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サウジアラビアとハーフの子を妊娠。イスラム教の悩みいろいろ

サウジ夫と結婚して約2年。

とてもありがたいことに第一子を授かることができました😌

夫とは結婚した時から子どもがほしいと話していたので、本当に嬉しいです。

恵んでくださった神様に感謝です。


出産予定日が4月16日なので赤ちゃんに会えるまであと1ヶ月ちょっと。

すごく楽しみです。


ただ、楽しみな反面、この生まれてきてくれる赤ちゃんはサウジアラビア人とのハーフになるので、宗教上の不安や悩みも多くあります。

今回は今現在私が抱えている悩みをNoteにまとめようと思います。

(もう数ヶ月後には生まれてこの悩みも解決されているかもしれませんが、私の日記のような感じでお読みいただければ幸いです)


サウジアラビア人とのハーフの子を産むにあたって今どうしようか悩んでいることは3つです。

  • 妊娠中のラマダン断食

  • 分娩先の病院食がハラールじゃない

  • 産後の割礼

一つずつお話します。


まず1つ目は妊娠中のラマダンについて。

「ラマダン」とはイスラム教徒が1か月間、日中に断食をする月のことで、信仰をより深めるためのとても神聖な期間です。

私もサウジ夫と結婚してイスラム教徒になってからはラマダンを毎年行なっています。

ラマダンは毎年あるので、今年2024年ももちろんあり、今年は3月10日ごろから始まると言われています。
(ラマダンの開始日は三日月の見え方によって決まるので正確にはその日にならないとわかりません)


ただ、今年の私は例年と違います。

お腹に赤ちゃんがいます。

ラマダンが始まる頃には妊娠後期の35週目。

妊娠していない状態なら日中に断食をしても体に害はなく、むしろデトックスされていい感じなのですが、今回は違います。


赤ちゃんにしっかり栄養を届け健康に成長してもらうためには、日中も飲食が必要なのではないか・・・?

妊娠で血液量が増えている私の今の身体では、食べ物ならまだしも、水まで飲まなかったらフラフラして倒れてしまうのではないか・・・?

などなど色々心配になります。


お医者さんや周りの人に聞くと、妊娠後期は非妊娠時よりカロリーを多く摂ろう、水分は十分に取ろう、と飲食を推奨されます。

私の母に聞いても妊娠中は栄養が必要だよ、授乳中もね、と言われます。

世界各国のイスラム教徒の妊婦さんはどのようにラマダンを過ごしているのだろうか・・・。


私は日本に住んでいるため、周りにイスラム教の人は夫しかおらず、夫も男性なので妊娠中のラマダンについてはよく分かっていません。

仕方ないのでまずはネットで調べてみました。

ネットの情報によると、妊婦さんはラマダンの断食をする人もいればしない人もいる。ケースバイケースのようです。

自分がやりたければ(又はできそうであれば)やる、厳しそうであればしない、というように個人の判断になるそうです。

身体は人それぞれ違うため、必ず大丈夫や絶対にダメというのではなく、自分次第という感じです。

なるほど、私の判断になるのか・・・。


しかし私は、ネットの情報だけで自分で判断するのは少し怖いし不安です。

なので、サウジ夫のお義姉さん(すでに2人の子を産んでいる)に妊婦のラマダン期間中の断食について聞いてみることにしました。

お義姉さんからはこのような答えが来ました↓

私は妊娠中にも断食をしていたよ。
イフタール(日没後の食事)とサフール(日の出前の食事)にしっかりと栄養や水分を摂ることが重要だよ。
特にタンパク質やビタミン、葉酸。
神様がついているから大丈夫。


お義姉さんがおっしゃる通り、ラマダンは一切飲食ができないわけではありません。

日中は断食しますが、日が出ていない時間(日没から日の出まで)は普通に飲食が可能です。

なのでその食べてもいい時間にしっかりと栄養を取れば赤ちゃんも私自身も栄養不足にならないということです。

食べる時間が変わるだけで量はしっかりと取れます。

(もちろん病院の先生にしっかり相談した上で行うのがベストです)


そして私はありがたいことに産休に入ったのでちょうど仕事もありません。

特に予定がなければ昼間はずっと寝ていることができるし、喉が渇いてすごくしんどくなることもないと思います。

(昼夜逆転みたいになってしまいそれはそれで身体に大丈夫なのか心配でもありますが・・・)


とういことで、1番身近なイスラム教徒であるお義姉さんからのアドバイスを参考に、私もラマダン期間中に断食をすることにしました。

もちろん赤ちゃんや私の健康が第一なので、やってみて少しでも良くなさそうだったら中断します。


これを聞いてそんなに無理しなくてもと思う方もいらっしゃると思いますが、正直私は今年もラマダンに断食ができると聞いて少し安心しています。

なぜなら妊娠でラマダン中に断食をしない場合、後からその断食できなかった日数ぶんを別の日にやらないといけないからです。

別の日にやるということは一人でやるということ。

一人で1ヶ月の断食はかなりきついです・・・。

なので、できるのであれば夫が断食をするタイミングで一緒にやりたいです。

また、断食は大変と思われがちですが、結構楽しいです。

断食の時間が終わって夫と一緒に食べるご飯は本当に美味しく感じられるし、食べられることへ感謝の気持ちでいっぱいになります。

空腹時間が長くなる分、お腹の中もスッキリして身体も気持ちも軽くなります。デトックス!

これをサウジアラビアのような国全体でみんなが断食をする国でやったらもっとお祭りみたいで楽しいんだろうなと思います。(実際にサウジアラビアではラマダンはすごく楽しいイベントのようです)


第一子の妊娠ですべてが初めてなので、どうなるかわかりませんが、今年もできる範囲でラマダンを楽しみたいと思います。


2つ目に私が心配なことは、出産後に入院する際の食事がハラール対応ではないことです。

イスラム教徒は「ハラール」というイスラム法で許可された食べ物でないと食べられません。

例えば豚肉やアルコールはハラールではないため食べません。
また、牛肉や鶏肉などもイスラムの決まったやり方で処理をされていないとハラールではないため食べられません。

イスラム教の私たち夫婦は、このハラールに対応した食べ物しか食べられないので、レストランに行く時はハラール対応なのかを確認したり、家で料理をする時はハラールフードを販売しているお店から購入したお肉を使っています。

サウジアラビアやマレーシアのようにイスラム教徒の多い国でしたら、ハラールフードが当たり前のように売られているので問題ないのですが、日本ではなかなか難しいです。

だいぶ慣れては来たものの、まだまだ苦労しています・・・。


そしてこの度、私は出産をします。

出産後には、分娩先の病院で5日ほど入院することになり、そのときに病院食が出されます。

私の分娩先は普通のクリニックなのでハラールに対応した食事が提供されるわけではありません。

病院食までは私の頭が回っていなかったです。

分娩先の病院を探すときに気づいていれば、ハラール食がある病院を選んだと思いますが、気づいたときにはもう妊娠後期。

また、私が今回分娩先として選んだクリニックは私が生まれた場所でもあります。
私のお母さんが私を産んでくれた場所で私もお産ができるなんて素敵!と思いこのクリニックを選んだので、ここで産みたいという思い入れが強いです。


いちおう先日の健診で先生にハラール対応の食事が可能か確認してみました。

肉が使われていなければ食べられるので、魚や卵はOK。魚料理メインの食事が可能か聞いてみました。

しかしやはり、難しいとのこと。
家族に食べられる食べ物を持ってきてもらってほしいと言われました。

そりゃそうですよね。

肉を使わないとなると、コンソメや鶏がらスープもダメ。
ゼラチンもダメ。
使えないものが多いです。
また、まな板や包丁を分けたりするのも大変。
私だけのために別料理を作るのはとても面倒だと思います。


来週、妊婦健診があるのでそのときに白米やフルーツなど食べられそうなものだけ出してもらうことは可能か確認して、その他のお肉を使うメニューの日はお母さんに食事を作って持ってきてもらおうと思います。

お母さんに手間をかけてしまうことになるのですごく申し訳ないですが、お母さんが近くにいてくれることは本当に心強くてありがたいです。

お母さんに、そしてこの恵まれた環境を与えてくれた神様に本当に感謝です。

Webサイトでこのクリニックの食事を見るととても美味しそうなので食べられないのは残念ですが、退院したら美味しいレストランに行くことができるし、これもイスラム教徒としての一つの試練だと思い頑張ります。


3つ目に、私がサウジ夫との子を産むにあたって心配なことは「割礼ができるかどうか」です。

割礼とは、男性器の包皮を切りとる儀礼のことで、ユダヤ教やイスラム教では習慣的に行われています。

サウジ夫いわく、サウジアラビアでは男性はみんな赤ちゃんの時に割礼をやっており、割礼をしていないと成人になった時に正式なイスラム教徒になれないそうです。

赤ちゃんのうちにやったほうが痛さを感じにくいので、サウジアラビアでは生まれたらその場で割礼をやってくれる病院もあるそうです。


あと数ヶ月後に生まれてくる私たちの子は、男の子。

男の子ということは割礼が必要になります。

私は自分が妊娠するまで「割礼」という言葉すら知らなかったですが、そもそも日本で割礼はできるのだろうか・・・?

夫は保険適用じゃなくてもいいから割礼だけはやらないといけない、と言っています。


ということで、とりあえず出産する病院でできるのか確認してみました。

回答は、できない。

そうですよね。割礼は日本ではあまり知られていないので、普通のクリニックでは対応が難しいと思います。


割礼は乳児の包茎手術になるので、家から近い泌尿器科や小児科で探そうと思い、10件ほど電話をしてみたのですがどれもやってないとのこと・・・。

家から1番近いイスラミックセンター(イスラム教の施設)にもメールで問い合わせをし回答待ち。

いろいろ調べてみると、東京や京都など私の家から離れた場所であればできそうなので、近くでできなさそうだったら赤ちゃんが産まれた後に連れて行って割礼をやってもらおうと思います。

日本はイスラム教徒が多い国ではないので、このような宗教的な儀式をするのはなかなか大変ですね。

でもイスラム教徒がゼロというわけではないので何か方法はあるはずです。

いろいろ調べたり聞いたりしながら割礼を完了したいと思っています。


いろいろ書いたように、日本でイスラム教徒の子を産むとなると考えることがいっぱいです(汗)

でももう数ヶ月後には産まれていて、ラマダンも入院中の食事も割礼も、すべて終わっているんだろうな〜と思います。

これらの悩みについては実際にどんな感じだったのか、どう解決したのかをまたこのNoteに書いていこうと思います。


とにかく、赤ちゃんが私たちのもとに来てくれたことはとても恵まれたことで本当にうれしいです。

感謝してもしきれません。

まずは無事に元気な子が出産できるように頑張ります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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