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「強い女性が好き♡」ときみが言うから、一念発起して世界最強になったよ!!|『キューティ・ブロンド』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「キューティ・ブロンド」をベースに新しい物語を妄想します。

※「キューティ・ブロンド」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「キューティ・ブロンド」は、イケイケのリア充女子が法科大学院に進学し、場違いゆえにバカにされたり、仲間外れにされたりと苦労しつつも、やがてリア充女子ならではの方法で頭角を現す物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『キューティ・ブロンド』 ~『ロボコン』編」、「『キューティ・ブロンド』 ~『ヤクザ』編」の2案でした。


案③


嘉村 それでは「案③」にまいりましょう!

三葉 はい。「案③」は、「『キューティ・ブロンド』 ~『ボクシング』編」です。


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嘉村 ボクシング!

三葉 詳細をご説明する前に、「キューティ・ブロンド」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上を踏まえて……「案③」!「キューティ・ブロンド」と比較すると以下のようになります。


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三葉 「キューティ・ブロンド」にしろ、ここまでにご紹介した「案①②」にしろ、主人公は女性で、彼女が「新世界」で苦労しつつも成長を遂げる物語でしたが……。

嘉村 ええ。

三葉 主人公が男性であっても、「キューティ・ブロンド」のストーリー構造を利用することは可能でしょう。そこで「案③」は……「イケイケのリア充男子」が「ボクシング」という新世界に移動し、苦労しつつも成長を遂げる物語です。

嘉村 なるほど。

三葉 ストーリーをご紹介しましょう。……主人公はリア充男子高校生です。彼は、「美男子」という言葉がぴったりの美しい顔立ちをしている。彼が流し目を送れば、幼女から老婆まで誰もが顔を赤くすることでしょう。あまりの色っぽさに、ノンケの男子生徒も思わずドキドキしてしまう。

嘉村 ほぉ。

三葉 また、コミュニケーション能力も抜群で、おまけに賢い。

嘉村 ふーむ。神は一体何物与えれば気が済むのでしょうねぇ。

三葉 そんな彼には素敵な恋人(以下、Aさん)がいました。Aさんは学校一の美少女です。明るく陽気でちょっとギャルっぽい女の子。主人公はAさんにぞっこん……だったのですが、ある日突然振られてしまう。

嘉村 ふむ。

三葉 いつも穏やかな主人公も、この時ばかりは取り乱します「どっ、どっ、どうして!?」。Aさんは苦笑する「悪いと思っているわ。でも、やっぱり自分の気持ちにウソはつけないの」「……他に好きな男ができたのかい?」「というか、元々気になっている男子がいたの。でもあなたに告白されて……あなたのような万能男子となら上手くやっていけるかと思ったんだけどね。やっぱり無理だったわ」「えっ……」「あなたじゃ満足できないのよ」「えっ……えっ!?」「ごめんなさい」「きっ、きみが気になる男子ってのは、一体誰なんだい!?」「うーん……これがBくんなんだなぁ♡」。主人公は卒倒しそうになる。無理もない。Bくんは稀に見る醜男なのです。彼はボクシング部員で、優れた戦果を上げてはいるものの……技術よりもパワーで相手を圧倒せんとするタイプ!その戦いっぷりは、お世辞にもスマートとは言えない。陰では「筋肉ダルマ」と呼ばれている。

嘉村 筋肉ダルマかぁ……。

三葉 Aさんが笑う「っていうか私ね……じつは筋肉フェチなんだな♡Bくんのようなゴリマッチョしか愛せない女なの。でも、さすがにそれってどうかなと思うじゃない?JKがゴリマッチョ好きって……ねぇ。だからあなたと付き合ってみたんだけど……やっぱり無理だった!ごめんね!あなたの細い腕や細い腰では満足できないの!許してチョ!」。

嘉村 ははぁ……。

三葉 主人公は猛烈なショックを受ける。彼はAさんを愛していたのです。そして3日ほど寝込み、4日目に決心する「オレもボクシング部に入る!筋肉ダルマになってみせる!」。

嘉村 うーむ。

三葉 かくして主人公は、ボクシング部に入部しますが……初っ端から厳しい洗礼を受ける。何しろ彼はイケメンです。男の敵と言っていい。ボクシング部員も快く思っていない。そんな彼をリングの上なら合法的にぶん殴ることができる!彼は、来る日も来るもボコボコに痛めつけられます。

嘉村 なるほど……。

三葉 他の部員と打ち解けようとしても、「媚びを売ってんじゃねぇよ!」と余計殴られる。彼はゲーゲー吐く。胃の中が空っぽになる。このままでは、筋肉ダルマどころか骨と皮ばかりになってしまう。ふと気弱になる。心の中の悪魔がささやく「女は星の数ほどいるんだ。ボクシングなんて辞めて、面白おかしい青春を送ろうぜ!」。

嘉村 まぁ、人間向き不向きがありますからねぇ。

三葉 しかしそんな時、AさんとBくんが付き合い始めたという噂が耳に入る。主人公の心に火が点く。彼はそれまでの2倍練習し、3倍筋トレに励んだ。スポーツ科学や栄養学を学び、ジムにも通い始める。眠る前には「ロッキーのテーマ」を聞いて、明日への英気を養う。その結果……彼は、Bくんを上回る筋肉ダルマと化した!

嘉村 おおっ……。

三葉 圧倒的な筋肉が生み出すハードパンチは、敵の脳をグラグラ揺らす。彼はKO勝利を積み上げていく。また、持ち前の美貌が役立つこともわかった。

嘉村 ほぉ……と言うと?

三葉 ここぞというところで、スッと流し目を送るのです。すると、敵は一瞬ポーッとして隙が生まれる。さぁ、その隙を見逃すな!あとは打つだけ!打つべし!必殺のアッパーを打ち込むべし!……という具合ですね。

嘉村 なるほど。

三葉 とまぁこのように、「ボクシング部に入ってから得た力」(筋肉、ボクシングのスキル)と、「以前から持っていた力」(美貌、眼力)を組み合わせることで、主人公は無敵のボクサーに成長したのでした。最早、Bくんなぞ敵ではない。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そんな主人公のもとにAさんが駆け寄ってくる。彼女は言う「嗚呼、筋肉!大好きよ!」。しかし主人公は、「悪いが、きみの細い腕や細い腰では満足できないんだ。もっと肉づきのいいセクシーな女性がタイプでね。ハッハッハッ。では失敬!」……で、物語は幕を閉じます。


案④


嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉 はい。「案④」は、「『キューティ・ブロンド』 ~『格闘技』編」です。


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嘉村 今度は格闘技!

三葉 まずは、「キューティ・ブロンド」との比較表をご覧ください。


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三葉 ご覧の通り、「案④」は「イケイケのリア充女子」が「格闘技界」という新世界に移動し、苦労しつつも成長を遂げる物語です。

嘉村 ふむ。

三葉 すなわち……主人公はリア充女子。彼女には素敵な恋人(Cさん)がいました。Cさんはイケメン格闘家です。彼は強い!猛烈に強い!「そう遠くない将来、格闘技界の頂点に立つ男」として注目を集めている。主人公はそんな彼に惚れ込んでいましたが……ある日ふいに振られてしまう。Cさん曰く、「オレは強い女が好きなんだ。きみのような守られたがる子は……ちょっと違う。すまない」。

嘉村 ほぉ……。

三葉 主人公は一念発起する。「見てなさいよ!」ということで、道場に通い始める。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そして、「お前のようなチャラチャラした女に格闘技は無理だ!」とバカにされ、嫌がらせを受けつつも、持ち前のポジティブマインドと人間観察力を武器に、グイグイ力をつけていく。やがて師範をぶちのめすまでに成長する。

嘉村 おおっ!

三葉 そして物語のクライマックスは、世界格闘技大会です。「ドラゴンボール」の天下一武道会、「グラップラー刃牙」の地下闘技場、「幽☆遊☆白書」の暗黒武術会、あるいは「燃えよドラゴン」の武術トーナメント……まぁ、その類ですね。

嘉村 ふむ。

三葉 そこで彼女はこれまでの修行の成果を発揮し、世界最強の称号を手に入れる!一方、Cさんは予選落ち。試合後Cさんが駆け寄ってきて、主人公に結婚を申し込みます「きみは素晴らしい女性だ!」。しかし主人公は、「私は強い男が好きなのよ。出直してきな、坊や」と言い残して去っていく……で、物語は幕を閉じます。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『キューティ・ブロンド』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 「キューティ・ブロンド」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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