―初めての入院9日目 〜 術後7日目でついに退院!〜 ―
退院前日であんまり寝れないかも、と思っていたのに、意外に普通に眠れてしまった。何回か目は覚めたけど、気づけば 5︰30くらいに覚醒する。寝返りしても痛みは違和感 程度。起き上がる時は痛いけど、順調に痛みが落ち着いてることに安堵する。
痛み止めは1日2回に減らしてたけど、下剤の酸化マグネシウムはまだ1錠ずつを毎食後に飲んでいた。そして朝ご飯では、病院食でヨーグルトを摂取し、夜ご飯の時に購入した飲むヨーグルトを飲む。2日前から毎朝 便を出せてるけど、イマイチ本調子ではない。無意識の中で、自宅以外での排便に抵抗はあると思う。でも退院した後、バランス良く食事できる自信はないし、出ないよりはマシだと下剤は続けておく。踏ん張って創部の痛みが起きるのも怖いし。
朝7時頃に採血。その結果次第で、退院後も貧血の薬を続けるか検討ということになっていた。手術で1リットルくらい出血した上に生理にもなってしまい、貧血の薬を飲み始めても貧血が進んでるかもしれないと思ったが、手術翌日の数値と大きく変わらない結果だったと医師から説明された。そのため、貧血の薬は今 手持ちの分で飲み終わりとなった。今日の分含め、残りはあと4日分。この薬を飲むと、便が黒くなり、ちょっとドキッとする。
手術後 続いていた微熱も、ようやく下がってきた。貧血と微熱で感じていた倦怠感も少しマシになり、歩行した後の息切れも、最初の頃に比べ軽減されたように思う。左耳奥の鼓動のような耳鳴りも、極たまに起きるだけで、大分 気にならなくなってきていた。一つずつ、家で過ごすための自信を確認し、自宅に帰るための荷物整理をする。
全ての荷物をバッグから出していたわけではなかったので、しまうのにそんなに時間はかからなかった。予定通り下着やタオル類など、使い古したものは捨てたから、荷物は減らせたつもりだったのに、書類やら薬やらは増えており、スペース自体はそれほど空いてない。
しかも盲点だったのは、手術後 何か荷物を持って歩いてなかったことだ。コンビニで買い物したり、食事の下膳をする程度しか物を持っていない。入院の時にあまり感じてなかった荷物の重みが、退院時にのしかかってきた。医師からは、ちょっと重い程度の荷物なら、ゆっくり・そっと持ち上げるようにと言われていたため実践してみる。短距離ずつであれば、何とか移動することはできそうだった。
名字と声しかわからない同室の方達に、とりあえず退院の挨拶をし、ナースステーションでも軽く挨拶を済ませ、「本当に退院なんだ」と噛みしめながら病棟をあとにした。
お迎えはなく、タクシーで帰ろうとは思っていたが、退院受付けと会計があるため、やっとの思いで荷物を持ちながら手続きを済ませた。そして、何とかタクシーに乗り込む。疲労感と息切れが強い。座席の背もたれに身を預けながら、ゆっくり深呼吸して落ち着かせた。タクシーの運転手さんとの会話も、結構 適当に返してたと思う。でもそんなこと気にする余裕もなかった。
ようやく自宅に到着すると、もう1つの試練が待ち受けていた。2階にあるマンションの玄関まで、階段を登らなきゃいけないことだ。入院中、階段昇降は1度もやってなかった。歩くだけでも疲れてしまったり、創部の痛みが出ることもあるから、無理はしないでおいた。普段やってる何気ないことでも、意識しないとできなくなるって本当に大変だと、改めて実感した。
なんとか鍵を開けて家の中に入り、荷物を置いてリビングで座り込んだ。とてもじゃないけど、今日は荷物整理ができそうにない。時間はあるし、ゆっくり片付けていこう。
さすがにこれ以上 外出する気にはなれなくて、食事は出前を頼んだ。食材とかはさすがに入院中 腐りそうだったから、冷蔵庫はほぼ空っぽ。病院でバランス良く食べてたのに、いきなりインスタントラーメンとかは気が引ける。やっと好きなもの食べれる!!とかじゃなくて、あんまり太らないように、便秘にならないように、としか頭になかった。入院・手術前は暴食だったけど、それなりに動いてたし、筋腫でお腹出てたことを言い訳にしてた部分もあった。でも出前ばかりだと、金銭面・健康面で厳しくなるで、ネットスーパーを活用していこうと考えた。
病院と違って、消灯や周りの音など気にせず過ごせるのは快適だ。その分 何もかも自分でやらないといけないのは大変だが、普通の生活に戻るには、早くから慣れていくしかないと思う。久しぶりの自分のベッドは、逆に寝心地に違和感を抱いたけど、起床時間を気にせず眠れるのは良いことだと床についた。
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