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映画「どん底」をU-NEXTで見ました。ほぼ一つの場面で展開します。

映画「どん底」を見ました。寂れた長屋とその庭みたいなところのみで物語が展開します。基本的に、長屋に住む登場人物たちの語りで映画は進みます。舞台の劇を見ているような感じですね。場面転換によるダイナミックさや、壮大な物語はないです。声が聞き取りにくいので、いまいち登場人物がどういう人間かわからない点は残念です。ダイナミックな動きがない分、台詞でしか人物理解ができないですからね。よく動く捨吉とかはわかりますが。

長屋にいる人々の紹介、長屋の人々を理解する巡礼の嘉平の登場、捨吉によるケンカからの殺人、エンディングと続きます。物語的なものがあるとすれば、捨吉と長屋の大家の妻お杉、捨吉が好きなお杉の妹のかよとの三角関係のみが動きを伴う展開としてあります。嘉平は長屋にほんの少しの混乱や希望を与えるトリックスターみたいな役割でしょうか。かよが姉に暴力を受けている時、助けもせずに消えてしまいました。いい人だと思ったのに、人の不思議さ理不尽さを感じますね。残りの人たちは、語りによって自分達の境遇を語ります。飲み食いばかりしている人や、賭け事ばかりしている人、夜鷹などその日暮らしの登場人物たち。人生を諦めてしまった人や、適当に楽しく生きている人たち、おそらくそんな人たちを描くのがテーマであって、捨吉のエピソードは物語として見ている人を飽きさせないように、物語的なものを作っているだけでしょう。もちろん、捨吉やかよの境遇もまた、「そんな人たちのエピソード」でもありますが、最後は楽しく踊って終わるかと思いきや、長屋に住んでいる役者(映画内の役割)が自殺して、喜三郎は「せっかくの踊りをぶち壊しやがって」と吐き捨てて終わります。死すらもちょっとした楽しいことの妨げでしかないのでしょう。捨吉とかよのエピソードで、嘉平はかよに言いよる捨吉とともに逃げることを進めます。かよは捨吉に対して「好きかどうかわからない」と言います。嘉平のようにいい人っぽい人でも、当時の考え方として、女性は男についていくものと考えているようです。かよは捨吉が殺人を犯した時、庇いもせずお杉と捨吉が自分を陥らそうとしていると、訴えます。かよはきちんともの言える人として描かれてますね。

遠景がデフォルトと撮り方だと思うので(演劇的な演出だったからかも知れませんが)、急にカメラが人によるとびっくりしちゃいますね。何か意味があるのかと思ってしまいます。

壮大な物語があるわけでもないので、私はすごく楽しめたわけではないです(音が聞き取れたら、また違ったかも。字幕で見たい)が、寂れた場所に住むも楽しく生きている人たちを見るのはいいですね。最初は、この長屋に馴染んでなく長屋からすぐ出ていくと言っていた、留吉が最後の方では長屋を気に入っているのは、変化があっていいですね。


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