マガジンのカバー画像

映画

176
運営しているクリエイター

2021年10月の記事一覧

映画「素晴らしき日曜日」をU-NEXTで見ました。ある日曜日、一日だけの話。

映画「素晴らしき日曜日」を見ました。戦争が終わって直後の時代、雄造と昌子、恋人同士のある日曜日、一日だけの話です。デートの待ち合わせから始まるのですが、雄造は最初から鬱屈としています。お金がないからです。あと戦争に行く前に持っていた夢をなくして、現実的になっています。デート中最初こそは鬱々とした態度を示していますが、子供たちの野球に混ざったりして少しは機嫌が良くなりますが、演奏会の安い券をダフ屋に

もっとみる

映画「ドクトル・ジバゴ」をU-NEXTで見ました。時代に翻弄された男の話。

映画「ドクトル・ジバゴ」を見ました。題名の意味は「医者のジバゴ」っことですね。主人公のユーリ・ジバゴは医者です。ユーリ、そしてラーラとい女性を中心に据えて、二人の恋愛を主軸にロシア革命当時の時代を描いている作品です。途中、ナレーションが数回入りますが、ユーリの兄の語りです。語り手はほとんど前面に出ませんが、ユーリの兄なのでしょう。ユーリとラーラという女性の子供を探すところから物語は始まります。探し

もっとみる

映画「シティ・オブ・ゴッド」をU-NEXTで見ました。ある町の凄惨な終わらない時間。

映画「シティ・オブ・ゴッド」を見ました。ブラジルのスラム地域(ファヴェーラ)を舞台に、記者見習いであるブスカ・ペという青年の回想を語り手として、スラム地域の一時の時間、リトル・ゼというギャングのリーダーが力をつけていく過程から、その死までの約20年(60年代、70年代)くらいを描いている。そういう形の表現なので、映像だけで語るのは難しいですね。ブスカ・ペの声で説明が入ります。

実話を元にした原作

もっとみる

映画「七人の侍」をU-NEXTで見ました。予想以上に面白かった。

映画「七人の侍」を見ました。19歳か20歳頃以来の二回目の視聴です。さすが、オールタイムベスト一位にも選ばれることがある映画ですね、面白い。こんなに面白かったのか、と思うくらい面白い。百姓による侍集め、侍たちと百姓の村での日々、野伏との合戦、という3パートに、大雑把ですが分けられます。どのパートも面白い。侍集めのパートは百姓の頼みなんて聞かない侍をどう集めるのかという緊張感、侍集めはどんな侍が来る

もっとみる

映画「どん底」をU-NEXTで見ました。ほぼ一つの場面で展開します。

映画「どん底」を見ました。寂れた長屋とその庭みたいなところのみで物語が展開します。基本的に、長屋に住む登場人物たちの語りで映画は進みます。舞台の劇を見ているような感じですね。場面転換によるダイナミックさや、壮大な物語はないです。声が聞き取りにくいので、いまいち登場人物がどういう人間かわからない点は残念です。ダイナミックな動きがない分、台詞でしか人物理解ができないですからね。よく動く捨吉とかはわかり

もっとみる

映画「アラビアのロレンス」をU-NEXTで見ました。人の心の複雑さ。

映画「アラビアのロレンス」を見ました。ロレンスの心はわかりません。イギリス軍の将校でありながら、出来るだけアラブの部族間の対立を消し、独立させようと尽力しますが、物語の後半になると神がかっていた運もなくなり、アラブの国々を導くはずが、その責任を放棄し祖国に帰りたいと言います。祖国はそれを許さず、大掛かりの作戦(ダマスカス侵攻)にアラブの人々を率いて参加することを求められます。そこでも、アラブの人た

もっとみる

映画「最後の決闘裁判」を見てきた。映像は客観的なのに受ける印象の違い。

映画「最後の決闘裁判」を見てきました。難しい映画でした。三章構成で、騎士である(最初は従騎士)「ジャン・ド・カルージユ」を主とした章、元友人であり最後にジャンと決闘裁判を行うことになる「ジャック・ル・グリ」を主とした章、ジャンの妻であり決闘裁判のきっかけとなった事件の当事者(ジャックに強姦される)「マルグリット」を主とした章。「各章で言っていることが違くなって、誰が真実言っているかわからないという

もっとみる

映画「野良犬」をU-NEXTで見ました。緊迫した場面で流れる、優しい音楽。

映画「野良犬」を見ました。拳銃を盗まれてしまった、新人刑事村上。盗まれた拳銃を探すも、見つからず。盗まれた拳銃で犯罪が行われる。そのことに罪の意識を感じながら、ベテラン刑事の佐藤とともに犯人を追っていく。

物語の解説のナレーションから始まった。なんで、ナレーションなんて入れたのだろうか? 映像で説明できていると思うけれど。村上が銃を盗まれたことを知って、盗んだ人を追っていく場面は迫力があるね。特

もっとみる

映画「テルマ&ルイーズ」をU-NEXTで見ました。女性としての自由を求めて。

映画「テルマ&ルイーズ」を見ました。女性2人(テルマとルイーズ)の週末のバカンスのはずが、テルマを襲った男をルイーズが殺してしまったために、逃走のために旅になってしまう話です。殺人という事実から逃げているのはもちろん、戻ることによって女性の役割に押し込まれる現実や、女性というだけで虐げられる現実からの逃走とも言えます。逃げるというと後ろ向きな感じですが、それは抵抗であり、逃げ切れた時、それは勝利で

もっとみる

映画「悪い奴ほどよく眠る」をU-NEXTで見ました。今の時代と変わらないですね。

映画「悪い奴ほどよく眠る」を見ました。「汚職」を題材とした作品です。「土地開発公団」は90億でできる仕事を、大竜建設に受注させ、キックバックとして30億(実際には15億)得ていた。その事の関連で古谷という男が自殺している。「岩渕(公団副総裁)」「守山(公団部長)」「白井(公団課長)」という汚職に関わる3人を復讐者が追い詰めていく話です。

結婚式(披露宴)から始まるオープニングは斬新ですね(ただの

もっとみる

映画「グランド・ホテル」をU-NEXTで見ました。「グランド・ホテル形式」と言う言葉の由来を求めて。

映画「グランド・ホテル」を見ました。「グランドホテル形式」という、表現技法があります。一つの大きな場所に様々な人々が集まります。その場所で、各々が緩やかにつながり、物語をつむぐ物語形式のことを言います。この映画は「グランドホテル形式」の名前の由来となった作品ですね。「グランドホテル形式」とは何か? その基本形を知るために視聴しました。

ベルリンの超一流ホテル「グランド・ホテル」、そこの宿泊人であ

もっとみる

映画「赤ひげ」をU-NEXTで見ました。連作短編作品のような物語だね。

映画「赤ひげ」を見ました。江戸時代後期享保の頃、小石川養生所に長崎への留学を終えた保本登がやってくるところから始まる。幕府からの辞令とはいえ、幕府の御番医になることを願っていた登にとっては納得いってなく真面目に働こうとしない。しかし、次第に小石川養生所長の赤ひげと呼ばれる新出去定の医療に対する実直さに触れ、次第に小石川養生所で真面目に働くようになる。登は最後は別のところで働くことを勧められるものの

もっとみる

映画「タワーリング・インフェルノ」をU-NEXTで見ました。物作りはお金をかけましょう。

映画「タワーリング・インフェルノ」を見ました。超高層ビル「グラスタワー」の竣工式の日に、配線トラブルによりビルは火事に、消防士たちの活躍によりビルにいた人たちをビルの外に脱出させるまでの話。この火事の原因が、経費削減なのか、ピンハネしたのかダグ(グラスタワーの設計者。今作の主人公の一人)の設計を無視して、グラスタワーのオーナー、ジェームズの娘婿のロジャーが配線を低品質なものにしたことが原因。一応安

もっとみる

映画「DUNE/デューン 砂の惑星」を見てきた。圧倒的な世界観。

映画「DUNE/デューン 砂の惑星」を見てきました。グランドシネマサンシャイン池袋で、大きな画面で見れるIMAXで見てきたよ。原作は20歳頃に読んでます。面白かったということと、環境問題を取り上げていたな、ということ以外は忘却の彼方です。1984年の映画、2000年のテレビドラマなど、他映像作品は観てないです。

素晴らしかった。この作品は私たちが生きている世界の話ではなく、全く架空の世界の話です

もっとみる