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変人という名の阿鼻叫喚

※ゴールデンウィークが開けようとする今日、鬱屈して何事もやる気が出ない。こんな日にポジティブな記事は読みたくない。あえて綺麗ごとなしネガティブ全開で記事を書いてみた。


一目惚れをしたことが無い
人を好きになったことが無い
恋愛をしたことが無い
恋バナが面白くない
人にそもそも興味がない
下ネタもギャグも何もかも面白くない
失恋ソングなんて何も心に迫るものがない
アニメや音楽に疎い
ゲームに興味がない
推しがいない
スポーツをしていない
オシャレに興味がない
芸能人、タレントに興味がない
漫画を読まない、本を読まない

他の人とほとんど共通点がない。初対面ではいつも話が合わず毎回孤立する。多くの人の話題は芸能人やスポーツ、ゲーム、バイト、恋愛や音楽、推し、YouTuberなど。一方で私の趣味は読書、筋トレ、執筆、語学、旅行である。ほとんど噛み合わない。

音楽に疎くて知っている曲が少なくて馬鹿にされたとき、ファッション知識に疎すぎてダサいと揶揄われたとき、精神的に未熟だった当時の僕は過度に膨れ上がったプライドから、反抗してしまった。

音楽なんて現実世界からの逃げでしかない、アニメや漫画、小説も恋愛も全部、現実の苦しみから逃げられる一時の気休めにしかならない。みんな現実から目を背けて逃げうろたえているんだと皮肉っている自分がいた。

人と関わっていないのだから、仕方がない。僕の偏りまくった持論は留まるところを知らず、行くところまで行ってしまった。そう、取り返しのつかないところまで……


普通でいられることがどんなに幸福でどんなに望まれているのか、普通でなくなったときに痛感する。当たり前が退屈で当たり前以外の世界に飛び込みたかったあの日、今の僕から見たらなぜそこまで傲慢を言えたのか恥辱の念でいっぱいだ。

普通の環境に生まれ、普通の学校生活を送り、普通に成長して、普通に恋愛し、普通に人と関わって、普通に仕事して、普通に家庭を築いて、普通に人生を送って普通に死ぬこと、これが何よりも理想で幸せなんだということにようやく気付いた。


別に突出した才能が無くてもいい、突出した顔つきでなくてもいい、類まれな能力なんていらない。普通に生活して普通に生きていけるだけの度量とスキルが欲しいだけなんだ。


どうして自分が普通に生きられないのか、普通に接するだけでどうしてこんなにも息が詰まるほど苦しいのか、生きづらいのか分からない。


分からないから余計にしんどい。何も行動していないわけではない。いつも思考していつも行動して改善しようとしているのになぜ、なぜなんだ。いつも僕から人が離れていく感じがするんだ。周りの人が僕をあざ笑っている気がするんだ。


一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

この世界は残酷で、人生を全うすることは僕には無謀だとさえ思えた。毎日が苦しくて精一杯なのに、あと何年生きればいいんだ。なぜ自分一人のことで頭がいっぱいなのに、他人の為、もっと貧しい人のことを考えて弱者を助けなければならないんだ。この世界は一体どこまで地獄なんだ。


偉そうにしている人を見ると嫌気がさした。所詮同じような受精卵から生まれた一つの公平な命、皆価値は同じに違いないのにこの世界には悪と権力とが蔓延っている。生まれた環境でその後の人生が大きく左右されるのはおかしい。
世の中の理不尽さには心底辟易した。


僕自身が人間であるにも関わらず、他人に対して過度に防衛機構が働いて身構えてしまう。初対面の人と会う時、あまり親しくない人と行動を共にするとき、僕の心は決して休まることなく常に気を張って警戒していた。


自分自身に嘘をつくことに慣れてしまうが故、僕は人とあまり連みたくない。人はそれぞれ独自の感性を持つが故、お互いに100%理解し合える事は生物学的に不可能である。 つまり人と付き合うだけで必ずどちらかが強制や妥協を強いられる。


自分に嘘をつかなければならない側が存在してしまう。群れると集団心理から傲慢になったり、判断が鈍り同調圧力からさらに個性が摘まれる。次第に思考停止になり機械的人間が量産される。誰かに思い通りに操られる傀儡の誕生。


そもそも人間という生物は自己愛的欲望をもち、時には残虐性から戦争やホロコーストなど共食いを行う下劣さを持ち合わせている。自己の快楽と利益のためには他者の尊厳や生命を犠牲にすることも厭わない傾向がある。

時にエゴイスティックな行為に傾倒し欲望や深層心理の闇に取り憑かれ反社会的・倫理的な事件を起こす。人間自体複雑な高等知能生物であるが故にその多面性を完全に掌握することは困難を極める。


また、人間は自己意識を持ち、自らの思考器官である脳を利用して社会的相互作用を把握しながら同等生物と相互関係を構築する。歴史的・文化的な知識をもとに文明を作り出し、ますます私欲の欲さんとする高みを目指して自然破壊並びに人為淘汰を推進する。混沌の中で悩み苦しみ何も分からない無知の中で生欲のままに生きんとす




こんな風な考えを持っていたら友人なんてできるわけない。友人が寄ってこないのはみんな周りのせいだと思っていた。なんで僕と喋らないんだろう、なんで興味を持ってくれないんだろう。いつも孤独に打ちひしがれていた。周りのみんなと同じように大声で笑いたかった、バカみたいなことで我を忘れて笑い合いたかった…。


学校からも友人のグループに混じって一緒に帰りたかった。カフェで勉強してみたかった。普通に恋愛してみたかった。青春を味わってみたかった……それなのに……僕は……


自分の考えなんて誰にも受け入れられる訳なんてないと自分で高を括り、これでもかと言うほど高い要塞を築き、僕を虐げようとする人民たちを凍てつくような鉄壁の心が拒絶し続けていた。今にも崩壊しそうで張り裂けそうなぼくの弱弱しい心が悲鳴を上げていた。


夜になると暗闇に吸い込まれて刹那的に消滅してしまいそうになり夜の公園で長いこと静寂に包まれていた。滑り台に座り、一人で思索に耽る儚い時間。人家の明かりもない田舎の暗闇と静けさに包まれた公園で一人ブランコに乗った。そんなときもあった


何もせずにたった一人で孤独に過ごした中高生時代、僕に残っているのは果たして何なのだろうか。皆と同じ青春の思い出が作れなかった空白の時代。生きている価値なんてあったのだろうか。未来の自分は当時の自分の生き方に納得がいくのだろうか。



友人と同じように恋バナについていけない。そう僕はセクシュアルマイノリティの一員だった。母数が少ない分、分かち合える人数も少ない。この時点で人生はハードモードになる。まだ社会的に理解が乏しかったころ、周りにカミングアウトするのは禁忌だった。


今でこそ認知は高まったとはいえ、打ち明けると咄嗟に気持ちが悪いと連呼してくる人がいる。当事者にならなければ感じることができないから仕方がないと割り切るようにしている。所詮、人は他人の苦痛なんて知りようがないんだと心が捻くれる毎日。

友達とは話を合わせて恋愛について話す。自分の素を出せない苦痛、ずっと偽った自分を演じ続ける苦痛、いつこの苦しみから解放されるのか分からない絶望感。

でもようやく分かった。時間が経って心が落ち着いて過去を振り返ってみた。どうして孤独になってしまったのか。そうしたら原因が分かった。

【僕自身が他人に対し興味を持ってなかった】
【最初から他人に期待していなかった】
【他人とは仲良くなれないと決め込んでいた】
【他人との関りが億劫で自ら避けていた】


僕が友人に対して何も興味を持っていなかった。そもそも人間に対して興味が持てなかった。自分以外の人に意識を向けることを面倒とさえ思っていた。自分が相手に興味を持ってないのに相手が自分に興味を持ってくれるはずがない。思春期の僕はこれに気づかぬまま暗黒時代を過ごしてしまった。


周りからは人見知り、ノリの悪い奴、挙動不審、優柔不断、ダサい…
散々なあだ名をつけられてその通りの行動をとってしまった。誰も本当の自分をわかってくれない苦しみ、本音で相談できる人がいない孤独、誰も理解してくれない辛さ、頼るところがない本当の孤立だった。


孤独でいると、とにかく刺激が無くなり脳が衰えてくる。自然に独り言が増えて脳に刺激を与える防御機構が幕開けした。さらに自分の心を守るために「自己正当化」サイクルがスタート。そこから次第にひねくれた考え方をするようになった。過度に膨れ上がった妄想癖と傲岸不遜な態度、杓子定規な性格、天邪鬼で決して持論を曲げない頑固さ、興味の偏りが激しく人の好き嫌いが甚だしい。


自分に都合のいい情報だけを集めて他人のアドバイスは全くもって聞く耳を持たない。友人なんていらない、自分一人で何でもできるという時代遅れの厨二病的全能感に支配され、「俺は孤独でいいんだ」「寄ってこない周りの人がおかしいんだ」という間違った思い込みを増強させひねくれ続けた。結果、何が生まれたか、僕のような社会的不適合者だ。


誰も自分に関心がない孤独感、いや孤立人間が誕生した。破裂寸前にまで膨れ上がった孤独と嫉妬感、自分の過去への憎悪と怒り、悲しみや羞恥心、膨満した後悔。僕の脆い心はまさに崩壊寸前だった。


はなから他人に期待をしないことを貫き、人間なんて所詮こんなもんだ、努力したって現実は何も変わりはしないとニヒリズムに陥った。もう何もしたくなかった。起きているのも寝ているのも苦痛だった。どこにも居場所がない、自分はこの世から排除されている、そんな感覚だった。


今、ほとんど完璧に回復したから言えること。孤独は進んでやるもんじゃない…と。本当に心が健康な時に積極的に孤独な環境を作って仕事に集中するのはOKだが、孤独が性に合っているなんて思い込んで誰とも関わらない生活を続けると先には地獄が待っている。


試しに一週間、誰とも会わず誰とも喋らない生活をやってみてほしい。絶対精神崩壊するから。それほど孤独感はメンタルに悪影響を及ぼし、死亡率までをも上げてしまう。

人間はあくまで社会的な動物。孤独が好きな人もいるだろうが、どこかでは誰かと繋がっているという確信があるからこそ平然としていられる。人と過ごすことに慣れるまで、僕は努力を続けていく。そう、このnoteを書き始めたのも人間社会と繋がるため。


過去の自分を肯定できるようになるまで、僕はこの世界を諦めないだろう






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