大石裕子

私が感じたことや体験したことの感想などをつづっていきます。また、小説についても。 よろ…

大石裕子

私が感じたことや体験したことの感想などをつづっていきます。また、小説についても。 よろしくお願いします。 メールアドレスはoishiiyuko@gmail.comです。

最近の記事

若林さんの深い愛

なんとなく、若林さんからは深い愛を感じる。 なんなんだろう。こういう人っているんだよな。 暴言を吐いているのに、そこには愛情がたっぷり入っているのが感じられる。 高校の時の友達にもいた。 ものすごく口が悪いんだけど、私への愛が感じられて、だから私はその子が大好きだった。 でも、その愛に気づけなくて、その子を嫌ってる子もいた。私は、こんなにも愛情が詰まっているのにな、と思ったものだった。 その友達と同じものを、若林さんに感じるのだ。若林さんは、人を大切にする人だと思う。熱

    • オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム

      オードリーのオールナイトニッポンin東京ドームを見に行った。 まだまだ時間は早かったけれど、やることもないのに水道橋へ。でも、ついた頃にはたくさんの人が来ていて。 こんなにもオードリーのラジオを聴いている人がいるのだなぁと、感動を覚えた。グッズも欲しかったんだけど、並んで買うには時間が持たないような気がして、ガチャガチャだけ回した。 並ぶまで東京ドームの周りを散策している間も、ラスタカラーのヘアバンドやオードリーのパーカーを着ている人たちに多く遭遇して、一般のお客さんと出

      • 「アメリアの花」第12話

        第十一章 その後  今日はこれから出かける予定がある。 たくさんの人が出席するパーティに、僕が呼ばれたからだ。僕の絵を買ってくれている人が主催でパーティーを開くため、来たらどうかと誘われたのだ。しかし、知っている人がおそらく、主催者しかいない。パーティーに行くのはいいが、人がたくさんいるところはどうも苦手だ。 そんな時、つまり僕は緊張してしまうときや人生を左右するような出来事がある時は特に、必ず持っていくと決めているものがある。それは、あの日手に入れた宝物。いろんな色に変化

        • 「アメリアの花」第11話

          第十章 僕の世界へ ~新たな始まり~ 扉を通り、見慣れた部屋へと帰ってきた。僕はすぐに振り返ったが、紗雪の笑顔を見たのを最後に、扉はスッと消えてしまった。  僕は放心状態で、今まで起きていたことを頭の中で反芻していた。 ……本当に現実に起こったことだったんだよな……? ぐるりと部屋を見渡すと、間違いなく僕は、僕の部屋にいる。 ……ハッとして、バッグから定期入れを出し、写真を確認する。 みっちゃんは写ってない。ここはタンポポの世界だ。間違ってはいない。  僕は机に近づくと、引

        若林さんの深い愛

          「アメリアの花」第10話

          第九章 ここはどこ? 「目を開けてみて。もう、大丈夫だから」  ……ゆっくりと目を開ける。 すると、目の前には不思議な空間が広がっていた。ピンクのドーム状の壁に、机と椅子だけが並べられており、その椅子の一つには……僕が座っていた。 まぎれもない、僕。選んでいる服も同じで、まるで、鏡を見ているような、そんな感じだ。 「僕……もしかして、アメリアの世界の?」僕は思わず僕に駆け寄った。 「アメリアの世界?」紗雪が何を言っているの? というような顔をして首を傾げる。「……あぁ、アメ

          「アメリアの花」第10話

          「アメリアの花」第9話

          第八章 紗雪現る 僕はすぐさま一階に降りると、テラスを確認した。 僕が作った椅子は? ……あった。 アメリアの僕も、こっちの世界で僕と同じように椅子を作っていたんだ。目の前には、いびつな形の椅子が一つ、置かれていた。僕が作ったものではないけれど、アメリアの僕が作ったもの。 ふっと笑みがこぼれる。 あっちの僕も、椅子づくりに関してはあまり僕とは違いがなかったようだ。 試しに座ってみると、僕が作ったものと同じようにカタカタ揺れる。もちろん厳密には僕が作ったものではないけれど、ほ

          「アメリアの花」第9話

          「アメリアの花」第8話

          第七章 僕自身を知る やっぱり……アメリアの世界に来ているんだ。すぐに定期入れを探す。 カバンから定期入れを取り出すと、その写真にはみっちゃんが写っていた。 いつ、入れ替わったのだろう。電車に乗ってノートを書いているときは、確かに僕のタンポポの世界のノートに書いていた。表紙には「タンポポの世界の僕へ」という文字が書いてあったことを覚えている。 学校へ行く間も、タンポポの花が咲いていたのは知っている。朝の時間だって、特に変なところはなかった。僕の世界にいるはずの杉原さんが友達

          「アメリアの花」第8話

          「アメリアの花」第7話

          第六章 もう一人の僕との会話 目が覚めた。僕は起き出すと、すぐにバッグに入った定期入れを確認した。 みっちゃんが、写真から消えていた。 ……タンポポの、僕の世界だ。 どうやら寝ている間に元の世界に戻ってきたようだ。 紗雪は『やっと気づいたの』と言っていた。やはり、いつの間にか世界が入れ替えられているようだ。 ……それなのに僕は気づかなかった……。それを再び思い出した僕は少し落胆した。……でももう大丈夫。僕にはこの写真があるのだから。 もう同じ手には乗らないぞ。……覚えていろ

          「アメリアの花」第7話

          「アメリアの花」第6話

          第五章 何度繰り返したら  次の日もその次の日も、タンポポの花やクラスメイトに注目して生活していった。もちろん、道端であの女に出会うことがあるかもしれないので、注意深く歩いてもいた。  しかし結局それ以降、アメリアの世界に行くことはなかった。  おそらく、ではあるが。 そしてさらにそこから一か月ほど過ぎたころ。僕はまたいつものようにギリギリの電車に乗って高校へと向かっていた。 いつもの日常に戻ってしまえば、どんな悔しかったことも忘れて日常に戻ってしまうもの。紗雪のことも再び

          「アメリアの花」第6話

          「アメリアの花」第5話

          第四章 いつもの日常  あの時の決意は、五日を過ぎるころには消えてしまった。あの女は現れないし、タンポポはタンポポのままで変わることもなかったからだ。 もう自分の世界に戻れたし、もうあの女も現れないだろう。自分の中でそう結論付けたのだ。  さらに十日が過ぎるころには、あの時のこともあまり思い出さなくなっていた。いつもの日常が戻ってきたのだ。 今日も学校に行くために電車に乗った。電車を降りて学校に行き、数分ではあるが先生が来るまで机に突っ伏す。 「おーい、上神~」加藤の声が聞

          「アメリアの花」第5話

          「アメリアの花」第4話

          第三章 二つの世界 周りを見渡してみると、さっきの空き地に戻っていた。あんなに咲いていたアメリアの花はもうない。しかし、その代わりに咲いていたのがタンポポの花。 元の世界に戻ったのかもしれない。僕が連れられる前の、あの世界へ。見回してみても、そこにあるのはタンポポだけで、女の姿はどこにもなかった。 ゆっくりと、もと来た狭い道を通って大きな道へ出る。 また、日にちや時間は変わっていないだろうか。もしかしたら、時間が違っていたりするかもしれない。そう考え、カバンの中からスマホを

          「アメリアの花」第4話

          「アメリアの花」第3話

          いつのまにか寝ていたようだ。目が覚めると、陽はもうとっくに暮れていた。いつの間にか弟の浩太も帰ってきているようだ。 浩太は野球をやっている。今日は始業式の後に練習があると言っていた。もちろんこれは僕の世界の話である。この世界でも、あいつは野球をやっているのだろうか。そんなことが気になって、急いで起き上がり、部屋を出た。一階に降りると、母さんと鉢合わせする。 「あら、やっと起きてきたのね。一回声かけたんだけど、全然起きなかったわねぇ。ぐっすり寝てたのね」 「あ、あぁ。あれ、浩太

          「アメリアの花」第3話

          「アメリアの花」第2話

          第二章 僕の世界……?   しばらく経つと、徐々に目が慣れていった。少しずつ目を開けて周りを見渡してみる。するとそこは、僕らが初めに穴に入った場所だった。行き止まりで塀があって、その上には緑が茂っている……。 「えっ? 一体どうなって……」 「着いたから。じゃあ、またね」 彼女はそう言うと、そのまま走り去ってしまった。彼女を追いかけて問い詰めることもできたのだけど、身体に力が入らない。あれだけ走って疲れたのもあるが、それ以上に訳の分からなさが僕を動けなくしていた。 夢なのか?

          「アメリアの花」第2話

          「アメリアの花」第1話

          第一章 突然の出来事 僕の名前は上神達也、十七歳。今日は始業式で、ついに高校生最後の年を迎えた。 今日もいつもの電車に乗って、数週間ぶりに学校へ向かっている途中だ。  僕が乗る電車内には同じ学校の制服を着ている学生や、スーツを着たおじさん、化粧をしているOLや私立に通う子供など、実にさまざまな人たちが乗り合わせている。 電車に乗っている誰も彼もがつまらなそうな顔をしているのはいつもと同じ。きっとみんな、特別面白いことがない毎日を過ごしているんだろう。 ……僕と同じように。

          「アメリアの花」第1話

          最終(ミステリー)二人のれいこ-17

          ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 始めにお知らせ 楽天KOBOにて電子書籍で出版しております。どちらもミステリー小説です。よろしくお願いいたします♪ 会ったことのない君に もう戻れない ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「またやっちゃった~」  礼子は独り言を言いながらアパートへ走る。このままでは、遅れてしまう!  礼子は部屋に入り、急いで着替えてしまう。そして、自転車に飛び乗った。  玲子は一分、遅れてファミレスに着いた。 「お疲

          最終(ミステリー)二人のれいこ-17

          (ミステリー)二人のれいこ-16

          ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 始めにお知らせ 楽天KOBOにて電子書籍で出版しております。どちらもミステリー小説です。よろしくお願いいたします♪ 会ったことのない君に もう戻れない ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  次の日になり、事件の関係者が全員J大学に集められた。  桜、千春、美咲、みずき。そして、佐々木と学長の住吉もやってきた。桜と千春はまだ美咲を信じられないらしく、美咲から離れて桜、千春、みずきの三人でイスに座っていた

          (ミステリー)二人のれいこ-16