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この関係に、名前なんていらないよね。「いちばんすきな花」最終話感想

まさか、藤井風まで引っ張り出してくるとは。
恐れ入りました。

引越しまで、残り僅か。
椿(松下洸平)の家に住むことにしたゆくえ(多部未華子)・夜々(今田美桜)・紅葉(神尾楓珠)。

穏やかな日々を過ごす彼らの家に、何故かこれまで関わった人が集結。
純恋(臼田あさ美)の再登場は何気に衝撃。
どんな面して来たんだお前、と思いましたけど何故か馴染んでいましたね。
いかにもドラマな展開ですが、最終回ぐらいは良いんじゃないでしょうか。

で、赤田(仲野大賀)とゆくえも関係を修復。
奥さん、やっぱ良い人だったんだね。
二人の関係性、理解してもらえて良かった。
穂積(黒川想也)と希子(白鳥玉季)も程よい関係性を見つけたようです。

椿の家を引き払う最後の瞬間をゆっくり描いているのが、このドラマらしくて一番グッときましたね。
スピーディーな展開なドラマが持て囃される今の時代、こういうゆとりのある描き方ができるのは作り手側の自信を感じます。

椿はアパートに引越したけど、結局4人の関係性は変わらず。

終盤の美鳥ちゃんのモノローグには、このドラマのテーマがすべて凝縮されていたような気がします。

「他人の価値観なんて理解できないけど、理解したいと思える他人と出会えることはある」

「誰かにとってはゴミになるものでも、他の誰かにとっては大切なものだったりする」

「人はどうしたって変わっていくのに、なりたい自分にはいつまでも経っても変わらない」

当たり前のことなんだけど、この当たり前過ぎて忘れてしまいそうになることをふと思い出させてくれる。
この作品はそんなドラマだったよなぁ、としみじみ思います。

「みんなみたいにみんなになれなくて、上手に二人組も作れない」4人だったけど、彼らにとって自分以外の3人がいる場所が帰る場所になった。

この関係性に、名前なんて必要なくて。
男女の友情とか、そんな風にカテゴライズするのも野暮だと思いました。
藤井風が歌う姿の後ろで、4人が過ごす姿がすごく愛おしかったです。

話が飛んじゃいますけど、藤井風による主題歌「花」も、ドラマの中でよく使用されていたメインテーマも素晴らしいですよね。一度聴いたら、耳から離れないメロディ。
最後の演出もすごかったですね。こういう思い切ったことができるの、やっぱり制作スタッフが若いからなのかな。

最後には、4人それぞれの少しだけ成長した姿が描かれました。
知らない人から見ると大したことないことかもしれないけれど、お互いのことをよく知っている4人から見たら大きな変化。
分かって欲しい人だけに分かってもらえたらそれで良いんですよね、きっと。

気持ちよく終わってくれて良かった。
3ヶ月間楽しめました。

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