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#家庭裁判所
運動会から、娘が消えた! 担任は保身のために、娘の消息を「知らない」と言った。
■18
「パパにあえるおしごとは、なあに? わたし、はやくおとなになって、パパにあえるおしごとをするの」
二年三ヶ月ぶりの再会を果たした日、娘は言った。
父親はある日、姿を消した。母親はなにも答えてくれない。それは、きっと自分のせいだ。自分が、なんとかしなければならない。幼いながら、「どうすれば父親に会えるのか」考えたのだ。
私にとって生涯の宝物となった、あの日の言葉、笑顔――
「まもなく
私を怒鳴りつけた女教師は、モンスターシングルマザーのクレームに怯えていた。
■17
歩き方から、大きな足音が聞こえてくる。体格のいい女性だった。紅潮した顔は、張り詰めている。学校側との関係は良好だったので、私は刑事と対峙した時よりも緊張した。
「お父さん、学校にくるのはやめてください!」開口一番、担任は私を怒鳴りつけた。
「私は先々月に、校長先生から『学校に会いに来ていい』と言ってもらいました。先月は学童の先生だって『また来てください』と言ってくれたんです。それで会いに
「奥さんは嘘をついていた」校長は言う「暴力をふるわれた子供は、こんなふうになつきません」。
■12
校長室へ向かいながら、私は娘と一緒に歌を歌っていたが、胸の内にはメラメラと闘志を燃やしていた。校長とじかに話して、私がこの子の父親であると認めさせるのだ。
校長室の手前に、職員室があった。瞬時ためらったが、教員から校長へ取り次いでもらうことにした。これも賭けだった。男性教員などに取り押さえられるブライアン(奪還父さん)もいるからだ。しかし子供の前で、人として当然の手順を踏んで見せること
「あなたは自由に生きていいのよ」そう言って女権業者は、家庭を破壊し夫を奴隷化する方法を教えている。
■9
「法」にのっとって解決しようともがいていると、法によって仕切られた枠の中でしか物事を考えられなくなってしまう。ましてや、こんにちの司法の役割は、少なくとも家庭裁判所においては、なかんずく子供連れ去り問題に関しては、崩壊している。
連れ去り妻―女権団体―ラチベンのトライアングルによって、家事法はいいように蹂躙されているのが現実だ。
多くの拉致被害父親たちと同様、私も「法」の前に屈従を強いられ
DVを受けていたのは、私。元妻を洗脳した女権団体を、私は許さない。
■8
どんな人間でも話せばわかりあえる、誠意は通じる。当時の私はそう信じて、元妻に働きかけ、子供との交流実現に向けて四苦八苦した。
先に述べたとおり、元妻の対応はじつにそっけないものであり、私はそのたびに深い悲しみと虚しさに打ちひしがれた。だが同時に、それを自然に受け入れてもいた。彼女がそういう人だと知っていたからだ。思い起こせば、結婚している時から、ひとたび揉めればヒステリーを起こす。子供に
事実、弁護士はカネ、裁判官は出世に腐心。子供のことを考える人は司法の現場にいない。
■7
当方の弁護士も、元妻側の出方に対して、「例を見ない悪どさ」と呆れている。もはやここまでだ。私は調停を打ち切るほかなかった。
その後わかったことは、家庭裁判所は異常なくらい多忙だということだ。ここでは、「子供の福祉」に沿った裁きをすることよりも、より多くの案件を処理することが評価される。
さらに裁判官にとって家庭裁判所で働くということは、誇りを持てる状態ではない(※子供の連れ去り問題 日本の
家庭裁判所では、調停を早く多く終わらせた人間が出世する。子供の気持ちなど、邪魔なだけだ。
■6
私の訴えは、以下の通りだ。
① 娘は私に会いたがっている(子供から届いた手紙を用意していた。四歳の娘の、ミミズの這うような字で「あいたい」と書いてある)。
② 私も娘に会いたい。(私と娘の間には「会う」という合意がある)
③ 娘は祖父(元妻の父親)を「叩かれるから嫌い」と言っている。
④ 元妻自身も子供時分には、父親(と母親)から虐待を受けていたと言っていた。心配である。
⑤ 私が「連れ去る
「親権や戸籍は、何の意味があるんですか」 「あまり意味はないです」調停前から、弁護士は敗北を宣言した。
■5
この日から、子供たちと完全に引き裂かれ、私は絶望の淵に立たされた。茫然自失。すっかり精気を失い、寝床から起き上がることすらできなくなった。子供を奪われたときの絶望と身体の異変は、当事者にしかわからない。
だが、世の人々はそんな私に容赦なかった。たとえ善意から出た言葉であっても、それはセカンドレイプにしかならない。何度も絶望を思い出さされ、残された僅かなエネルギーも奪い取られた。そして人々
刑事たちも踊らされた。警察を手駒にする離婚業者の手口!
■3
車六台、二十人という陣容で、刑事たちは団地を取り囲んでいた。有無をいわさず子供たちを車に乗せた。
子供たちだけを警察の車に乗せるわけにはいかない。私も刑事たちの車に乗り、昨日走った関越自動車道を、今日は新潟に向かって北上することになった。
娘は何も事情を説明されていないのに、状況を見て「またお父さんに会えなくなる」と泣いている。まだ赤ん坊の息子も泣きやまない。
おびえる子供た
午前5時、警察が突入してきた。私の弁護士は、電話に出なくなった。
■2
「なんですか、あなたたち! 本当に警察ですか」
時計を見ると午前5時。団地の玄関で、いとこのKちゃんが来訪者と押し問答をしている。子供を奪い返した私たちは昨夜、Kちゃんの家に逃げ込んだのだ。
私は飛び起きて玄関に向かった。気丈に振る舞ってはいるが、Kちゃんの小さな背中と声は震えていた。
「ありがとう。あとは僕が対応します」
心配そうにしていたが、従姉妹はすぐ私と入れ替わりに奥
連れ去られた娘を連れ戻したら、警察が「民事介入」してきた。
■1
「子供を連れ戻すことは、犯罪になりますか?」
「私の立場から、連れ戻しをお勧めはできませんが、親権も戸籍もあるから、犯罪にはなりませんよ」と弁護士。
「では、警察は動かないんでしょうか」
「警察は民事不介入だからね、動きません」
子供を連れ戻せば、元妻も考えをあらためるだろう。そこから平和な家庭を再構築できるのではないか。そんなシナリオを描こうとしていた。
その二週間後――緻密に計
プロローグ 父親が絶望から立ち上がる時
ベッドの下に隠れ、泣きながら父親に電話をかける少女。彼女の身体は突如、乱暴にベッドの外へ引きずり出される。泣き叫ぶ彼女を、暴漢たちは手荒に車に押し込めて連れ去った・・・・・・。
――暗い部屋をほのかに照らすテレビ画面の中で、屈強な男が痛快なガンアクションを展開している。度重なるピンチにもくじけず、連れ去られた娘を奪還するために、タフな状況をクールに切り開いていく。
私はなぜ、彼のように
ある日、最愛の子供たちを妻に連れ去られるまでを走馬灯のごとく語る著者紹介
山泊リョウ 昭和五十三年、大阪府枚方市出身。
大学卒業後、円谷プロでウルトラマンの中身、東京FMで使いっ走りなど職を転々とするが、一念発起し完全歩合制の訪問販売で起業。
平均睡眠三時間で日に三〇〇軒のドアを叩く(アポ無し飛び込み即決即払い)生活を二年半つづける。しかも極貧で風呂無しトイレ共同4畳半で家賃一万三千円のアパートに住む。
起業といえば聞こえは良いが、その実、ネズミ講をギリギリ合