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「テロリストの人質」になっても希望を抱き続ける方法!!|『ショーシャンクの空に』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「ショーシャンクの空に」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ショーシャンクの空に」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「ショーシャンクの空に」は、劣悪な刑務所にありながら、最後まで
「自己効力感」や「希望」を失わなかった囚人の物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『ショーシャンクの空に』 ~『ハイスクールの空に』編」でした。


案②


嘉村 それでは「案②」にまいりましょう!

三葉 はい。「案②」は、「『ショーシャンクの空に』 ~『テロリストに占拠されたビルからの脱出』編」です。


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嘉村 テロリストに占拠されたビルからの脱出……!

三葉 詳細をご説明する前に、「ショーシャンクの空に」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 さて……「ショーシャンクの空に」の舞台は刑務所です。また、前回ご紹介した「案①」の舞台は高校。共通点は、「非常に厳しく、また理不尽なルールに支配された場所」であることです。

嘉村 ええ。

三葉 そして「そんな環境下で、主人公は生き残れるのだろうか?無事脱出することができるのだろうか?」というのが物語の基本ストーリーですが……。

嘉村 ふむ。

三葉 これ、舞台を替えるだけで、似たような物語をいろいろ作れると思うんですよ。例えば、「『虐待が常態化した病院・老人ホーム』を舞台にしたサバイバル&脱出の物語」!あるいは、「『閉鎖的な山奥の村』を舞台にしたサバイバル&脱出の物語」!

嘉村 なるほど。

三葉 そして「案②」は……「テロリストに占拠されたビル」を舞台にした物語です。

嘉村 ふむふむ。

三葉 ストーリーはこんな具合です。主人公は男性会社員。ある日、彼がいつものようにオフィスで働いていると……嗚呼、一寸先は闇!突如テロリストが押し入ってきた。彼らはあっという間にビルを占拠。そして、主人公や同僚は人質になりました。

嘉村 ふむ。

三葉 当初、人質に取られた人びとは、テロリストに抗議したり、彼らの言いつけに背こうとしたり、あるいは何とか逃げ出そうと隙を伺ったりしていましたが……すぐに諦め、従順になりました。

嘉村 ほぉ……何があったのでしょうか?

三葉 ええ。例えば……テロリストは、言うことを聞かぬ者を容赦なく痛めつけた。殴る、蹴る。時には吊るし、食事を与えず、トイレに行くことも許可しない。

嘉村 ふむふむ。

三葉 また、彼らは完全武装しており、大量の銃器を所持していた。そして、突入してきた警官隊をあっさり皆殺しにしてしまった。

嘉村 ほぉ。

三葉 一方で、従順な者には褒美を与えました。旨い食事や毛布、そして自由にトイレに行く権利。かくして……人質は悟ったのです「彼らに逆らっても無駄だ」「勝ち目はない」「むしろ大人しく従った方が得だ」。「ショーシャンクの空に」風に言うならば……彼らは「テロリストの人質」という劣悪な環境に置かれ、「自己効力感」や「希望」を失った。そして、その劣悪な環境に適応し始めたというわけです。

嘉村 なるほど。

三葉 しかし……たった1人、「自己効力感」や「希望」を抱き続けた男がいました。そう、我らが主人公です!では、なぜ彼は劣悪な環境にありながらも、「自己効力感」や「希望」を失わずに済んだのでしょうか?

嘉村 ふーむ。

三葉 さて、ここで「ショーシャンクの空に」を思い出していただきましょう。「ショーシャンクの空に」の主人公(アンディ)は、劣悪な刑務所に入るものの、「自己効力感」や「希望」を手放すことがありませんでした。なぜならば……


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嘉村 なるほど。

三葉 「案①」もこれと同様です。すなわち……


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嘉村 つまり……何らかのきっかけで、自分はサバイブ可能・脱走可能だと確信した。だから主人公は、「自己効力感」や「希望」を失わなかったということですね。

三葉 ええ、その通りです。では、主人公がサバイブ可能・脱走可能だと確信するに至った「きっかけ」とは何か?いろいろ面白いアイデアがあり得ると思いますが……。

嘉村 ふむ。

三葉 例えば、こんなのはいかがでしょうか。すなわち……主人公だけが気づいていたのです。テロリストが先ほど食べた弁当は腐っていた!

嘉村 おー。

三葉 おそらく数時間後には、ヤツらは腹を壊すでしょう。いくら屈強なテロリストと言えども、腹がピーピーでは如何ともしがたいはず。

嘉村 でしょうねぇ。

三葉 エイムはぶれるでしょう。パンチは鈍いでしょう。キックは……ないでしょう。腹が痛くては、足を上げることはできませんからね。

嘉村 まぁ……確かに。

三葉 あるいは……ヤツらが腹を壊すタイミングを狙って、人質みんなでトイレの個室を埋め尽くしたらどうなるか?テロリストはイライラ、カリカリするでしょう。冷静さを失うはずです。うーむ……十分に勝機があるぞ!

嘉村 なるほど。

三葉 もしくは、こんなアイデアはいかがでしょうか。すなわち……主人公は気づいていたのです。テロリストのリーダーが中学時代の同級生であることに!

嘉村 ほぉ。

三葉 いまから20年ほど前、2人はクラスメイトでした。大して親しくはなかったものの……主人公は当時のことをよく覚えていました「何を覚えているかって?……当時お前が中二病だったことをだよ!」。

嘉村 あー……。

三葉 いまはテロリストのリーダーとして部下を率いるお前だが……ふふっ。オレは知っている!20年前、お前が「悪の軍勢を率いる魔王・サタン666世」を名乗っていたことを!

嘉村 ……。

三葉 そしてまた、いまはオシャレなサングラスをかけるお前だが……ふふふっ。オレは覚えているぜ!かつてお前が、「オレの左目は邪眼。闇の力を帯びている。その力は強大ゆえ、平時は封印しておかねばならぬのだ」と称して、眼帯を付けていたことを!

嘉村 ……。

三葉 さらにまた、いまはマシンガンを携えているが……ふふふふっ。お前、「ワレは、掌より闇の炎を放つことができるのじゃ」って言ってなかったっけ?

嘉村 ……。

三葉 主人公は確信していました「この記憶……ヤツの黒歴史に関する記憶が切り札になる」と。上手く使えば、連中の動揺を誘うことができるでしょう。あるいは「部下にバラされたくなければ、オレの言うことに従え」と脅すことだってできるはずです。

嘉村 うーむ……。

三葉 とまぁそんなわけで、主人公は「自己効力感」や「希望」を抱き続けることができた。そして「ショーシャンクの空に」同様、「案②」はそんな彼の活躍を描いた物語です。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『ショーシャンクの空に』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 「ショーシャンクの空に」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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(担当:三葉)

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