわち「近未来」。未来はもうすぐ現在になる将来かもしれないし、ずっと先のことかもしれない。

電機業界にいるぼくら。未来について考える時、パーソナルコンピュータの父と呼ばれるアラン・ケイの言葉が頻繁に引用されている。

”The best way to predict the futu

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哲学と宗教について

哲学と宗教について

哲学は難しい学問だと思われがちかも知れない。だけど哲学的思考方法を一度身に付ければ全く難しいことはない。そして哲学は世の中が不安定になった時、心を強くしてくれる、心の筋トレのような学問だ。

ぼくが哲学に惹かれたのはフリードリヒ・ニーチェの本を購入して何気なくページをめくるようになり、「人生をコンテンツ化すること」を意識するようある編集者から教えられ、物事を俯瞰し多角的に見る必要があると感じてから

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”re”ってなんだろう

”re”ってなんだろう

2年位前だろうか。妻に送ったショートメールの返信が「り」のみであったことを覚えている。たしかその日の朝、テレビでなんでも省略する若者文化に関するちょっとした特集を放送していて「り」は「了解!」の略であることをレポーターが伝えていた。たしかに意味は通じた。だけどなんだか味気なさすぎる気がした。妻は男っぽい性格で付き合いやすい反面、もう少し優しく接してほしいと感じることが頻繁にある。

日本語は同じ発

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サラリーマンってなんだろう

サラリーマンってなんだろう

「サラリーマン」は誰もが知っている和製英語のひとつだ。企業に勤める人という意味で考えるなら”Business Person”が正だろうし、海外で仕事をする機会があるのなら、職種についてもう少し細かく説明することになる。
(Chief Manager of CircuitとかSenior director of Project Managementとか)

「サラリーマン」を直訳するなら「給料人」に

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問題と回答について

問題と回答について

日本の教育における重篤な課題のひとつは「問題提起する力」を育まないことだと僕は思っている。国語にしろ、算数にしろ、理科にしろ必ず答えが用意されたテストばかり受けていると、社会人になってから素直に上司の命令を聞くだけの「指示待ち人間」になったり、点数稼ぎにばかり精を出す社畜型サラリーマンになってしまいそうで冗談抜きに怖いと思うのだ。

人が社会に出ると、問題解決力が要求される場面に必ずぶち当たる。職

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