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お外にむかってうちうち内々に



人様に創作物を披露するようになって10年程になる、、かもしれない。
記念日があるわけでもなんでもなく、ただなんとなくだけれど、おそらくそう。
十代限定のバンドオーディション用に拵えた曲を大学の同級生であるバンドメンバーに聴かせた時がはじめではないかと自分では記憶している。
まだ10年そこそこしか経ていないことに驚く。
僕は小さい頃から創作することが好きだったから、もっと長い事続けた気になってしまっているし、人生の大半を費やした気でいるのだ。
小さい頃から漫画(のようなもの)を書いたし、詩(のようなもの)や小説(のようなもの)もつくった、映画の脚本(のようなもの)も書いたし、大きくなってから、お笑いのコントの台本(のようなもの)だって書いたことだってある。
歌をうたうのも好きだった。でもそれらは親、兄弟、友達に見せることなく自分の中だけに留めていた。
誰に見せるわけでもなかったが、つくること自体が楽しかった。人に見せるのが恥ずかしくって、到底披露する気にはなれなかった。
自分の中だけにある秘め事の一つだったのだ。それで十分だった。
偶に兄に見つかってしまった時は最悪だった。へえ、こんなのつくっているんだと、にやにや笑いながら嬉しそうにする、僕は恥ずかしくって堪らなくなる、鼓動が早くなる、なぜこんなものをつくってしまったんだろうと後悔してしまう時すらあった。でも何日か経つとやっぱりいいじゃないかなんて思えてくる。自身より自分でつくった作品の方が好きなんじゃないかと思える日すらある。
やっぱりつくる。
なぜか?、そんなのは分からない。

ギターを初めて触れのが中学生。
たくさんのミュージシャンに憧れ、隣の部屋から聴こえてくる兄の歪んだギターサウンドに魅せられた。もうやるしかなかった。
兄に内緒で彼に相談することもなく、こそこそ弾いた。(おもいっきりバレていたが)
コードを3つ覚えてコピーよりも先にオリジナルをつくった。
高校生になって携帯電話を持たせてもらうようになって録音ができるようになった。
これは僕の中でかなり大きな出来事で、人前では歌えないが、たくさん携帯電話に吹き込んだ(時には幽霊の声もはいった)
やっぱり誰にも聴かせることは無かった。
人前で歌ったり、自作曲を聴かせられるようになったのは大学生になってから。
20歳目前だった。

僕は内に内に力を溜める、密やかに。
音楽の場合、仲間とセッションしながらつくっていくというのはどうしても苦手だ。
自分の中にあるものを掬い取るように、体の中に潜り込んでいく。
内にこもりながらお外に飛び出す、かなり出鱈目なこと言ってるようだけど、多分そんな感じ。

人間だれしも内に込めるエネルギーがあると思う。みんなそれをどこにやっているんだろう。生活の中で少しずつ、体にほんのすこうしだけ穴を開けてバレないように抜いてるのかしら。
周りの人を見ていて、この人が作品をつくったらならばきっと素敵なものができるだろうにとお節介ながら、考える事が多々ある。
最近はSNSやインターネットの影響で作品を世に出すことに対しての障壁が幾分取り払われているんじゃないかと思う。若くして立派に創作活動されてる方が本当に多い。すごいなあ、すごいなあ、と。

僕はそこに行き着くまでにだいぶ時間をかけてしまった。

























追記

はじめて曲をつくりましたと僕に送ってきてくれる人が今までに何人かいた(つい先日も)

なんだか嬉しくなる。





追追記


先日、てんやわんやのトラブルがありましたが二条のnanoという馴染みの場所で、アルバムと小説集をリリースに際したイベントを成功させることができました。
きてくださったお客さん、出演者、関係者のみなさま、ありがとうございました。

二つの大切な作品を携えて、これからいろんなところへ行きたいな。

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