マガジンのカバー画像

2000字のドラマ

60
1500〜2000字のドラマを書いています。 くだらない。たあいもない。でも。それがいい。 そんなドラマになっています。ぜひ。
運営しているクリエイター

記事一覧

もしも。願いが叶うなら。戻らないかな。1秒でもいい。次は。もっと。大切にするから…

忍び寄ってくる足音。 気づいた時には、遅すぎるのかもしれない。 ボクは、ただ、呆然と立ち尽…

はらゆう
2年前
60

なんてマヌケづらで。なんてアホづらで。なんて幸せそうなツラだ。【半開き】

「目が半開きじゃん!」 教室の窓から撮った集合写真。 そこに写っているのは、目が半開きの…

はらゆう
2年前
43

キミと共に。歩みたい。どこまでも。ずっと。キミの温もりを。感じていたい。【崩壊】

完璧に見えたボクらは、いとも簡単に、崩れ去ってしまった。 人間関係というものは、すぐにボ…

はらゆう
2年前
59

どこにあるんだ。幸せは。ここかな。そこかな。あそこかな。 【1cm】

もう少しで、届きそうな気がした。ボクが求めているモノに。 毎日が幸せです。 なんて 胸を…

はらゆう
2年前
72

前を向け。目を見開け。キミは何を見る。何を見たい。その瞳に。【丸】

「よく見えないなぁ」 ボクは、ただ前だけを見ていた。 そして、一点に集中していた。 全ての…

はらゆう
2年前
45

MADE IN DAGASHIYA【10円の体】

「相変わらず、うめぇ」 今日も、ボクらは、河原に寝転がる。 いつも悩みは尽きないけれど い…

はらゆう
2年前
46

キミの手に触れたい。一度だけでいい。ボクの前に。広げてくれないだろうか。【棒立ち】

その手に、触れることは、叶わなかった。 初めて抱いた感情ではないだろうか。 こんなにも、誰かの手に触れたいと思うなんて。 いつも目の前にあって、せわしなく動く手。 テスト時間に鉛筆を転がす手。 眠そうな顔をしながら、あくびを受け止める手。 どこかごつごつしていて どこか落ち着く手。 近くにありすぎて、今まで意識なんてしていなかった。 でも、いつのまにか、その手だけを見つめていた。 こんなにも、その手を欲していて こんなにも、近くにあって こんなにも、届かないなん

1分が永遠に感じた。秒針が止まっているように見えた。【灼熱地獄】

「つめてぇ~。生き返る」 ボクらは、出し切った。 何度も、この場を立ち去ろうと思った。 …

はらゆう
2年前
25

本当の自分。偽りの自分。どれが本物かどうかなんて。分からない。【彫】

ニセモノだったボクが、一瞬だけ、ホンモノになった。 自分とはなんだろう。 誰しもが、一度…

はらゆう
2年前
75

約束だからね。絶対だよ。キミのことを。ボクは。信じてるから。【裏切り者】

どいつもこいつも、裏切り者だ。 約束なんてもんは、信じたほうが負けである。 ヒトは、平気…

はらゆう
2年前
74

穢れなき白。美しいけど。ちょっと。味気ない。【汚れ多き黒】

そして、ボクは、走り出した。この汚れ多き黒と共に。 お日様がポカポカしていて暖かい。 時…

はらゆう
2年前
54

出し切る。持っているモノ。全て。 そしたら。見えてくるよ。目の前に。【白青黄色】

泣くことがないボクの瞳には、うっすらと涙がにじんでいた。 ボクは、1人が好きだった。 な…

はらゆう
2年前
65

ボクが。キミを。好きになったワケ。それはね。えぇっと。あれっ。何だっけ。【謎】

ボクは、なぜ、好きになったのだろう。 誰かを好きになる。 いつの間にか、その人を目で追っ…

はらゆう
2年前
52

近すぎると。見えなくなってしまうんだ。【真っ暗闇】

「だ~れだ」 ボクの視界が暗くなる。 まぶたの上に感じる、温かい手の感触。 その温かさを感じるも、ボクの目の前は、真っ暗だ。 それが手であることは、分かっている。 そんなしょうもないことをするのが誰かも、分かっている。 分かりきったことである。 でも、そんな中で、ひとつだけ、分かったこともある。 それが手であれ、なんであれ、近すぎると、見えなくなってしまうことを。 覆いかぶさったその手に、ボクの手を重ねる。 そして、ゆっくりと、その手をどかす。 目の前には、ど