いちやなぎ

京都在住 いちやなぎという名で音楽をやっています。1人でギターもって歌ったり時にはバン…

いちやなぎ

京都在住 いちやなぎという名で音楽をやっています。1人でギターもって歌ったり時にはバンドでも。ここでは詩やエッセイ雑文など自由に文章を書きます。

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記事一覧

お外にむかってうちうち内々に

人様に創作物を披露するようになって10年程になる、、かもしれない。 記念日があるわけでもなんでもなく、ただなんとなくだけれど、おそらくそう。 十代限定のバンドオーデ…

いちやなぎ
6時間前
2

ぽんぴろぽんぱん音楽日記(2024 春)

4月7日 坂口恭平/ 飛行場 「いなくなる時、空の青が変わる」 そんな歌いだしからはじまる。素晴らしい一節、変わったのは世界か僕の中か。 桜はすぐにいなくなってしま…

いちやなぎ
10日前
10

どうか午前は穏やかに、ソマリア海賊

「今の仕事の前はね自衛隊にいたんですよ」 「へえそりゃすごい」 「アフリカにいたんです、海をパトロールしてソマリア海賊を取り締まっていました」 京の町に佇む古本屋…

いちやなぎ
2週間前
6

サンドされたシャキシャキ言葉たち

栞の言うことにゃ(仮) 「ことばは、自由だ。」 挟んだ栞にはこう書いてある。読みかけの本からひょいと覗ける、この二文字にふと目を留めた。そして少しだけ考えた、果た…

いちやなぎ
3週間前
4

歌は突然ペテンハッタリペッタンコ

音楽は人の心に語りかけて不思議な作用をする。心を鼓舞して扇動することだってできるし、お祝いお祭りから弔い争いにまで、なんでもこい。 逆に心を落ち着かせることもで…

いちやなぎ
1か月前
9

なんでもない春の嵐は穏やかに

「今回のテストはてんで駄目だったからなあ。殆ど空欄で出しちゃったから点数1桁すら、ありえる」 なんてことを布団の中でぼんやりと考えていた。こんな時、スーパーマンの…

いちやなぎ
1か月前
7

ふらつく先の横丁

せっかく来たのだからという思いが返って仇となり、あてもなく繁華街を亡霊のように彷徨い、時に人とぶつかりながら、チラシ配りやサンドイッチマンを避けながら、そんなこ…

いちやなぎ
1か月前
7

続々 思考リレー

はじめに 1 ある日ドーナツ棒というのを見かけた。 なんだかわくわくした。 2 最近よく街で見かける、レンタル式電動キックスクーターが僕を追い越した、ナンバープレ…

いちやなぎ
2か月前
8

芸術的修行者にはホットサンドをもたせて

「バウル」ってご存知です?あれです、あれ。ほら、ぬくいサンドイッチ。 ホットサンドの事を言うんですね、熱い鉄板で挟んでぺしゃんこにするあれ。 僕はついぞ今の今まで…

いちやなぎ
2か月前
13

ちぐはぐな街はキレイ

「どこそこのラーメン屋は知ってる?」 「どこだろう?」 「ふんやら通りを、こう行って、こう行ったところの、、」 「ああ、あの通りね、はいはい。はて、あんなところに…

いちやなぎ
2か月前
14

くどくど毒吐くまいと

「飛行機好きの方はぜひハワイをおすすめします」 浜辺に立つ黄色い水着姿のべっぴんさんは浮き輪を持ち微笑を浮かべ、方やぽつねんと俯き加減に物憂い視線をなげるべっぴ…

いちやなぎ
2か月前
15

鼠は夜のうちに走ル

鼠は夜半のうちに走ル(仮) 1 田舎者は上ばかり向いて、歩いているものだからすぐにバレるというのは一昔前の話で、今は携帯に目を向けて、うろうろしているのが、余所者の…

いちやなぎ
3か月前
17

ねじれる都市の酒処

「ハイボウル一杯百圓??」 僕は目を丸くする。 ラミネート加工されたお品書きには、確かにハイボウルが一杯百圓とある。 さすが天下の台所と謂れるだけあって、大仰に光…

いちやなぎ
3か月前
11

もしもしあなた様

もしもしあなた様 気が滅入って何をする気にもなれずに海を漂う塵のように、これといった希望もなく彷徨う。いつまでも出口がないように思われて途方にくれる。 生きてい…

いちやなぎ
3か月前
23

晦日正月ぐうたん日記 3

31日 実家。金沢。 先日降ったらしい雪は街の隅っこに微かに残る程度で、京都よりは寒いものの例年に比べ穏やかな気候で過ごしやすい。と思っていたら、やはり北陸の冬、…

いちやなぎ
4か月前
22

ぽんぴろぽんぱん音楽日記(2023冬)

12月15日 HUSKING BEE/ ANCHOR 現在の僕しか知らない人だったら意外と思われるかもしれないけれど、僕はパンクミュージック魅せられた少年だった。 こぶしが潰れてしま…

いちやなぎ
4か月前
5
お外にむかってうちうち内々に

お外にむかってうちうち内々に

人様に創作物を披露するようになって10年程になる、、かもしれない。
記念日があるわけでもなんでもなく、ただなんとなくだけれど、おそらくそう。
十代限定のバンドオーディション用に拵えた曲を大学の同級生であるバンドメンバーに聴かせた時がはじめではないかと自分では記憶している。
まだ10年そこそこしか経ていないことに驚く。
僕は小さい頃から創作することが好きだったから、もっと長い事続けた気になってしまっ

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ぽんぴろぽんぱん音楽日記(2024 春)

ぽんぴろぽんぱん音楽日記(2024 春)


4月7日 坂口恭平/ 飛行場

「いなくなる時、空の青が変わる」
そんな歌いだしからはじまる。素晴らしい一節、変わったのは世界か僕の中か。

桜はすぐにいなくなってしまうよ

4月8日 風博士/ 窮々屈

きゅうくつきゅうくつだと君は言うけれど、きゅうくつさが感じられないじゃないか。(と言いたくなるような)

からっと晴れやか、楽しげな曲。もしくは窮屈を楽しんでるのかしら。

4月9日 The

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どうか午前は穏やかに、ソマリア海賊

どうか午前は穏やかに、ソマリア海賊

「今の仕事の前はね自衛隊にいたんですよ」
「へえそりゃすごい」
「アフリカにいたんです、海をパトロールしてソマリア海賊を取り締まっていました」
京の町に佇む古本屋「三密堂」で何やら興味深い話が耳に飛び込んできた。
店番である僕は、いったん手を止めてお勘定場に座って会話に耳をかたむける。
午前の穏やかな日差しに、通りを歩く、様々な国の観光客、隣のラーメン屋は連日大繁盛で整理券なるものをくばっている、

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サンドされたシャキシャキ言葉たち

サンドされたシャキシャキ言葉たち

栞の言うことにゃ(仮)

「ことばは、自由だ。」
挟んだ栞にはこう書いてある。読みかけの本からひょいと覗ける、この二文字にふと目を留めた。そして少しだけ考えた、果たしてことばって自由なのかしら。

至言であるともとれるし大事な何かが抜け落ちてしまっているのではないかとも思えなくも無い。
僕がこの言葉を目にして最初に考えたのは、これを誰が考えたのだろうということだった。
コピーライターが考えたのか出

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歌は突然ペテンハッタリペッタンコ

歌は突然ペテンハッタリペッタンコ

音楽は人の心に語りかけて不思議な作用をする。心を鼓舞して扇動することだってできるし、お祝いお祭りから弔い争いにまで、なんでもこい。
逆に心を落ち着かせることもできる。
鎮魂と覚醒。

作家の中上健二は「優れた音楽は、この世のものだが何処か違う彼方からやってきたような異界性を伴う」としているが、もっともだと思う。
音楽の起源というものを僕は知らないけれど、神様とのコミュニケーション、結局辿れば宗教的

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なんでもない春の嵐は穏やかに

なんでもない春の嵐は穏やかに

「今回のテストはてんで駄目だったからなあ。殆ど空欄で出しちゃったから点数1桁すら、ありえる」
なんてことを布団の中でぼんやりと考えていた。こんな時、スーパーマンのように微熱がやって来てくれればいいんだけど、そんな事あるわけ無く、体は至って健康であるから、あとは仮病を使うしかない。どうしようか、いっその事、もう一眠りなんて考えている内に、だんだんと頭が冴えてきて、僕は点数が悪い筈が無い、なぜならテス

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ふらつく先の横丁

ふらつく先の横丁

せっかく来たのだからという思いが返って仇となり、あてもなく繁華街を亡霊のように彷徨い、時に人とぶつかりながら、チラシ配りやサンドイッチマンを避けながら、そんなことならばいっそのこと、すぐに帰ればよかったと思いつつも、ここまできてしまったならばと変に意固地になって、何の為、、それは飯を食う為だけれども、、誰の為に、、まあ自分の為他ならないのだけれど、その辺があやふやにすらなっても、まだ歩き続ける。

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続々 思考リレー

続々 思考リレー

はじめに

1

ある日ドーナツ棒というのを見かけた。
なんだかわくわくした。

2

最近よく街で見かける、レンタル式電動キックスクーターが僕を追い越した、ナンバープレートを見ると大阪。此処は京都。
まさかここまで、それでやってきてないよね?
彼は颯爽と夜の街に消えていった。

3

時間は空間を入れる器で、空間は時間を入れる器。むむう、なるほど。

4

丸いのが普通とされているものが細長かっ

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芸術的修行者にはホットサンドをもたせて

芸術的修行者にはホットサンドをもたせて

「バウル」ってご存知です?あれです、あれ。ほら、ぬくいサンドイッチ。
ホットサンドの事を言うんですね、熱い鉄板で挟んでぺしゃんこにするあれ。
僕はついぞ今の今まで知りませんでした。何度か食ったことはあったのだろうけれど、バウルだということを知らずにいて、へえそんな名前なのね貴方、ふんふんとインターネットをぽちぽちして「バウル」を調べた。

そうするとベンガル地方の歌うたいとある。
あれま。
適切な

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ちぐはぐな街はキレイ

ちぐはぐな街はキレイ

「どこそこのラーメン屋は知ってる?」
「どこだろう?」
「ふんやら通りを、こう行って、こう行ったところの、、」
「ああ、あの通りね、はいはい。はて、あんなところにラーメン屋なんかあったかしら」
「そう、あそこが美味いの」
「ああ、そういえばあの通りには湯屋があるよね?近く?」
「へ、あんなところに湯屋があったかいな」

大体同じ場所をを思い起こしているのに違いないのに、うまく噛み合わず、互いが想起

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くどくど毒吐くまいと

くどくど毒吐くまいと

「飛行機好きの方はぜひハワイをおすすめします」

浜辺に立つ黄色い水着姿のべっぴんさんは浮き輪を持ち微笑を浮かべ、方やぽつねんと俯き加減に物憂い視線をなげるべっぴんさん、極端な写真が二葉。
僕が生まれるより前に発刊されたカルチャア雑誌にあった広告。
最初は何の事だかよく分からず、更によくよく見てみると「飛行機グアム3.5時間、ハワイ8時間」
ほうほう。
左下には小さくグアム政府観光局。
なるほど。

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鼠は夜のうちに走ル

鼠は夜のうちに走ル

鼠は夜半のうちに走ル(仮)

1
田舎者は上ばかり向いて、歩いているものだからすぐにバレるというのは一昔前の話で、今は携帯に目を向けて、うろうろしているのが、余所者の可能性が高く、そんな僕は高く聳えるビルディングをボヤボヤと眺めつつ、且つ携帯電話を頼りによちよち歩いている。
よくもまあ、どこから湧いて出たのか川のようにして人があちらこちらで流れをつくり、どこもかしこもお祭りのごとく、てんやわんや、

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ねじれる都市の酒処

ねじれる都市の酒処

「ハイボウル一杯百圓??」
僕は目を丸くする。
ラミネート加工されたお品書きには、確かにハイボウルが一杯百圓とある。
さすが天下の台所と謂れるだけあって、大仰に光り輝く店が所狭しと軒を連ねる。
メイドさんカッフェや芸人さんの小屋を通り過ぎ、小道具屋が立ち並ぶ商店街をぬけ、ぱっとせぬビルディングのニ階。
席が100はあろうか、騒々しく大きな居酒屋。まだ早い時間だからか、人はまばらで、騒々しいのは店内

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もしもしあなた様

もしもしあなた様

もしもしあなた様

気が滅入って何をする気にもなれずに海を漂う塵のように、これといった希望もなく彷徨う。いつまでも出口がないように思われて途方にくれる。
生きていると本当に色んな事が内にも外にも絶えず巻き起こるわけで、それによって調子が変わるというのは誰しもがある事でございましょう。むしろ何も起こらなすぎるということで、調子を悪くすることすらあるわけですから人間という生き物は大変厄介な生き物でござ

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晦日正月ぐうたん日記 3

晦日正月ぐうたん日記 3

31日

実家。金沢。
先日降ったらしい雪は街の隅っこに微かに残る程度で、京都よりは寒いものの例年に比べ穏やかな気候で過ごしやすい。と思っていたら、やはり北陸の冬、そんな単簡にはいかぬ。
雨ふりふり。大雨。
昼から父、兄家族たちと大型ショッピングモールへ。そういえば普段あまり行かない。
みんなでぶらぶらする。姪っ子から「パン泥棒」なるものを教えてもらう。すっごく可愛くて是非、今度絵本を読んでみよう

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ぽんぴろぽんぱん音楽日記(2023冬)

ぽんぴろぽんぱん音楽日記(2023冬)

12月15日 HUSKING BEE/ ANCHOR

現在の僕しか知らない人だったら意外と思われるかもしれないけれど、僕はパンクミュージック魅せられた少年だった。
こぶしが潰れてしまっている先生(また何処かで詳しく書こう)に、ウクライナの海賊みたいなバンドや、和太鼓がはいったハードコアバンドを教えてもらったりした。
HUSKINGBEEを久しぶりに聴いた。
あの頃を思い出した。

12月16日 

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