完全宇宙人状態。ベトナムのスピリチュアル観光
こんにちは!Yukaです🌻
私の所属している文化情報室は、スポーツや文化、観光などを扱っている部署で、他地域のイベントに出向くこともあります。
先日、同じ部署の同僚たちと同省内のお寺の祭典に出張してきました。
前日に突然、
「明日から1泊2日で旅行に行くからね!荷物準備しておいてね!」
と言われ、急遽決まった今回の出張。
事前情報が一切ない状態で行ったので、祭典中は見慣れない光景だらけで一体何が起きているんだ、、と完全に私は「右も左も分からない」宇宙人状態。
謎の儀式に、謎のお供物に、何もかもわからなくてアウェイ感満載😵💫
帰ってから後々リサーチをして、少しずつ紐が解けてきました。
今日は、そんな出張先での私の文化体験をシェアします。
写真も沢山撮ってきたので、雰囲気も味わっていただけたらいいなと思います。
スピリチュアルツーリズムが興味深い
今回の行き先は、イェンバイ(Yên Bái)省の、ヴァンイェン(Văn Yên)。
私の住んでいるムーカンチャイからは、車で3〜4時間のところにあります。
歴史や遺跡を観光資源としているヴァンイエンは、「スピリチュアルツーリズム」としての観光の発展を目指している地域です。
その中でも今回訪れたのはドンクオン寺院(Đền Đông Cuông)という歴史ある寺院。
15~18世紀のベトナムの王朝「黎(Lê)朝」時代に建てられ、2009年にはベトナムの国家歴史文化遺産にも登録されています。
ベトナムの少数民族が祀る聖母とされる「上岸聖母 トゥオンガン(Mẫu Thượng Ngàn)」を崇拝する場所で、ここでは毎年伝統的な祭典が開催されています。
祭典で目にしたのは、独特な儀式とお供物
ドンクオン寺院祭りは、タイカオ族(người Tày Khao)の伝統や文化的価値を保護している長い歴史を持つ祭典の1つです。
新年(旧正月テト)が明けると毎年開催され、国を護る神様と他国からの侵略者に対する蜂起で亡くなった方々の英雄を崇拝するそうです。
2023年には、国家無形文化遺産にも登録され、文化的価値を高めることや文化継承に貢献しています。
僧侶を寺院へお迎えする儀式、白い水牛を屠殺する儀式、焼香や奉納の儀式など、様々な儀式があり、ベトナムでの普段の生活において宗教を感じる機会が少ないためとても新鮮でした。
これらの儀式やお供物は、伝説にまつわるものが多く存在し、知れば知るほど面白い。
今回は、私のわかる範囲ですが、興味深いなって思った文化の一部をご紹介します。
伝説から生まれた魔法の井戸水
この緑色のヒョウタン型の瓶に入っているのは井戸水(nước giếng)で、このお寺で受け継がれている伝説に由来してお供えされています。
この伝説が元になり、今でもここの井戸水がお供物とされているそうです。
白い水牛を屠殺する儀式
祭典を見学していると突然現れたのが、このとても綺麗な薄ピンク色の立派な水牛さん。
同僚に言われたのが、
「この水牛はこの後の儀式で殺されるんだよ」
???
私のベトナム語力不足で聞き間違いかと思い、ネットで調べてみるとなかなかショッキングな去年の儀式の様子が出てきました。
これはドンクオン寺院の祭典で行われる重要な儀式の一つ「水牛の屠殺の儀式」です。
新年の白い水牛の屠殺の儀式には、
という思いが込められています。
年末には黒い水牛の儀式もあって、
という感謝の気持ちが込められています。
日本では、「いただきます」「ごちそうさま」と言葉にして食べ物への感謝を表します。
ベトナムには言葉にする文化はないけれど、家の前で鶏の血抜きをしていたり市場で豚を捌いていたり、「命をいただく」という瞬間を日常的に目にしたり、
また、儀式として感謝する機会もあり、国や文化によって様々だなってあらためて思いました。
歴史を知っていたら、10倍楽しめた。
出張から帰宅後、答え合わせをするかのように同僚から聞いた話とネットでのリサーチ情報を照らし合わせてこの記事を書きました。
なるほど!そういうことだったのか!
と繋がる部分があってワクワクしている反面、
理解が浅いせいでその場で文化や価値を最大限に感じることができず、すごくもったいなかったなと思いました。
でもこれは祭典のごく一部で、何千人もの人で川まで行列を作ってトゥオンガン女神を渡す儀式、棒倒しや棒引きなどの競技大会、独特な催しが沢山ありました。
来年も開催されるそうなので、もう一度あらためて行けたらいいなと思います!
新たな文化に触れられて、貴重な体験でした!
Yuka
▼寺院の周辺の様子
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