休日
音の少ない昼下り
光の揺れをぼんやり見つめる
野に吹く風はそこはかとなく
いつの間にか景色に溶けて
色も影もなく
その名だけを余韻に残す
形のない名こそない
頼りない感覚を
持て余しているので
あなたの両手でひょいと掬って
くねる階段を駆け上がって
鈴蘭畑を見下ろして
さあもう終わりのない遊戯
何処までいつまで
約束事はもうどうだって
蒼い夜をいくつも渡って
ここまで来た
月の異称も沢山学んで
唇の上を幾度も滑らせたこと
ひんやりと蘇っても
あたたかな午後には
セルリアンブルーの視界が
惜しみなく広がっている
なんてことない一日は
さり気なく優しい
読みかけの本の端に触れなから
うたた寝をしそうな
自由を覚えた
あたたかなご支援をありがとうございます❤ みなさんのお心に寄り添えるような詩を形にしてゆきたいと思っています。