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真相へ!時にはダークサイドに堕ちようとも!!|『大統領の陰謀』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「大統領の陰謀」をベースに新しい物語を妄想します。

※「大統領の陰謀」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「大統領の陰謀」は、政府の不正に気づいた2人の新聞記者が、取材を重ね証拠を集め、やがて真相にたどり着く物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「大統領の陰謀」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上を踏まえて「案①」は……ズバリ!「『大統領の陰謀』 ~『日本の田舎町』編」です。


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三葉 「大統領の陰謀」の舞台は、「アメリカの都市部(ワシントンD.C.)」ですが……。

嘉村 ええ。

三葉 「日本の田舎町」を舞台にしても、面白い物語になり得るのではないかと思いまして。

嘉村 なるほど。

三葉 「大統領の陰謀」と比較すると以下のようになります。


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三葉 ストーリーをご紹介しましょう。……主人公は若手の新聞記者です。

嘉村 ふむ。

三葉 ある日、彼は上司に命じられる「○○町の鈴木家にこそ泥が入ったそうだ。取材に行ってきてくれ」「○○町と言うと……あの田舎町ですか?」「おっ、不満そうなツラだな」「いえ、そんなことはありませんが……」「お前の考えていることを当ててやろう。『単なる田舎町のこそ泥事件だ。わざわざ取材に行くほどのニュースバリューはあるのだろうか?』」「そんな……」「ニュースバリューはある」「……」「お前もわかっているだろ?うちのような地方新聞は、地域に根づいたニュースを届けるのが重要だ。デカいニュースは、みんなSNSで見る。SNSでは話題にならないような地元密着のニュースを拾うんだ」「はぁ……」「そして、鈴木家と言やぁ、○○町一番の名家だ。無視はできんだろうよ」「よくご存じですね」「伊達にこの道30年じゃねぇよ。これくらいのこと、お前も早く覚えるんだな」「……なるほど」「他に質問は?」「いえ……」「よし。じゃあ、さっさと行ってこい!」……という具合です。

嘉村 なるほど。

三葉 主人公は車を走らせ、○○町へ向かう。上司の言うことはよくわかる。しかしそれにしても……こそ泥事件の取材のために片道3時間の道のりはしんどい!「転職」の2文字が頭をよぎる。だが、それは○○町の警察署で取材を始めるまでのこと。

嘉村 ほぉ……。

三葉 主人公は、取材を開始してすぐに違和感を覚えます。容疑者は元自衛官で、彼は無線機や盗聴器を所持していた。いずれも軍隊で使用するような本格的なものです。ただのこそ泥が、なぜそんなものを?対応してくれた下っ端警官は呑気な顔をしているが……主人公の第六感が告げる「これはただのこそ泥ではない。何かある!」。

嘉村 ふむふむ。

三葉 それを裏づけるように……取材を初めて15分ほど経ったところで、中年警官がやってきて、じっと主人公を見つめる。そして「さぁ、取材はそこまでだ」。厳しい口調です。主人公は「ここは逆らわぬ方がいい」と判断する。彼は警察署を出る。

嘉村 ふむ。何かを隠そうとしているのかな……?

三葉 主人公は警察署を離れ、ノートパソコンを取り出す。○○町について調べるのだ。しかし、田舎町である。情報は少ない。ネットは役に立たぬ。こういう時こそ、地方新聞社の生き字引が活きてくる。彼は電話をかけ、上司に問う「○○町に関して、最近何かニュースを知りませんか?とにかく何でもいいんです」。上司は即答する「『何でもいい』も何も、○○町の最近のニュースと言ったら1つしかない。ゴミ処理場誘致の件だ」。上司曰く……ここ数年、○○町はゴミ処理場を誘致するか否かで揺れていた。「町の経済のため」を合言葉とする誘致派と、「自然保護」を掲げる反対派にわかれ、議会では喧々囂々やり合っていると言う。「来月に迫った町長選挙がポイントだろうな。誘致派と反対派、それぞれが候補者を立てるだろう。結果次第で町は大きく動くことになる。……と言うと大事に聞こえるだろうが、所詮は小さな町のことだ。部外者で興味を持つ者はいないだろうがな」「しかし、地元の人にとっては重大事ですよね」「無論そうだろう」。

嘉村 なるほど。ゴミ処理場の誘致ですか。

三葉 主人公は訊く「鈴木家はどちらです?誘致派?それとも反対派?」。上司曰く、「反対派だ。反対派の親玉だよ」。主人公は推理する。今回の事件はただのこそ泥ではない。誘致派が、反対派のリーダー・鈴木家に盗聴器を仕掛けようとしたのではないだろうか。上司は電話口でうなる「うーむ……お前、いい勘しているじゃねぇか。なかなかやるな」。主人公は褒められて嬉しい。有頂天になる「わが社だけの特ダネですね!」。しかし上司は、「で、証拠は?」「証拠……」「ああ。お前の推理を裏づける証拠だ」「それは……」。上司が怒鳴る「バカヤロウ!お前は何年記者をやってるんだよ!」「……半年です」「新人ぶるんじゃねぇ!」。新人ぶっているのではない。新人なのだ。しかし、火に油を注ぐほど愚かなことはない。主人公は黙る。上司は言う「よーし、お前に1週間やる。1週間出社しなくていい。バッチリ取材してみせろ」。

嘉村 ほぉ。

三葉 かくして、主人公の取材が始まります。彼はやる気に満ち溢れている。新聞記者になって初めての大仕事です「よっしゃ!やったるぜ!」。しかし、取材は困難を極める。何しろ田舎町のことです。そもそもが排他的なのです。町民は、主人公を疑り深い目で見つめる。では、警察はどうか?……やはりダメ。口が重い。取材は早速行き詰る。主人公は頭を抱える。しかしそんな時……彼が宿泊するホテルに、謎の手紙が届く。そこには、「町長とゴミ処理場建設業者の癒着」を示唆する文言が並んでいた。主人公は飛び上がって喜ぶ。きっとこれは内部告発なのでしょう。町長らの不正行為に怒る町民からの告発!主人公は決意する「どこの誰かはわかりませんが……あなたの勇気、決して無駄にはしませんよ!」。主人公はすぐに上司に電話をかける。そして一切を報告する。ところが上司は……「お前はバカか?怪文書をもとに記事を書くってのか?お前の頭の中はお花畑かよ!まともな証拠を手に入れろ!」。……なるほど。上司の言うことはもっともである。

嘉村 ふむ。しかし……「証拠」と言っても町民は一様に口を閉ざしているし、警察も非協力的だし……。

三葉 ええ。しかし、主人公は諦めません。手紙の差出人のように、義憤に駆られている者がいるはずだ!主人公は情熱的に取材を続ける。その結果、少しずつ情報が集まってくる。……が、まだだ!まだ足りぬ!そして彼は、フェアとは言いがたい取材を始める

嘉村 「フェアとは言いがたい」と言うと……?

三葉 すなわち……「夜間、町役場に忍び込んで書類を盗み出す」「町の有力者を呼び出して、酒をガブガブ飲ませて酔い潰し、カバンの中を物色する」などですね。

嘉村 犯罪じゃないですか……。

三葉 その通り、犯罪です。彼はダークサイドに堕ちた。まぁ、それだけ情熱的だということですよ。

嘉村 ふーむ……。

三葉 やがて努力が実り、彼は決定的な証拠を入手する。彼の推理は正しかったのです。……こうして、物語は幕を閉じます。

嘉村 なるほど。


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。「案②」は、「『大統領の陰謀』 ~『産業スパイ』編」です。


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嘉村 今度は、産業スパイ!

三葉 「大統領の陰謀」や「案①」は「政治・選挙」にまつわる物語ですが、「経済・産業」を舞台にしても面白くなるだろうと思いまして。

嘉村 なるほど。

三葉 まずは、「大統領の陰謀」との比較表をご覧ください。


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三葉 基本的なストーリーは、「大統領の陰謀」や「案①」同様です。ある日、自動車メーカーの幹部宅にこそ泥が入る。平凡な事件に見えた。しかし、新聞記者の主人公は違和感を覚える。これは単なるこそ泥なのか……?やがて彼は、「侵入犯はこそ泥ではない。幹部宅に盗聴器を仕掛けようとしていたのだ。すなわち、これは産業スパイ事件である!」と推理する。黒幕は、ライバルの自動車メーカーです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 彼の上司も、事件の重大さを認める。かくして、主人公は推理を裏づける証拠集めを開始します。

嘉村 ふむ。

三葉 しかし、一筋縄ではいかない。何しろ、相手は巨大企業。権謀術数の渦巻く伏魔殿です。行き詰った主人公は、以前別の事件の取材で知り合った公安幹部に助言を求める。上司もアドバイスをくれる。さらに時にはダークサイドに足を踏み入れたりしつつ取材を進め、やがて真相にたどり着く……という物語です。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『大統領の陰謀』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!



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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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