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《思考の柔軟性が弱いタイプ》のアセスメントとその支援の方法   その22 実例の細部から、支援の方法の本質を学ぶ-⑯ 「食べたくない」は「嫌いなものがある」の意味

事例16 「給食を食べたくない」と言うのは「嫌
    いなものがある」という《自分言葉》


3年生のP君の、給食を食べる手が止まっている。

先生「どうしたの?」

P君「給食、食べたくない。」

先生「そうか。じゃ、もう時間が来たし無理して食べることないので片付け
  ましょう。今日は、先生が片づけてあげるね。」

と、先生が片付け始めると
   
P君「やめろ。俺の給食だぞ。かってに片づけるな。片付けるなら、給食代
  返せ。」

と急に怒り出した。

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【解説】先生は「給食、食べたくない」と言われたときに、普段の様子からこれは「嫌いなものがあって、それを食べたくない」という意味だなと、「想像」しなければいけなかったのです。
 いつも楽しそうに給食を食べている子が「給食なんか、食べたくない」という訳がないからです。「給食、食べたくない」は、P君の《自分言葉》だったのです。

【セリフ】
2年生のP君の、給食を食べる手が止まっている。

先生「どうしたの?」

P君「給食、食べたくない。」

先生「いつも、楽しく食べてるよね(「共感」)。あっ、分かった。何か、
  嫌いなものがるので、食べられないという意味かな(「想像」)?何が
  嫌いなのかな?言ってみなさい。言えば『それだけ、残していいよ』と
  先生が言ってあげるから(「覚えて」)。」

p君「しいたけ、嫌い。」

先生「なんだ。かきたま汁のしいたけが嫌なのか(「共感」)。では、『し
  いたけがどうしても食べられないので、残していいですか?』と頼んで
  ください。」

P君「しいたけが食べられません。残していいですか(「すみませ
  ん」
)?」

先生「仕方ありませんね。いいですよ。でも、特別ですよ。しいたけ以外の
  お汁は残りは残さず食べましょうね。」

P君「うん。」

先生「『うん』じゃありません。」

P君「はい。」

先生「よく修正できました(「共感」)。」

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