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歌詞和訳

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#ジャズ

残りの人生をあなたはどうやって生きていくの? 〜 what are you doing the rest of your life? 〜

残りの人生をあなたはどうやって生きていくの? 〜 what are you doing the rest of your life? 〜

ミシェル•ルグランが作曲し、映画の劇中歌として歌われ、ジャズ•スタンダードにもなっているこの美しい曲、邦題は『これからの人生』となっていますが、私は敢えて逐語的に "…残りの人生を…" と訳したくて。ひとの一生は、長いように見えて、過ぎ去ってしまえばほんとうに短い… それを感じるいまだから("残り" をどうやって生きるか? 誰と共に過ごすのか?)を自分自身に問いかけながら、私も歌います。

短調/

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ダンシング・クイーン 〜 dancing queen 〜

"願ったこと" が、いつの間にか叶っていることはしばしばあって。そのことにまた最近気づいたのは、私が歌を歌いつつ、タップダンサーさんたちを交えてセッション会を開く、そのことについてでした。タップダンスを始めたとき、(これってジャズじゃん!)と当たり前のことに驚き、その後、あるキッカケでウン十年ぶりにまたジャズスタンダードを歌うようになり、譜面を作ってあちこちのセッションへ行くようになり。そんななか

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その道の 陽のさす側で 〜 on the sunny side of the street 〜

私が好きなのは、まずそのタイトル。On the "sunny street" ではなくて、On the "sunny side" of the street。あなたが歩む道全体が明るいわけではなく、その道には、太陽の光が届く場所もあれば、影ができる場所もある。その、陽のさす側へ。そして "life is sweet" ではなくて、life ”can be” so sweet。人生はときに苦い、けれ

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この愛売ります 〜 love for sale 〜

これもまたあのコール・ポーターが、1930年に初演されたブロードウエイ・ミュージカルのために書いた曲。タイトルからして、あまり好きな歌ではありませんでした。だって、ねぇ。そもそも、売ったり買ったりするようなものじゃ無いじゃないですか、愛って。それを "love for sale" だなんて。実際この曲は、公序良俗に反するとのことで、放送禁止になったりもしたそうです。ですが、だからこそ面白いとも言え

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さびしんぼうの女の子 〜 little girl blue

私がとても若かったころ、世界が私より若かったころ 
世界は 回転木馬みたいに楽しくて
サーカスのテントは 空いっぱいの星たちに吊られて
くぐり輪の上に そこは私の大好きな場所

でもそんな世界は もうすっかり古びてしまって
ピカピカもきらきらも どこかへ行ってしまった

そこへ座って 指折り数えて
「私に 何ができるんだろう?」って
もう若くはない女の子 これで終わり 
そこへ座って 小さな指を 

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昼も夜も 〜 night and day 〜

昼も夜も 〜 night and day 〜

朝ドラにこんなにハマったのは初めてです。そもそも朝ドラをみる習慣も無かったのに、実家に帰省したとき、居間でつきっぱなしのNHKをみるともなくみていて(あら、オダギリジョーと深津ちゃんが!)と思ったのがきっかけ。カムカムエヴリバディ。ふたりの娘であるひなたちゃんは、私よりほんのちょっぴりお姉さん。私も子どもの頃プラスチックの刀を持っていたし(← モモケン❤︎)ドーナツ盤の『およげ!たいやきくん』を聴

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水玉模様と月のひかり 〜 polka dots and moonbeams

久しぶりに書いてみます。先日、おそらく通りすがりの方から、過去記事に思いがけずポチっと "❤︎" を頂き、嬉しかったこともあって。

私がスタンダードナンバーを好きな理由のひとつに、多くは8×4=32小節のワンコーラスの中に "ちいさな物語の断片が綴じ込まれている" ことが挙げられます。バラード "Polka dots and moonbeams" もそんな曲のひとつ。"A-A-B-A" のシンプ

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"I loves you, Porgy" from the opera "Porgy and Bess"

"I loves you, Porgy" ー この曲と初めて出会ったのはピアノの演奏で、なんと美しいメロディだろうと思い調べてみたら、ガーシュウィンの歌劇(ミュージカルではなく、"オペラ" と位置付けられている)『ポーギーとベス』からの曲だった。つまり、もともと詞があって、歌うことを前提に書かれた楽曲であると知った。さっそく歌詞を読んでみて、ラブ・ソングであることは間違いないけれど、内容が良くわか

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しずかな涙の奥で 〜 inside a silent tear 〜

先日の投稿で Blossom Dearie の歌を紹介しました。彼女の声は、甘くて少女のようで、ちょっと癖になってしまいそうな魅力があります。そんな彼女には、ピアニストあるいは作曲家としての作品もあり、リリースされていることを最近になって知りました。

しずかに、淡々として、さして大きな盛り上がりもなくエンディングへと流れていくようなこの曲『Inside a silent tear』。自身が作曲者

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またいつかね。 〜 some other time 〜

私が初めてこの曲を聴いたのは、Bill Evans のピアノトリオで。やさしく静かで、美しくて。この曲、Leonard Bernstein がブロードウェイ・ミュージカル『On the Town』のために書き下ろしたもの。だからもともと歌詞がついている、そのことを後になって知りました。詞の世界もとても素敵なんです。どうぞ、曲と共に味わってください。

Bill Evans のピアノ伴奏で、スウェー

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君とのはじまりが見えなくて 〜 I can't get stared with you

ジャズ・スタンダードの "I can't get started" は「言い出しかねて」という邦題で知られていますが、私だったらどう訳すかな、としばし考え、ここでは「(君との) はじまりが見えなくて」としてみました。

自信家の、成功体験のある(あるいは、実は単に "大ボラ吹き" の)人物が恋をして、「僕は今まであんなことも・こんなことも(← 普通に考えて、有り得ないことばかり!)成し遂げてきた

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how high the moon ~ 月はたかくに

どこかで 音楽が
とても ひそやかに

どこかに 天国が
月は たかくに

天に 月が見あたらないのです
愛が とおくにあるときは
愛が 叶うまでは
あなたが 愛してくれるまでは 
わたしが あなたを愛するように

どこかに 天国が
そこには あなたがいて

どこかで 音楽が
ちかくに とおくに

真暗い夜も 輝くのでしょう
あなたが 来てくれたなら すぐにでも

そのときが くるまで
わたしの心

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夜明け前の時間、まだ世界が深い眠りにおちている頃 〜 In the wee small hours of the morning 〜

夜明け前の時間、まだ世界が深い眠りにおちている頃
きみはベッドの中で目覚めて、あの子のことを想っているんだね
羊を数えることなど想いもよらずに

孤独なきみにとっての教訓は
彼女が電話さえしてくれれば、
きみは彼女のものでいられるのにってこと

夜明け前の時間、まだ世界が深い眠りにおちている頃
それはきみが、彼女をいちばん恋しく想う時間

午後の空に陽がたかく昇っているときなら
どうにかして時間を

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生きてるうちは愛してる 〜 As long as I live 〜

はじめてこの曲を聴いたとき(ヤバっ、かわいい😍)って思いました。歌詞もメロディもかわいくて、"want to" の "to" のとこなんて、ひゃわ〜ってな感じです。ジャズ・スタンダード・ナンバーのラブソングには「生きるの死ぬの」なんて歌詞も多いですが、これはおなじ「生きるの死ぬの」でも、お気楽で能天気な、"ツンデレ" ならぬ "デレデレ" なバージョン。

そんな "デレ" な曲を、姐御なアニタ

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