見出し画像

読書のすゝめ vol.1 ライオンのおやつ/小川糸さん

みなさま、こんばんは。

これから「読書のすゝめ」シリーズとして、
自分が読んだ本の内容や感想を
noteに残していけたらと思います。

初の試みなので、
いつまで続くか分かりませんが。(笑)

自分の読書記録にもしつつ、
素敵な本を色んな方々に知ってもらえるように。

微力ながらもこつこつと。
続けていきたいと思います。


<読んだ本>


<読んだきっかけ>

2020年本屋大賞のノミネート作品で、
色々な方が感想や書評動画で紹介していました。

とにかく感動する物語、
「生きること」を考えさせられる物語。
そんな感想が多かったように思います。

私自身、何のために人は生きるのか、
死を目前にして人の気持ちはどうなるのか。

そんなことをよく考える性分でして。

数あるうちの答えを
一つでも知ることができたらな、と思い
この本を読んでみることにしました。


<あらすじ>

ホスピス「ライオンの家」。
ここは人生最期の日々を送る人たちが集う場所。

ここでは毎週日曜に「おやつの時間」がある。
それは、ゲスト(入所者)の人々が
もう一度食べたい「おやつ」をリクエストし、
ゲストたちに振舞われるというもの。

甘くて、美味しい「おやつ」。
その背景には、リクエストした人々の人生があり、
宝物のようにキラキラと輝く思い出があり、
人生を彩ってくれた人々との関わりがある。

主人公の海野雫(うみのしずく)は
ライオンの家で最期の時間を過ごしつつ、
自分の「生」と「死」に少しずつ向き合っていく。


<心に残った文章>

「生まれることと亡くなることは、ある意味で背中合わせですからね」
「どちら側からドアを開けるかの違いだけです」

ライオンの家の施設長「マドンナ」のセリフより

主人公の雫は生と死は対極にあるものとイメージしていた。
そんな雫に対して、マドンナは生と死は背中合わせだという。

マドンナがこう言った背景には「転生輪廻」
人は亡くなっても姿を変えてまた生まれる、という考え方がある。

人は亡くなったらどうなるのか。
それは生きている人には分からないことだけど、
また生まれ変わって「生」を受けることができるのならば。

「死」を恐れる気持ちが
ほんの少しは少なくなるのかな、
なんて思ったり。


「すべては、私の人生の結果。生きてきた時間の結晶が、今だ。だから、私が私の人生を祝福しなくて、誰が祝福するの?私は、私自身をこの両腕で強く抱きしめ、その背中に、お疲れ様。よくがんばったな!とねぎらいの言葉をかけたかった。」
「振り返ると、なんて味わい深い人生だったのだろう。私はこの人生で、酸いも甘いも経験した。きっと、私の人生は、生きることのままならなさを学ぶためにあったのかもしれない。」

主人公「海野雫」のセリフより

ここは、雫が自分の人生を振り返るシーン。
たくさんたくさん一人で頑張ってきた雫。

一人で施設の入所を決め、
一人で最期の過ごし方を決め。

誰に頼ることもなく、
一人でずーっと頑張ってきた雫。

そんな雫を雫自身が受け入れ、労っている姿。
「本当によかったね」と心から思いました。
このシーンで、私の心はぎゅーっと感動しました。


<感想>

この作品は前から存じ上げていましたが、
人生の終末期を描いている作品ということもあり
読むタイミングを選ぶかな、と少し遠ざけていました。

(あまり落ち込んでいるときには読めないかな、と。)

生きるって何だろう、人は死ぬときに何を思うのだろう。
生きていれば誰にでも訪れるその時。

その時になったら、私はどうやって対処すればいいのだろう。
みんな、どうやって対処しているのだろう。

死を迎える本人もそうだし、
それを周りで見守る人たちも
どのように接すればいいのだろう。

どんな問いの答えが記されているような気がして、
少し気分が上向いてきた今、読もうと決心しました。

読み始めるとすらすらと読めて、
2日間であっという間に読み切ってしまいました。

日常の大切さ、当たり前は当たり前じゃないということ。

どんな人の人生もそれはかけがえのないものであって、
それと同時に私たちは私たち自身の人生を
どんな形であれ生きていくしかないのだということ。

そんなことを考えさせてくれる小説です。

今回は図書館で本書を借りて読みましたが、
これは自分の手元に置いておきたいと思った一冊です。

人生に迷った時、生きることに落ち込んだとき。
またこの小説を読み返したいと思いました。


<読んでほしい人>

  • 「生きること」って何だろう?と考えている人。

  • 日常の大切さを改めて実感したい人。

  • ついつい頑張りすぎてしまう人。

  • 小説を読んで暖かい気持ちになりたい人。

  • 自分自身と向き合いたい人。

  • おやつ、お菓子が好きな人。

  • ~のような、~のようにという比喩表現が好きな人。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?