アニメ「ぽんのみち」を10倍楽しむためのサブテクスト(※妄想的・陰謀論的な深読みをします)【前編】
🀄本記事では、怪文書一歩手前の深読みを行います。「んなわけあるかい!!(笑)」的な内容も含みますが、ジョークとしてお楽しみください。
アニメ「ぽんのみち」――皆さんはご覧になっていますか?
私は第1話を見た時には正直言って「うーむ……(Not for me!)」と感じたのですが、第2話、そして第3話と進む内に本作の魅力が見えてきた気がします。
というわけで第1話から見直したところ、様々な発見がありまして……!本記事では、私が気づいたこと、なるほどと思ったことをご紹介します。
「あっ、このシーンはそういう意味だったのか!」「えー、そんな見方あり!?」なんて楽しんでいただければ幸いです。
※以下、アニメ「ぽんのみち」第1-3話鑑賞時点の記事です。
🀄歌詞の謎解き🀄 OPの歌詞に潜む「矛盾」:なぜイーシャンテンは「まだまだ遠い」のに、サンシャンテンは「これくらいでいいじゃん」なのか?
本作のOP曲「ポンポポポン」。
言わずと知れた名曲である。令和を代表するアニソンと言っても過言ではあるまい。
ところで――この曲の歌詞には、どうにも引っかかる部分がある。
※以下の動画の0:24の辺り。
「イーシャンテン(一向聴)」は「テンパイまであと1牌」という状態を、「サンシャンテン(三向聴)」は「テンパイまであと3牌」という状態を示す麻雀用語である。
そして、「テンパイ」とはざっくばらんに言って「勝ち」のこと。
つまりサンシャンテンといえば「やれやれ。テンパイ(≒勝利)まではまだ遠いぞ」となるのが普通なのだが――それが「これくらいでいいじゃん」と歌われているぞ!?
その一方で、テンパイ(≒勝利)に比較的近いはずのイーシャンテンは「まだまだ遠い」!?
おかしいではないか。
ミスか?
いや、ミスとは思えぬ。
何か特別な意味が込められているに違いない。
改めて整理しよう。
「イーシャンテン=テンパイに比較的近い状態」を「まだまだ遠い」と表現している
「サンシャンテン=テンパイに比較的遠い状態」を「これくらいでいいじゃん」と表現している
つまりこの曲では、テンパイ、すなわち勝利から遠いことに価値を見出しているのだ。「勝ち負けにこだわるのは止そうぜ」「真剣勝負なんて止めて楽しもうぜ」というメッセージと解釈できるだろう。
こう考えてみると、「ガチ麻雀アニメ」ならぬ「ゆるゆる雀荘アニメ」たる本作のOP曲に完璧にマッチした歌詞と言えるだろう。
やはり素晴らしい曲である。
🀄隠された意味🀄 なぜ主要キャラ4人は毎回異なる「位置」と「順番」に座るのか?
本作は麻雀をモチーフとした作品であり、主人公たちは毎話(少なくとも第1話から第3話では毎話)雀卓を囲む。
――のだが、興味深いことに彼らは毎回異なる位置、異なる順番に座っている。
※以下は右回り。また、先頭に来ているのはドアの向かいの席に座っている人物。
第1話では:空席(チョンボ)→ぱい→泉→なしこ
第2話では:ぱい→なしこ→泉→リーチェ
第3話では:ぱい→リーチェ→なしこ→泉
なぜ、座る位置、座る順番が毎回異なるのか。これは何を意味しているのか。
また、座る位置が異なるため、各キャラの背後にくるものも毎話異なっている。例えば第1-2話では泉の背後に、第3話ではなしこの背後にドアが描かれているのだが――うーむ、これは何を意味するのだろうか。
さらにまた、泉の髪飾りにも注目したい。彼女は、頭の右側には「○」、左側には「×」という形の飾りを付けている。つまり、泉の左側に座るキャラは何か間違いを犯している――のか?
現時点では、残念ながらこれといった答えをご提示できぬのだが……うーむ、気になる!何かしらの示唆や法則を発見した方はぜひ教えてください。
🀄陰謀解明🀄 「ぽんのみち」というタイトルに隠された謎
本作のタイトル「ぽんのみち」。
これは、麻雀用語「ポン」と本作の舞台「おのみち(尾道)」を組み合わせたものだろう。
じつに上手い。
無理矢理くっつけた感がなく、しかも何だか意味深な響きを帯びている。洗練された合成語である。
――が、ここで注目したいのはより陰謀論チックな解釈である。
まずはローマ字表記にしてみよう。
「ぽんのみち」は「Pon no Michi」となる。
次いで「Pon no Michi」から「Onomichi(尾道)」を取り除く。
残ったのは――「pn」。
そして「pn」といえば、そう、ポムポムプリンのことである!
つまり本作は……(ここから先は完全に陰謀論の世界に突入するので、以下略)。
もしくは「pn」をplant north、すなわち「北」の略語と解釈することも可能だろう。ところでわが国で「北」といえばこれはもう間違いなくあの独裁国家が想起されるわけであって、要するに本作は「じょしらく」第1話の……(ここから先は完全に陰謀論の世界に突入するので、以下略)。
🀄未来予測🀄 主要キャラ5人の「苗字」から読み解く!今後の展開!!
本作の主要キャラの苗字――「十返舎」「河東」「徳富」「林」「江見」。
これは、広島県尾道(本作の舞台)にゆかりのある人物に由来するものと思われる。
「十返舎」の由来は:十辺舎 一九
「河東」の由来は:河東 碧梧桐
「徳富」の由来は:徳冨 蘇峯
「林」の由来は:林 芙美子
「江見」の由来は:江見 水
※参考
で、上記を踏まえて妄想を膨らませてみよう。
例えば、リーチェの苗字「林」。
これは林芙美子に由来するものであり、林芙美子といえば「放浪記」、そして「放浪記」といえば森光子、森光子といえばでんぐり返しなわけで、リーチェが華麗にでんぐり返しをきめて皆から拍手を浴びるシーンが今後描かれるのではあるまいか(そんなバカな!)――などと深読みできる次第である。
また、十辺舎一九に由来する苗字を持つなしこ。
彼女は十辺舎一九的な何かを持っている可能性がある。例えば、十辺舎一九といえば「東海道中膝栗毛」であり、なしこはいずれ弥次喜多よろしく旅に出るのかもしれない。
🀄謎の深層🀄 OPに登場する牌が暗示する陰謀とは?
OP映像の中ほどに、「主要キャラ5人がそれぞれ1つずつ麻雀牌を持っている」という場面がある。
※以下の動画の0:48の辺り。
ご注目いただきたいのは、各キャラが持っている牌の種類である。
※以下、向かって左から
リーチェが持っているのは:四索(竹マークの「4」)
泉が持っているのは:三筒(丸マークの「3」)
なしこが持っているのは:東
ぱいが持っているのは:六萬(漢字の「6」)
跳が持っているのは:六筒(丸マークの「6」)
……お気づきになっただろうか。
これは相当不思議な絵面である。
だってそうだろう。なぜ「1」「2」「3」「4」のようなわかりやすい数字ではないのか。なぜ「4」「3」「6」「6」なのか。そしてまた、なぜなしこだけは「東」なのか。
「ふーむ。本作の舞台たる尾道にはこうした住所があるのだろうか」などと考えて調べてみたのだが、どうもそうではないらしい。
というわけで妄想を逞しくしてみると……もしかするとこの数字は証券コードではあるまいか。
試しに「4366」で検索してみると、とある企業がヒットした。そしてその企業は、むっ!東京証券取引所に上場している!つまり「東」は東京証券取引所のことだったのだ(?)。
ちなみにその企業は、感光性材料の最大手らしい。感光性材料といえば――写真!むむっ!本作のEDにはたくさん写真が登場するではないか!
つまりこれは……(ここから先は完全に陰謀論の世界に突入するので、以下略)。
🀄名前の謎🀄 なぜ主人公は「なしこ」と名付けられたのか?
本作の主要キャラの名前――「なしこ」「ぱい」「泉」「リーチェ」「跳」。
これは、麻雀用語に由来するものと思われる。
「なしこ」の由来は:喰いタンなし、後付けなし etc.
「ぱい」の由来は:牌
「泉」の由来は:東風戦
「リーチェ」の由来は:リーチ
「跳」の由来は:跳ね満
※「泉」の解釈については以下を参考にしました。
さて、ここでご注目いただきたいのは「なしこ」である。
この名を見て、私は素朴な疑問を抱かずにはいられない。
――なぜ主人公の名が「なしこ」なのか。麻雀用語に由来した名前なら、もっと主人公らしいものがあるのではないか。
例えば「とんぷー(東風)」とか「じゃん(雀)」とか「てんほー(天和)」とか「どら(ドラ)」とか……その方がグッと主人公っぽくなるのではあるまいか。
改めて見てみよう。
――「なしこ」。
漢字にすれば「無し子」だろうか。
つまり「何も持っていない子」という意味が込められており、「何も持っていなかった私が、雀荘、そして麻雀仲間と出会ったことで『あり』になりました。ハッピー❤」といった類の作品であることを暗示しているのだろうか。
うーむ。しかしなぁ……なしこよ。
お前、両親がいるじゃん。
立派な自宅もあるじゃん。
第一、雀荘からして父に譲られたものじゃん。
お前、いっぱい持ってるじゃん。
自室でうるさく騒いでいたら母に怒られて家から追い出されただけじゃん。
それだけじゃん。
アニメ「スーパーカブ」の小熊ちゃんを見てみなよ。人には人の地獄があると言うから比較するのは無粋なことだけれど、しかしそれにしても「親はいない。お金もない。友達も趣味も、将来の目標もない」な小熊ちゃんと比べたら、お前、間違いなくありこちゃんだよ。
――何が言いたいかというと、「なしこ=何も持っていない子」という名のわりには、彼女はあれこれ持ちすぎていると思うのだ。
というわけで、妄想が膨らむ。
もしかすると、じつはなしこには、第3話時点ではまだ明されていない何か重大な「欠落・不在」があり、それが本作のキーになるのではないか、と。
例えば――じつは過去の記憶がまるっと欠落しているとか。
🀄妄想か現実か🀄 第1話アバンの出来事は、たぶん全部なしこの妄想である
第2話は、なしこが麻雀を打つシーンから始まる。彼女は華麗にイカサマをきめる。が、そこで目が覚める。なしこはベッドの中にいる。――そう、なしこの夢だったのである。で、この後OPになる。
次いで第3話。今度はぱいが麻雀を打っている。彼女は見事にイカサマをきめる。が、そこで目が覚める。ぱいはベッドの中にいる。――そう、今度はぱいの夢だったのである。で、この後OPになる。
つまり、第2話、第3話と「夢オチ→OP」という展開が繰り返されるのだ。おそらく第4話ではリーチェ版の「夢オチ→OP」になるのだろう――が。
ここでご注目いただきたいのは、第1話にだけこの展開がないということである。
はて、なぜ第1話だけは「夢オチ→OP」をたどらないのか。
だってそうだろう。第2話以降で繰り返すのだったら、第1話からこの展開を始めてもよかったはずだ。というか、第1話だけ例外では収まりが悪くあるまいか。
うーむ、これは一体……。
ここで発想を転換してみたい。すなわち、じつは第1話も「夢オチ→OP」という展開をたどっているのではあるまいか。
第1話序盤は、
Step1:広島県尾道の美しい景色が映し出される
Step2:なしこが母に叱られ、自宅を追い出される
Step3:なしこが父から元雀荘をもらい受ける
Step4:なしこが、ぱいとともに元雀荘に向かう
Step5:ぱいが、泉を呼びに行く。一方、なしこは元雀荘でチョンボと出会う
Step6:OP
……という構成になっているが、そう!まだ明かされていないだけで、OP以前のあれこれはすべて現実の出来事ではない可能性がある(!)。
考えてみれば、自宅を追い出された途端に元雀荘をもらい受けるだなんてあまりにもタイミングがよすぎる。また、しばらく放置されていたというわりには、元雀荘は随分と清潔だ。さらに、女子高生のくせにやたらと麻雀に前向きな友人たち。
うーむ、いよいよ現実とは思えなくなってきた……。
推測するに、尾道は、もしくは広島は、あるいは日本は何らかの大事件・大災害の結果としてすでに滅びかけており、数少ない生存者が細々と暮らしているだけなのではあるまいか。つまり、ポストアポカリプスの世界である。
ところが、なしこはいまだ現実を受け入れられない。辛い現実から逃避し、妄想の世界で生きている。本作はそんな彼女の妄想を描いているのではあるまいか。
――「がっこうぐらし」ならぬ「雀荘ぐらし」というわけだ。
🀄後編はこちら!
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