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おパンダ文庫
2020年4月25日 09:57
男の子が不思議な森を探検するお話です。どんな不思議があるのかな。日常を離れて、少しだけ探検の世界へ。こどもにとっても大人にとっても、息抜きになれば幸いです。…………………………………最後まで読んで頂き、ありがとうございます。「ふしぎなもり」は、オヒルギという種類のマングローブの森のことでした。初めてオヒルギの森に入ったとき、ちょっと怖
2020年5月13日 17:37
なぜ絵本をかくことになったのか。絵本作り初心者らしく、格好悪くさらけ出してみようと思います。スケッチのおじさんその頃、仲良くなって、たまに訪ねてはおしゃべりをするおじさんがいました。おじさんは、市場の一角で1坪くらいの小さなアトリエを開いていました。1坪といっても、広場にテーブルを置いたり、ワゴンを持ち出したり。閉まっていると1坪、という場所でした。アトリエは、「スケッチ」といいました
2020年5月21日 22:56
絵本をかこうと決めました。締め切りも目標も決めました。さて、どんな絵本にしよう?生き物が好きだ私は脱サラをして、沖縄に移り住んでいました。とてもざっくり言うと、生き物が大事、ということが理由でした。サラリーマン時代は満員電車に乗り、コンクリートのまちの中をせかせか動き回っていました。生き物のことなんてこれっぽっちも気にしないで、毎日が過ぎていきました。脱サラしてがらりと変わりました
2020年5月30日 12:00
処女作完成から約半年。なんと、コンクール事務局から手紙が届きます。再挑戦、なのか何のことはない、過去の応募者へ宛てた次のコンクールへの案内でした。それでもその便りによって”絵本”を思い出します。そして葛藤が生まれます。正直しんどかった製作期間。消化不良に終わったもやもや感。再挑戦決心の決め手は、新しい出会いでした。こんにちは屋我地島屋我地島(やがじじま)。そこは、私の新しい職
2020年6月7日 17:34
それではここから本編です。ひと見開きずつ『ふしぎなもり』を歩いていきます。絵本を通しで読みたいよ、という方は下のリンクをご覧ください。はじめの一歩ほんとうはちょっとこわいけど、はいってみようとおもったんだ。男の子が、未知なる森へ記念すべき一歩を踏み出します。決心が鈍らないように、力強く。でも恐れる気持ちがあって、ゆっくりしか進めません。男の子は、前からこの森の存在を知っていまし
2020年6月20日 16:56
一歩一歩不思議な森の奥へと進んでいく男の子。どんどん前へ進みたい気もするけれど...?地味な世界に気づくとき不思議な森に入りたての男の子は、細心の注意を払って歩きます。転ばないように足元ばかりを見ています。そして、とんがりの貝を見つけます。マングローブの地面にいる貝、たとえばイボウミニナなどの仲間は、砂粒の周りの栄養を食べながら、ゆっくりと地面を這っていきます。やわらかい砂地には彼
2020年6月30日 16:37
"とんがりの貝" から目を上げて、もうそろそろ立ち上がろうかな。男の子はまた、歩き出します。気のせいかな?よっこいしょ。腰を上げたその時です。カサッ。何かが動いたような。気のせいだろうか?カササッ。気のせいじゃないみたい。木の幹からだ。ぼくか動くたび、何かがサッと隠れるみたい。ぼくが動く、なにかがサッと。ぼくが一歩、なにかがサッと。何が動いているんだろう?
2020年7月8日 20:08
男の子はふと、上を見上げてみました。自分が大きな木に囲まれていたことに気が付きます。怖くないかもオヒルギの根っこに注目したり、 ”とんがりの貝” を探した地面。すばしっこい生き物を探しまわった幹。そして、見上げた頭上の枝。好奇心のまま見てきた断片的な景色が、繋がっていきます。うわぁぁ...おおきなき だったんだね。大きな木に囲まれていても、もうあまり怖くはありません。むしろ
2020年7月18日 21:09
不思議な森を抜けました。男の子が次に見るのはどんな景色?もりを ぬけた。とても とても ひろいところ。だけど そこは うみじゃない。とても ひろいところ一面の砂地。見渡す限りの地面。森の外には海が広がっているかもしれない。そんな男の子の淡い期待は裏切られます。薄暗くてじめじめとした雰囲気と打って代わり、明るくて広い砂地には気持ちの良い風が吹き抜けます。男の子はその広
2020年8月1日 08:37
誰もいない。何もない。そんな場所って、ほんとうにあるのかな。もこもこもこ男の子が立つ砂地の表面は、どこまでもなめらかです。所によって波打つ模様があったり、小さな起伏があったり。優しい模様が遠くまで続きます。その、表面に。もこもこ もこもこ。もこもこもこ...周りから浮いて、異様な場所がありました。なんだろう。よく見ると、それはたくさんの小さな泥だんごの集まり。直径
2020年8月16日 12:59
砂地に置かれた泥だんごのすぐそば。地面がもぞもぞと動き出します。なんだなんだ??誰の仕業?そこに何かがある時、きっと、誰かや何かの理由があってそこにあるのだと思います。とすればこの泥だんごも、なにか訳があってこの砂地にある。それを確かめるためには、やはりじっと観察するに限ります。この瞬間の驚きとドキドキは忘れられません。何度見ようと遭遇するたびに嬉しくなる光景のひとつです。地
2020年8月29日 08:55
だだっぴろい砂地の真ん中。じいーっとミナミコメツキガ二を見ていたら、周囲はすっかり賑やかになっていました。じっとする、の効果生き物を観察したいとき、じっとしたもん勝ちだと勝手に思っています。体は動かさず、影も動かさず、でもぼうっとしている訳ではなく、五感はきりっと研ぎ澄ませて、じっとします。男の子もミナミコメツキガ二にすっかり心を奪われて、一生懸命に彼らの動きを見ていました。すると
2020年9月17日 20:24
何にもいないと思った、広い、広い砂地の上。本当はたくさんの生き物が潜んでいることが分かりました。砂の隠れ家この砂は無数の生き物を隠していたのか。はたまた、みんなこの砂に上手に隠れていたのか。ここは生き物たちの隠れ家だったんだね。生き物に囲まれてすっかり身動きが取れなくなっちゃった男の子。考え始めます。こんなにたくさん隠れていたということは…潜んでいる生き物は今見ているもので全
2020年9月27日 13:07
ぷこぷこぷこ…あれれ、お水がやってきた。ここは、生き物と戯れているうちにすっかり時間が経っていたようです。顔を上げると、なんと、すぐ近くまでお水がやってきています。男の子はピンときます。そうか ここは うみなんだ。ぷこぷこぷこ。にぎやかな音をたてながら。こぽこぽこぽこぽ。アッという間に浅い海が広がっていきます。ここは、海の底になるのです。ゆるい、境目さっきまで、