おかしあそび考古学者ヤミラ

お菓子を使って、難しいものと人をやわらかくつなぎます。 縄文・弥生・古墳など、考古学を…

おかしあそび考古学者ヤミラ

お菓子を使って、難しいものと人をやわらかくつなぎます。 縄文・弥生・古墳など、考古学を中心に、ちょっと難しい内容をお菓子に変換して伝える活動をしています。 代表作品は土器片形クッキー「ドッキ―」。考古学の難しい世界をお菓子で伝えていきます。

記事一覧

竪穴式住居モンブランで弥生時代の集落をつくる

史跡公園などにある、縄文時代や弥生時代の復元住居。 「なんかモンブランに似てるな?」 と思ったことがある人もいるでしょう。 そんな思いを表現したく、先日5月18日…

ステラおばさんのクッキーを全部食べくらべてみた

毎月9の付く日は、量り売りクッキーが10枚590円ということで、ステラおばさんの量り売りクッキーを全部買ってきました。 実はずっと昔に一種類食べただけで、ステラおばさ…

中学生と一緒に土器片クッキー「ドッキー」を本気で作ってみた

「ドッキーワークショップ」とはなにか?わたしの代名詞的作品、土器片形クッキー「ドッキー」。土器片を模したクッキーのことで、かれこれ10年以上、ドッキーを作るワーク…

毎日小学生新聞「あそんでたべよう」の連載を終えて

2022年の4月から、「毎日小学生新聞」で月に一回連載をもたせていただいていただいていましたが、この3月で連載を終了することになりました。 見開きスペースで毎月楽しく…

\祝・北陸新幹線延伸/「ストーンパフェ」に小松の石の物語を詰め込む

北陸新幹線小松駅開業! 2024年3月16日、北陸新幹線の金沢-敦賀駅間が開通した訳ですが、停車駅となった小松駅でも開業お祝いイベントが開催されました。 そこに私も呼ん…

「ウルシングクッキー」で縄文の漆デザイナーになる

先日、八戸市にある是川縄文館で、またまた考古学をテーマにしたお菓子作りワークショップを実施しました。 是川縄文館って? 是川縄文館についての説明は、以下の通り。…

厚木の有孔鍔付ドッキー(土器クッキー)と博物館における対話型観察のその後

2月27日、あつぎ郷土博物館の開館5周年記念イベントのひとつで、講師に呼んでいただきました。 内容は、私の恒例ワークショップ、土器クッキーの「ドッキー」づくりです…

「ほねっこどうぶつクッキー」をつくろう!〜初めての対話型観察をやってみた〜

おかしあそび考古学、初めて「動物骨」のお菓子化に挑戦! いつもの「観察→真似する→食べる」を基本とするプログラムですが、今回の個人的な挑戦の目玉は、どう「対話型…

1500年間の暮らしを詰め込んだ「貝層パフェ」

青森県七戸町にある「二ツ森貝塚」というところに呼んでいただいて、パフェ作りのワークショップをしました。 二ツ森貝塚は、2021年にユネスコの世界文化遺産に登録された…

「チョコスポンジ葺き竪穴住居ケーキ」は燃えるとどうなるか

お菓子作りを通してガチの考古学研究に触れてみよう!というシリーズの記事を書いてみます。(シリーズと言ってもこれが第一回目です。) 今回扱う論文はこちら。 村本周…

竪穴式住居モンブランで弥生時代の集落をつくる

竪穴式住居モンブランで弥生時代の集落をつくる

史跡公園などにある、縄文時代や弥生時代の復元住居。

「なんかモンブランに似てるな?」

と思ったことがある人もいるでしょう。

そんな思いを表現したく、先日5月18日に、横浜市歴史博物館でこのお菓子を作る参加型のイベントを行いました。

参加者は、小学校中学年を中心にした子どもたちとその保護者、大人の女性の方で、全員で10名でした。

参加費は約3000円と、決して安くはないにも関わらず、たくさ

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ステラおばさんのクッキーを全部食べくらべてみた

ステラおばさんのクッキーを全部食べくらべてみた

毎月9の付く日は、量り売りクッキーが10枚590円ということで、ステラおばさんの量り売りクッキーを全部買ってきました。

実はずっと昔に一種類食べただけで、ステラおばさんのクッキーの全貌をよく知らなかったのですよね。

せっかくなので、スケッチとコメントを記録しながら実食しました。

以下、一枚ずつ写真入りでご紹介します。

1.オールドファッションシュガー

王道の間違いないバタークッキー。

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中学生と一緒に土器片クッキー「ドッキー」を本気で作ってみた

中学生と一緒に土器片クッキー「ドッキー」を本気で作ってみた

「ドッキーワークショップ」とはなにか?わたしの代名詞的作品、土器片形クッキー「ドッキー」。土器片を模したクッキーのことで、かれこれ10年以上、ドッキーを作るワークショップを全国各地で実施させていただいています。

旧Twitterでバズり、それをきっかけに、博物館や埋蔵文化財センターでのワークショップへとつながっていきました。

バズった当初の流れは以下にまとまっています。
「どちらがホンモノ!?

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毎日小学生新聞「あそんでたべよう」の連載を終えて

毎日小学生新聞「あそんでたべよう」の連載を終えて

2022年の4月から、「毎日小学生新聞」で月に一回連載をもたせていただいていただいていましたが、この3月で連載を終了することになりました。

見開きスペースで毎月楽しく企画・執筆をさせていただきました。読者の皆さん、編集部の皆さんに心よりお礼申し上げます。

はじまりはコロナ禍の「おうちじかん」

実は、この連載が始まるきっかけになったのは、実はコロナ禍の緊急事態宣言の、いわゆる「おうちじかん」な

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\祝・北陸新幹線延伸/「ストーンパフェ」に小松の石の物語を詰め込む

\祝・北陸新幹線延伸/「ストーンパフェ」に小松の石の物語を詰め込む

北陸新幹線小松駅開業!

2024年3月16日、北陸新幹線の金沢-敦賀駅間が開通した訳ですが、停車駅となった小松駅でも開業お祝いイベントが開催されました。

そこに私も呼んでいただき、小松市の歴史や文化をテーマにしたお菓子作りワークショップの講師として協力させていただきました。

石と小松は切っても切り離せない

まずは小松市の弥生土器のかけらと、小松市が誇る重要な石材をお菓子にして展示。この「石

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「ウルシングクッキー」で縄文の漆デザイナーになる

「ウルシングクッキー」で縄文の漆デザイナーになる

先日、八戸市にある是川縄文館で、またまた考古学をテーマにしたお菓子作りワークショップを実施しました。

是川縄文館って?

是川縄文館についての説明は、以下の通り。

「八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館は、隣接する是川遺跡や風張1遺跡などを通して東北地方の優れた縄文文化を発信し、埋蔵文化財の積極的な公開活用と適切な保存管理を図る施設として建設されました。」(是川縄文館HPより)

主役は国宝「合

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厚木の有孔鍔付ドッキー(土器クッキー)と博物館における対話型観察のその後

厚木の有孔鍔付ドッキー(土器クッキー)と博物館における対話型観察のその後

2月27日、あつぎ郷土博物館の開館5周年記念イベントのひとつで、講師に呼んでいただきました。

内容は、私の恒例ワークショップ、土器クッキーの「ドッキー」づくりです。

1.厚木市林王子遺跡出土のふしぎ土器

モデルにしたのは、厚木市の林王子遺跡から出土した「有孔鍔付土器(ゆうこうつばつきどき)」(口の部分に穴と鍔のような突起がめぐっている土器)です。

この「有孔鍔付土器」、実はどのように使われ

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「ほねっこどうぶつクッキー」をつくろう!〜初めての対話型観察をやってみた〜

「ほねっこどうぶつクッキー」をつくろう!〜初めての対話型観察をやってみた〜

おかしあそび考古学、初めて「動物骨」のお菓子化に挑戦!

いつもの「観察→真似する→食べる」を基本とするプログラムですが、今回の個人的な挑戦の目玉は、どう「対話型」の観察にしていくかでした。

結果は、対話型に関しては、あんまりうまくできなかったというのが結論です。

でも、好評いただけたので、失敗のポイントも含めて流れをここにまとめてみます。

実施日は、2023年12月23日。
場所は、沖縄県

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1500年間の暮らしを詰め込んだ「貝層パフェ」

1500年間の暮らしを詰め込んだ「貝層パフェ」

青森県七戸町にある「二ツ森貝塚」というところに呼んでいただいて、パフェ作りのワークショップをしました。

二ツ森貝塚は、2021年にユネスコの世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」を構成する遺跡のひとつです。

この貝塚のすごいところは、貝の堆積を順番に観察すると、縄文時代前期〜中期の「海進・海退」という時期をまたがって利用されたことがはっきりわかるところ。

縄文時代には、気候が

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「チョコスポンジ葺き竪穴住居ケーキ」は燃えるとどうなるか

「チョコスポンジ葺き竪穴住居ケーキ」は燃えるとどうなるか

お菓子作りを通してガチの考古学研究に触れてみよう!というシリーズの記事を書いてみます。(シリーズと言ってもこれが第一回目です。)

今回扱う論文はこちら。

村本周三・高田和徳・中村明央2006「岩手県御所野遺跡における竪穴住居火災実験」『考古学と自然科学』第53号
→オンラインアクセスはコチラ

まずは、この一枚の図面から。

これは何かというと、発掘された縄文時代の竪穴住居跡(上は残っていない

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