《思考の柔軟性が弱いタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その18 実例の細部から、支援の方法の本質を学ぶ-⑫ 当たってもないのに、答えを言うのはルール違反
事例12 知っていることを、当たってもいないの
に発言するのは《自分ルール》
L君は、4年生。今日は、夏休みの自由研究の発表会の日。▲▲さんが、キャンプで見つけた虫とそれについて調べてきたことを発表している。▲▲さんが、パワポでその昆虫の写真を写した途端、L君が発言した。
L君「それ、知っている。。ナナフシや。見たことある。世界一長い昆
虫だって。お父さんが言ってた。」
先生「L君。勝手に喋ってはいけません。▲▲の発表の時間です。」
L君「どうして。僕、変なこと言ってないよ。それ、ナナフシだよ。」
先生「うるさい。とにかく黙りなさい。」
L君「だって、喋りたいもん。」
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【解説】自分のやりたい事を、抑制できていません。実行機能の『抑制』が弱いのです。「言いたいから、言っただけ」「変なこと言っていない」だから「悪くない」というのは《自分ルール》です。そうです。悪くありません。「授業中じゃなければ」です。
そこのところを、説明して覚えてもらう必要があります。
【セリフ】
L君「それ、知っている。。ナナフシや。見たことある。世界一長い昆虫だ
って。お父さんが言ってた。」
と、立ち上がって叫んだ。
先生「L君。よく知っているね。偉いね(「共感」)。知ってるから、どう
しても話したかったんだね(「想像」)。それも、分かりますよ。でも
ね。今は、授業中なの。授業中には授業中のルールがあります。どんな
ルールでしょう。」
L君「知らない。」
先生「それは、おかしいね。何度も言っていますよ。『授業中は勝手に喋っ
ってはいけません。手を上げて、当てられてから発言します』です
(「覚えて」)。今のあなたは、手を上げましたか?」
L君「上げてません。」
先生「上げてないよね。先生が当てましか?」
L君「当てられてません。」
先生「そうですね。2つもルール違反してます。それに▲▲さんが、発表し
ている途中ですよ。▲▲さんに失礼でしょう。次からどうします
か?」
L君「手を上げてから話します。」
先生「よくできました(「共感」)。守ってくださいね。それじゃ▲▲さん
に『発表を途中で止めちゃって、ごめんなさい』と言ってから座ってく
ださい。」
L君「▲▲さん、ごめんなさい。」
先生「ちゃんと、謝れて偉いね(「共感」)。じゃ、▲▲さん。続けてくだ
さい。」
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