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センネンケージ

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※センネンケージとは?※ 現在更新中の小説『センネンローグ⇒https://novel.daysneo.com/author/zui_00/』の後日談にあたる連作短編です。 今は… もっと読む
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記事一覧

プロローグ

 五角形の部屋には五つの人影があった。彼らは中央に置かれた横長のテーブルに集まっていたが、現在話しているのは一人だけだ。
 ボソボソした声と、読み上げられる紙の揺れる音だけが空間に漂う。室内が薄暗く感じられるのは窓が一つもないのが原因だろう。蛍光灯が放つ光は陰気な雰囲気に飲まれていた。
 装飾品のない部屋で目を引くのは、両開きの扉くらいのものだ。通常のものより大きめだが、それだけの木製の扉。備え付

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棺は走る



【任務内容】
装甲機関車が町へ到着する前に操縦者を発見する

【終了条件】
操縦者の確認
場合により殺害

 壊すのをためらってしまう静かな砂漠の闇。それを切り裂く無粋な光が一本。
 白い道をたどるのは、黒いイモムシに似た装甲機関車だった。地を震わす轟音と共に砂を巻き上げ、迷いなく一直線に突き進む場違いな鉄の塊。車体は錆びつき、落石を受けたように全体がひしゃげていた。それでも無理やり走ろうと

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檻の中の桃色



【任務内容】
桃色ワニの調査

【終了条件】
事態の収拾

 子供の笑い声が聞こえる。仄かな香ばしい匂いはポップコーンだろうか。どこからか流れる明るいメロディを聞いていると、自分達が場違いな存在に思えてきた。
 見事な晴天に恵まれた休日の動物園の賑やかさ。本日の仕事の舞台へ鬱陶しそうな視線を向けヒロがぼやく。

「落ち着かねぇな」

 現在地は動物園の駐車場。これから非日常空間が始まる地点で

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腐った英雄

【任務内容】
護衛

【終了条件】
対象の国外脱出

 ギロチン台を囲む人々の数、およそ数千。歴史的英雄にして悪しき独裁王が裁かれるのを見届けるため、国中から怒れる民衆が集まったのだ。皆拳を突き上げ、口汚く王への怨み辛みを叫ぶ。
 それを受ける処刑台の独裁者の表情は涼しいもので、どこか人を馬鹿にしたような、見下した目で周囲を見渡していた。

「殺っちまえー!」

 群集の怒号に混じって叫ぶ隣の男へ

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笑う電話

 少し眠くなってきたか。
 そんなことをボンヤリ感じていると、目の前の電話が鳴った。

「もしもし?」

 たまたま近くにいたから出た。それだけだった。
 電話の向こうからは妙に馴れ馴れしい男の声が響く。

「よう、俺だよ俺。久し振り」

 電話を取った側は不快そうな顔になる。いきなり気安く話しかけてくる他人は嫌いだった。
 声に聞き覚えは無かったし、俺と言われても分からない。この電話は仕事に関係

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箱入り少女

【任務内容】
輪の保護

【終了条件】
完全体への成熟

 初めに見つけたのはイサだった。
 日課の一つである外部からの荷物の確認作業。それをこなすため広間へ降りてきた彼の目に飛び込んできたのは、一羽の赤い鳥だった。大きさや格好はカラスに似ているが、クチバシから尾羽まで真っ赤で良く目立つ。鳥は白い箱の上に留まっており、我が物顔で羽繕いをしていた。
 その鳥をイサは知っている。鳥は赤烏と呼ばれる存在

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雨降り村



【任務内容】
救出

【終了条件】
村への帰還

 山中にぽっかりと開いた穴からは轟々と水の流れる音が響く。闇は深く、入り口から中の様子を探ることは出来ない。奥から漂ってくる冷気が、湿った外気と混ざり合い周辺の気温を下げていた。
 寒さから逃げ出したのか、洞窟の近くには生物の気配がない。重い曇り空に鳥の鳴き声は響かず、川には魚の姿すら見当たらず、ただただ陰鬱な風が通り過ぎていた。

 転がっ

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葬送は刃の標的



【任務内容】
乗客の解放

【終了条件】
列車の停止

 一定のリズムで揺れる足元。その不安定さを誤魔化すように、アヤは一度強く床を踏みしめる。もちろん足場が固定されることはなかったが、自分へ気合を入れるのには効果があったようだ。
 深呼吸すると湿気を含んだ空気が肺の中に入り込み、陰気な雰囲気が己に混ざってしまった気分になって顔をしかめる。

 アヤは一人、列車のドア付近にたたずんでいた。清

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悩ましき影

 ひょんなことから世界の破滅を企む組織の存在を知った主人公は、それを阻止せんと陰謀に立ち向かっていく。
 最初は疑いの目を向ける警察も、徐々に浮き彫りになる異常事態に現実を受け入れざるを得なくなる。動きの怠慢な上層部に呆れた正義感の強い軍人が味方になり、かと思えば突如主人公の前に現れる謎のセクシー美女。お約束のように現れる化け物と空から飛来するUFO。
 主人公の活躍により事件は解決し、不仲だった

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赤龍の災難な一日



【任務内容】
龍の保護

【終了条件】
安全域への誘導

 一面に広がる海。その端は薄い霧で覆われていた。
 先へ進めば霧は濃くなり、やがて下にあるはずの海すら飲み込んでいく。迷い込んでしまった者は前後不覚に陥り、真っ白な空間を闇雲にさ迷った末に消息を絶つ。遭難したまま誰にも発見されず朽ちていくのか、霧に潜む魔物に襲われたのか、それとも未踏の地へ辿り着いたのか。誰も知らない。
 一度迷い込め

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愛する人は泥だらけ

泥まみれの村

【任務内容】
ゴーレム暴走の原因を解明

【終了条件】
事件の解決

「この沼、今は濁ってますよね? でも十年に一度、とっても綺麗になるらしいんです」

 目の前に広がる沼を指さした少女は、快活な笑顔を浮かべて隣の男へ話しかける。

「ほう」

 解説を聞いていたイサは短く返事をした。なんだか素っ気ない反応だが、別に彼女の話に関心がないわけではない。むしろ美しいものの収集癖があるイ

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天撃つ塔



【任務内容】
塔の攻撃を阻止

【終了条件】
勝利

「こんにちは」

 声をかけられ、自分は目の前に少女が立っているのに気がついた。身構えたこちらへ向かって、彼女は手をヒラヒラさせ武器を持っていないのをアピールする。

「あぁ、私は敵じゃないよ? 私が来ること聞いてない?」

 桃色の瞳が不思議そうに自分を覗き込む。
 何も聞いていないのを強調して再び警戒するポーズをとってみせると、首を傾

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窓にいる



 スリッパが廊下を叩くペタペタという音。それが妙に響く気がして、思わず立ち止まりそうになる。しかし止まってしまえば、周囲に広がるのは生暖かい空気と闇ばかり。消灯時間を過ぎた病院は静まり返っており、非常灯の光だけがボンヤリと廊下を照らしていた。足が止まり無音になったら最後、途端に何者かがフラリと現れそうで、むしろ歩みは速まっていく。
 不自由な足に苛立ちながらの歩行は不規則な足音を作り出した。

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災いの星

 ヨモの部屋へ怪しげな物体を運び込むロボット達。せわしない光景を目の当たりにしたヒロが唖然と呟く。

「何を始める気だよ……」

 ヨモから資料を持ってきてほしいと突然連絡され、何事かと必要な物をかき集め部屋へやってきたヒロは、溢れんばかりの見慣れぬ品々に出迎えられた。

 ヨモの私室にして開発室。ここでは五人が使用する装備や道具を製造している。ヒロが任務の際に使っている銃やバイクもヨモ製だった。

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