年間オリコンチャートを斬る!③2003年編
やってまいりました、最近シリーズ化している「年間オリコンチャートを斬る!」の第3弾。
嬉しいことに結構コメントを頂けたりもしたので、しばらく続けていこうかと思っております。
今回は少し年代を前に戻して、2003年編。
僕が中学2年の時です。
周囲もみんな音楽に興味が出てきた頃で、ランキングを振り返るだけで音楽に対する思い出が溢れてきました。それではスタートです。
2003年 年間オリコンシングルチャートTOP20
この年、ダントツで年間1位となったのはSMAPの「世界に一つだけの花」。
売上は210万枚となっていますがこの後もロングセラーとなり、2017年初頭にはグループ解散によって更に売上を伸ばし累計売上はなんと313万枚を突破。
平成・令和を通じて日本で一番売れたシングルCDとなっております。
しかし、今聴いても文句のつけるところない良い曲で。
歌われている内容も普遍的なテーマどころか、多様性の受容が謳われるようになった今の時代の方が響く。令和の時代を予知したかのようなリリックはさすが天才・槇原敬之のなせる技である。
その他、この年のランキングを見て面白く感じるのは複数A面シングルが異常に多いこと。
11位の中島みゆきが両A面(まあこれに関してはリリースが2000年なのであんまり関係ないけど)、2位の福山雅治・8位の浜崎あゆみ・20位のCHEMISTRYはトリプルA面、15位のELT・16位のEXILEに至っては4曲A面シングル。
お陰でこの記事もランキングページが変に長くて見辛くなってしまった。
2000年代に入りシングルCDの売上が下降傾向にある中で、付加価値をつけたいという思いが収録曲数やタイアップに出たんだろうけど…4曲ってもはやシングルじゃなくてミニアルバムなのでは?とも思ってしまったり。
あと、この手法ってアーティストそのものに力があること前提なんですよね。◯◯のシングル曲が一気に4つ聴ける!的な。
アーティストパワーが弱い新人とかがやってもあんまり意味がない手法で。
そういう点でいうと、ここに名前がある人たちの事務者は売り方が上手いんでしょうね。
年間2位の福山さんはドラマ「ウォーターボーイズ」主題歌の「虹」を筆頭にした3曲。
https://www.youtube.com/watch?v=SXyqhjhaQQA
僕自身このドラマが人生ベスト3に入れたいぐらい好きで、主題歌のこの曲もCDを買いましたね。
今聴いても素晴らしい名曲だし、これに関しては単体でもあんまり売上変わらなかったんじゃないのかな。
ドラマのエンドロールで山田孝之をはじめとした5人が並木道を歩くシーン、シンクロするシーンが今もはっきり思い出せる。
3位に入った宇多田ヒカルの「COLORS」は色彩をテーマにした歌詞が印象的。
https://www.youtube.com/watch?v=nv7OzIbdm4Y
随分と老成された内容だけど、この曲のリリース時って彼女はまだ20歳なんですよね。怖い。
周りの年齢が近い連中とかバカに見えてしょうがないだろうし、そりゃあ15個年上のクリエイターと結婚するわな。
4〜6位はこの年を象徴する曲が並んだな、という印象。
すごいのは、全員2002年以降デビューの新人アーティストということ。
今じゃ絶対起きないよねこれ。
ある意味さっき挙げた複数A面のシングルを出した人達と対極で、楽曲のパワーだけで勝利したと言える。
森山直太朗はこの「さくら(独唱)」一本で今も生き残っていることがすごい。
https://www.youtube.com/watch?v=p_2F2lKV9uA
これ、バカにしてるわけじゃなくて。ほぼ歌とピアノだけの楽曲がここまで歌い継がれるって素晴らしいですよ。
実際、僕と同世代でこの曲が歌えない人ってほとんどいないんじゃないかな。
5位のRUIは言わずもがな女優の柴咲コウですが、彼女がここまで歌えるのは衝撃だった。
https://www.youtube.com/watch?v=tlUPiJDeFpg
歌が上手いことはもちろんなんですけど、この人声質が大勝利ですよね。
高音になると胸がグワっと掴まれるというか。女優さんは表現力があるんだなぁ。
6位は恋愛観察バラエティ「あいのり」の主題歌で特大ヒットとなったI wish。
https://www.youtube.com/watch?v=ertE4Nm4PAM
全メロディ死ぬほど覚えやすい上、Cメロのインパクトが強烈で名曲度250%アップ。これは売れますわ。
歌詞の内容も「あいのり」にめちゃくちゃ合ってたし、理想的なタイアップの形だった。
7位に入ったのは大ベテラン・サザンオールスターズ。
https://www.youtube.com/watch?v=w-j7Yk5HStA
この曲はタッキー(今は副社長)主演の月9主題歌であることもあって当時の若者にも受け、ファン層の裾野を広げた感がありますね。
「熱い砂のステージ」「裸のビーナス」「欲望の影」「僕だけの天使でいて」「情熱の秘め事」「コバルトブルー」「人魚のような恋」…
普通に聴くとダサいのに、桑田佳祐が歌うとカッコよくなってしまうあたり本当に彼は言葉のマジシャンだと思う。
8位の浜崎あゆみはこの年が最後の年間TOP10入り。
彼女は良い曲が多いんですけど、如何せんリリースペースが早過ぎてこの時期に一気にコンテンツとして消費された感が否めないですね。この前の年も4曲A面出してるし…これだけリリース数が多いと、どれがなんて曲かわかんなくなってくるんですよね。
個人的に3曲の中では夏が始まっていくワクワク感がある「Grateful Days」が一番好きです。
10位・11位は音楽性は全く違うもののオリコンの歴史に残るロングヒット作品という点で共通。
「地上の星」は、中島みゆき姉さん史上2番目のヒット曲。
https://www.youtube.com/watch?v=v2SlpjCz7uE
NHK「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」の主題歌として有名ですが、実は番組スタッフからの依頼を受けての書き下ろし楽曲らしく(有名なんですかね?)。番組とのマッチ具合も納得。
しかしこの曲メロディが豪華ですよね。Aメロが既にサビみたいなのに、その後さらにカッコ良いサビがくる構成。
11位は番組の企画でデビューしたロードオブメジャー。
https://www.youtube.com/watch?v=o3whOgZwjkI
こちらもサビの解放感が印象的で、THEバンドサウンドといった感じも含め当時の中高生にバカ受けするのがわかる曲。みんなカラオケで歌ってたよこれ。
13位の一青窈に関してはてっきりもっと売れてると思ってました。笑
https://www.youtube.com/watch?v=gmxw6nAz6vY
まあ、彼女は「ハナミズキ」の方が有名だからいいのか。
9位のミスチル、12・19位のB'z、14・17位のKinkiに関してはいつメンって感じで…もう書くことないよっていう。笑
まあ「HERO」は名曲ですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=ofYTAoS4LzE
こういう歌詞を偽善臭くならず、真正面から書けるのは桜井氏の強みだと思う。
このクレイアニメーションのPVも当時としては斬新で、記憶に残ってるなあ。
B'zに関しては12位の「IT'S SHOWTIME!!」の次シングル「野性のENERGY」で一気に売り上げを落としたことの方が気になります。
https://www.youtube.com/watch?v=ymHBDeP3yhI
「IT'S SHOWTIME!!」はお祭り感あっていつものB'zって感じなんですけど、「野性のENERGY」はファンから聴いてもメロディにとほほ感ありますからね。
18位の175Rはこの年限定でめっちゃ流行ってましたね。笑
https://www.youtube.com/watch?v=ThvzSZr5hsI
2000年代初頭はゴイステやらサンボマスターやら、青春パンクが時々流行る謎現象が起きてました。あのブームってどこから起きてたんだろうか。
2003年に関してはこんな感じでしょうか。
ランキングの曲を聴いていると次々に書きたいことが出てきて、書くたびに記事は伸びてきています。笑
次は何年を取り上げようかな。
2005年・2006年編はこちら。
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