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映画「野良犬」をU-NEXTで見ました。緊迫した場面で流れる、優しい音楽。

映画「野良犬」を見ました。拳銃を盗まれてしまった、新人刑事村上。盗まれた拳銃を探すも、見つからず。盗まれた拳銃で犯罪が行われる。そのことに罪の意識を感じながら、ベテラン刑事の佐藤とともに犯人を追っていく。

物語の解説のナレーションから始まった。なんで、ナレーションなんて入れたのだろうか? 映像で説明できていると思うけれど。村上が銃を盗まれたことを知って、盗んだ人を追っていく場面は迫力があるね。特に、逃走が始まる瞬間の俯瞰の絵が印象的。村上が拳銃を売っている人間と会うために、町を歩く場面は結構長い時間とっているけれど飽きない。色々な場面が見れて良いな。村上たちが踊り子の並木に会っているところで、いきなり泣き出して、その周りを他の踊り子たちが囲むようにして歩いている場面や、その並木が嵐の音と共に犯人である遊佐が買ったドレスで踊る場面。並木が遊佐から連絡があったことを村上に告げて、一人残された所を遠くから撮っている場面は孤独感などを伝える。言葉では説明してないのだけれど、意図的なのはわかるので色々考えさせられる。その映像が意図的とわかるほど、視聴者に思考を要求しているような気がする。考えさせられると言えば、村上が並木を捕まえた場面。子供たちが歌う「蝶々」にあわせて、花を映し、遊佐を映す。蝶々の歌詞に遊佐の心情を仮託していることがわかる。遊佐の慟哭についても説明がなく、考えさせられる。遊佐が捕まる前の、村上と遊佐の対峙は緊迫感があるが、バックとしてかかっている音楽は明るい音楽(劇中で弾いている)だった。「天国と地獄」など、黒澤明作品でモノクロのものの後期作品と比べると画面の美しさは劣ります。人の声が聞きづらかった。

物語の展開は今となってはオーソドックスである。いきなり拳銃が盗まれるので、これがどういう物語なのかすぐわかるのは良い(盗まれた拳銃を追う話と)。村上と遊佐は、復員直後に鞄を盗まれている。同じことをされたのに、向かった先は一人は刑事で、一人は強盗と対比の関係にある。佐藤は否定するが、村上は環境が犯罪を生むと言っている。私もそう思うし、昔からそう思う人がいたんだな、と思った。貧困は犯罪を生むと思うが、今の時代でもあまり対策が取れてないと思う。戦後の貧困から生まれた犯罪ということが、ひとつのテーマであろう作品ではあるが、そのテーマは今でも生きていて現代的な視点でも見える。本当は「こんなテーマは古い」と言われるべきテーマなのだと思うのだけれど。バブルの一時期に見たら「古い」と思えたのだろうか? それとも普遍的なテーマなのだろうか? そもそもの遊佐の犯罪を犯した理由も、好きな女性に高額な服を買ってあげること。その女性である並木は「買えないような商品が、見えるところに並んでいるのが悪い」とも言っている。私は悪いとは思わないが、そういう考え方もあるんだね。

きちんと足で捜査していて良いです。偶然、見つかったとかもないですし。並木が最後、遊佐の場所を村上に教えてしまうのは、今までの積み重ねの描写からのものと考えれば納得をいきます。最後、誰が遊佐かわからない状況で、村上が遊佐を見つける過程も論理的です。上述しましたが、いまのなっては物語はオーソドックスですが面白かったです。


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