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おい女神!地獄に転生ってどういうこと!?|『アポロ13』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「アポロ13」をベースに新しい物語を妄想します。

※「アポロ13」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「アポロ13」は、突如絶望的な状況に置かれた主人公が、仲間と協力して様々なトラブルを乗り越え、無事帰還するまでの物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『アポロ13』 ~『洞窟で遭難』編」でした。


案②


三葉 まずは、「アポロ13」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。

※以下、「Point 2」のみ掲載しています。「Point 1」はボリュームがあるため、ここでは割愛しました。興味をお持ちの方は、第1回の記事にてご覧ください。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上を踏まえて「案②」は……ズバリ!「『アポロ13』 ~『地獄に転生』編」です。


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嘉村 地獄に転生!つまり、「異世界転生もの」ですね。


三葉 ストーリーをご紹介しましょう。主人公は、若い男性です。ある日、彼はトラックに轢かれて死ぬ。そして気がつくと、目の前に女神がいた。

嘉村 ほぉ。

三葉 主人公は仰天した「女神だ!」。女神がうなずく「ええ、女神です」。そして土下座した「このたびは……ごめんなさい!」。勢い余って、女神は額を床にぶつけた。ゴツン。これは痛そうだ。まぁ、女神に痛覚があるのかわかりませんが。

嘉村 ふむ。

三葉 主人公は問うた「あの。これは一体どういう状況ですか?」。女神が頭を上げる。彼女は涙目だった。ふむ。女神にも痛覚はあるらしい。女神が言った「つまり、天界の……と言うか、私のミスであなたを殺してしまったのです」。

嘉村 ははぁ。

三葉 聞けば、よくある話だった。間違って殺してしまった。お詫びに、改めて命を与えようと思う。しかし元の世界には戻れぬ。したがって、異世界に転生させることになる。あなたが転生するのは「剣、魔法、ドラゴン、中世ヨーロッパ風の街並み」といった感じの世界である。魔王も存在するが、大した勢力ではない。人びとは幸福に暮らしている。そして、あなたにはチート能力を授ける。ゆえにどうぞご勘弁を……云々。

嘉村 なるほど。「異世界転生もの」の王道的展開ですね。

三葉 主人公はうなずきました。四の五の言っても仕方があるまい。元の世界に未練がないわけではないが……うん。別段大した人生ではなかったしな。

嘉村 ドライですねぇ。

三葉 と言うか……主人公は思う。もしかすると、これはかなりおいしい話ではあるまいか?異世界転生者といえば「無双」、あるいは「ハーレム」。うーむ、悪くない。いや、メッチャいいぞ!オレの人生、ようやく運が回ってきたようだ!

嘉村 なるほど。

三葉 かくして主人公は、女神の提案を了承しました。女神は目を潤ませた「ううっ。ご快諾に感謝感激です」。

嘉村 ……何だかアレですね。ポンコツな女神ですね。

三葉 確かに。

嘉村 ふむ。

三葉 とまぁこうして、主人公は異世界に転生しました。さて、新しい世界はどんな具合だろうか。心躍らせ、辺りを見回すと……ん?何やら違和感。異世界ってこんな感じだっけ?

嘉村 ほぉ……。

三葉 アレ?もっと明るく、楽しそうな感じだった気がするが……。えーと、空はメッチャ暗いし、空気は濁っているし、向こうにはいかにも「蹂躙されました」といった風に荒れ果てた町があるし……まるで地獄なんだけど……。

嘉村 ……。

三葉 主人公が戸惑う。とその時、彼の脳内に女神の声が響いた「あの……」。どうやら、テレパシーで通信できるようだ。女神がおずおずと切り出した「何と言いますか、重ね重ね……その……ごめんなさい!」。

嘉村 ふむ。

三葉 女神が事情を説明した。曰く……じつはそこは、「魔王軍が勢力を拡大し、人間やエルフの住むエリアに侵攻。激しい戦いの末、魔王軍が世界を征服し終えた世界」でした。女神が言った「わっ、私……間違えちゃって……。予定よりも、100年も後の世界にあなたを転生させてしまいました」。

嘉村 ポンコツですねぇ。

三葉 主人公はひっくり返った「どうすんのよ、コレ」。女神は消え入りそうな声で「どうしましょう……」。

嘉村 頼りない……。

三葉 「あのさ、もう一度別世界に転生させてもらえると嬉しいんだけど……」「ううっ。ですよねぇ。でも……ごめんなさい。ルールで禁じられていて、無理なんです。本当にごめんなさい」。

嘉村 ふーむ。

三葉 しかし何事にも抜け穴、抜け道、裏口というのはあるもので……女神が言った「そうだ……思い出しました!この世界には『転生の杖』という神器があります。それを使えば、もう一度転生できるはず!」「おおっ!いいじゃんいいじゃん!それでいこう!」「それでいきましょー!」。

嘉村 「いきましょうー!」って……。

三葉 主人公が問う「その『転生の杖』というのは、どこにあるんだい?」「いま調べますね。えーと、えーと……見つけました!」「ふむ!」「魔王城にあります!」「……」「どうやら魔王が保管しているようですね」「……あのさ」「はい?」「つまりオレはさ、この世界の覇者、悪の権化、恐怖の化身たる者……そんなヤツの居城に潜入するってわけ?」「えーと……そうですね。そうなりますね」。

嘉村 うーむ。

三葉 主人公がおそるおそる訊いた「えっと、オレはチート能力を授かっていたと思うんだけどさ」「ええ」「それって……魔王軍にも通用するんだよね?」「はい!ご安心を!それはバッチリです!」。主人公は胸を撫で下ろした「そりゃよかった!安心したよ。ハハハッ!」「エヘヘ……あっ」「……」「……すみません。間違えました。100年前なら無双できたはずなんですが……魔王軍の力は増大しています。いまは通用しないかもしれません……」「……」。

嘉村 ……。

三葉 こうして、主人公の冒険が始まりました。彼はビクビクしながら魔王城へ向かう。そして道中、打倒魔王を誓う剣士を仲間にしたり、あるいは、魔王所有の秘宝を狙う盗賊団と同盟を結んだりする。

嘉村 ふむ。

三葉 主人公は、ポンコツ女神のポンコツサポートを受けつつ、共に旅する仲間と励まし合い、奮闘し……やがて魔王城に到着した。

嘉村 ふむふむ。

三葉 あとはこっそり潜入し、例の神器を使ってさっさと女神のもとへワープする……かと思いきや、その頃には仲間たちとすっかり打ち解け、友情が芽生えていた。彼らを放置して自分だけ助かるなんて、彼にはできぬ。

嘉村 ほぉ。

三葉 主人公は、仲間と共に魔王に決戦を挑んだ。とはいえ、まともにやっても勝ち目はありません。「勝てばいいんだよ、勝てば!」ということで、英雄らしからぬえげつない戦法を採用して……どうにか勝利。かくして主人公は、無事女神のもとへ戻っていきました。で、物語は幕を閉じます。

嘉村 なるほど。突如絶体絶命の危機に置かれた主人公が、仲間と共に様々なトラブルを乗り越え、やがて生還するに至る……まさに「異世界転生版『アポロ13』」ですね。

三葉 また……この「案②」は、「アポロ13」や、前回ご紹介した「案①」同様、主人公の成長譚でもあります。最初はあまりのことにショックを受け、悲観的になっていた主人公が、やがて「なにくそ!やってやらぁ!」と腹をくくり、様々なトラブルに敢然と立ち向かうようになる。

嘉村 ふむ。

三葉 以上、「『アポロ13』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 「アポロ13」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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