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映画「DUNE/デューン 砂の惑星」を見てきた。圧倒的な世界観。

映画「DUNE/デューン 砂の惑星」を見てきました。グランドシネマサンシャイン池袋で、大きな画面で見れるIMAXで見てきたよ。原作は20歳頃に読んでます。面白かったということと、環境問題を取り上げていたな、ということ以外は忘却の彼方です。1984年の映画、2000年のテレビドラマなど、他映像作品は観てないです。

素晴らしかった。この作品は私たちが生きている世界の話ではなく、全く架空の世界の話です。数々の惑星を支配する帝国があって、それに従ずる大領家連合という領家たちのがいます(室町時代のイメージでしょうか、絶対的な権力を持っているわけではない将軍家と、領主たちの関係。この映画の帝国は江戸幕府くらいの権力はありそうですが)。この映画に出てくる大領家連合は、砂の惑星(デューン)ことアラキスの支配を帝国から命じられた「アトレイデス家」と、元アラキスの支配者「ハルコンネン家」です。こんな感じで国の名前以外にも専門用語が出てきます。しかし、あまり気にならかったです。でも、苦手な人がいるのもわかります。私は「砂の惑星」、「宇宙の話なのに貴族制の支配者」などなどの設定から、もう期待度が上がっているので、こういう要素に面白さを感じない人があまり乗れないという人の気持ちもわかります。

帝国はアラキスの支配権を「ハルコンネン家」から取り上げて、「アトレイデス家」に渡したにもかかわらず、「ハルコンネン家」と共闘して「アトレイデス家」を潰すんですよね。最初は「なんでわざわざ潰すのに支配権を渡したんだ」と思ったのですが、「アトレイデス家」は力を持ちすぎた故に、アラキスの支配権を渡し移住させることによって国力を一時的に落とし、アラキスをもう一度支配したい「ハルコンネン家」と共闘して、「アトレイデス家」を潰したかったようです。きちんと説明されてないので、「こんな感じかな」という私の予測ですが。説明ないですからね、ここら辺は「三国志」とか、架空のものだったら「銀河英雄伝説」が好きなら予測が立てられると思います。歴史に興味があったことがない人だと辛いかも(だからと言って、面白さが削がれるとは限りません。知っているとより楽しめます)。尺の問題かもしれませんが、たった一人の公爵家の専属医師の裏切りで、敵が近づいていることに気づかない「アトレイデス家」は少しお粗末ですね。あと普通に宇宙船とかが弾丸を撃っているのに、人間同士の闘いは刃物を打ち合わせる闘いになるのでしょうか(銃もあるようなのですが)。身体にバリアを張っているようなのも理由かもしれませんが(どうやら速い攻撃は防げるけれど、遅い攻撃だと貫かれるらしい。だから肉弾戦なのね。公爵暗殺に使われた針のように、ゆっくりした飛び道具もあるらしい)。細いこと言ったら「あんな砂だけの惑星でどうやって生きていくんだ」と突っ込む人もいるかもしれませんが(原作だと結構詳細にきちんと理由を書いてあった記憶があります。細かいことは時間が限られる映画だと難しいですよね)、私が気になったのは最初にあげた2点くらいです。

主人公、アトレイデス家公爵の子ポールは、アトレイデスの次期当主なのはもちろん、運命の子で未来が見えちゃうんですよね。その未来では、ポールが殺されたりします。気になりますね。先が見たくなる。ポールの母親がベネ・ゲセリットという帝国を裏から操る女性だけの組織の所属で、その人たちは声で人を支配できます。ベネ・ゲセリットは「過去と未来をつむぐ『クウィサッツ・ハデラック』」の出現を目標としています。ポールはどうやらその「クウィサッツ・ハデラック」のようです。こんな設定見たら楽しくなっちゃいますね。ストレートすぎて今の作品だとできないかも。

アラキスで採れる香料が「ハルコンネン家」に莫大な富を与えていました。アラキスには先住民族「フレメン」がいます。そして、巨大生物サンドワームもいます。「フレメン」という存在は物語に複雑性を与えていていいですね。この点も設定だけで、楽しくなります。眼が青いというのも、注目のポイントです。

物語は前半が「アトレイデス家」やポールのことを語りつつ、デューン(アラキス)へ、中盤はアラキス探索と、帝国と「ハルコンネン家」が「アトレイデス家」を攻めるまで、後半はポールとその母ジェシカの逃避行という構成になってます。ひとつひとつのパートは充実した内容でしたが、実際の時間はそんなに長くなかったのかもしれません。

テーマはなんなんでしょうね。小説なら今でも覚えている「環境問題」だと思うのですが、映画だとアラキスの厳しい自然を生きるためのスーツが自分たちが吐き出した涙や汗など液体を、水分として再び身体に取り込めるという点は「環境問題」のひとつかと思いますが、映画だけ見ると一設定という感じでテーマではないですね(というか、砂漠の惑星だから水が大切なのは想像すればわかるけれど、映画でその点をそれほど強調していない。なので、このスーツの設定だけでは原作見てないとテーマ性があるかどうかの前提さえ、思い浮かばないだろう。その点は少し残念かも。教条的にはなるが、そこは見せてほしかった)。未来が見える時、人は何を思うのか。と言っても、この映画だとポールが見た未来の出来事はまだおきてませんので、そんなに葛藤も感じなかった。単純に宇宙を舞台に、国と国の陰謀を描きたかったのかもしれません(うーんでも、これは原作者の考えかも)。映画を作る人たちが、原作が1960年代のこの映画を今作るにはどういうテーマを現代的だと考えたのでしょうか。砂の惑星という過酷な、世界に生きる人間を描きたかったのかもしれません。二部作の一部らしいので答えが出ませんね、完結しないと、明確にこれだろうというテーマを見つけるのは難しいかと思います。

本当面白かった。SF的な設定から考える面白さと、国取り物語的な面白さ。「ハルコンネン家」に関しては、最初から「アトレイデス家」を襲う雰囲気出していましたしね。対立の予感。未来視ができるポール。運命の子であるポール。彼がどうなるかが楽しみでもありますね(強いキャラクターづけはしてなかったです)。ポールたちは最終的に「フレメン」に会いにいくのだけれど、「フレメン」たちに対しても対立の予感がありますよね。前半は説明的でもあるので、上記の期待感で見てましたね。物語として前半だけ取り出すと、それほど面白いというわけでもないです。中盤はやはり、戦闘場面がありますからね。見ているだけで面白い。後半は、ポールとジェシカの逃避行は楽しませてもらいました。SFだったら設定の説明だけで前半30分くらいは説明的でも楽しめるな(と言いつつ、この映画では前半にポールの修行という飽きない展開があるけど。あと香料運びに失敗して、アトレイデス家の人たちが香料採取の人たち、採取のメカから助けるところとかは、楽しめたね。世界観の説明があり、専門用語がバンバン出てくる作品なのに、なんでこんなに楽しめるかは考えないとね。ビジュアルが良かったのもあるかも。

IMAXのでかい画面は良かったです。映画全編IMAXサイズで作っているわけでもないのね。大きい画面の方が迫力があるのはわかるけれど、高いお金を出してIMAXで見なくても良いかな、とも思いました。他の人の感想見ると、没入感が違うというね。普通の劇場サイズで見てないから、比べてみないとわからないね。

この映画人気になってほしいな。不人気だと続編を作るか怪しい。みなさん、すごく面白いから見てください。続編は、ポールによる「アトレイデス家」再興、「ハルコンネン家」「帝国」を没落させる展開かな、デューンの謎を追いつつ。ポールの活躍はこれからですね。今回は、プロローグという感じです。

途中で終わるのが気になる人もいるらしい。私は続編があるかどうかは知らずに見に行ったけど、「あの原作を一作で終わらすの無理だろう」と思って見たので気にならなかった。というか、「ここで終わりかな。あっ、まだ続くんだ」と思いながら見ていた。

実写映画で久しぶりにパンフレットを買っちゃいました。


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