お茶漬けの日〜カツ茶漬けに、浸かる
「おばさんになったからなのか、食事には汁物があるの嬉しい」
とは、インドア派で(巷でいうところの)丁寧な生活を無駄にしてしまいがちで、半額シール大好きで、放っておいたら永遠にひとりごちているに違いない風なところに同類臭を感じざるを得ない、最近勝手にお気に入りな餃子たんのお言葉。
餃子たんはおそらく私よりも年下なのだと思われるが、加齢と汁物に関する考察をさらっと言語化されて、アラフォーユイじょりは脳天に来た。
そういえば最近、というかここ4、5年ほど、妙にしょっぱい飲み物を欲するようになったことに改めて気づく。
私はもともと、食事時に液体が欲しい症候群で、幼少期は牛乳がないとご飯が食べられなかった。そして年を取ったら、必然的に牛乳がアルコールに変わった。
ちなみに、ごはん時に限らず、スコーンとかまんじゅうとかカステラとかモソモソするやつは、もれなく水分(牛乳かコーヒー)で液状化させないと飲み込めない。フランスの錠剤が大きすぎて飲むのにいつも苦労しているのはそういうこと?
先日書いた初夏のひとりごはんシリーズで、イサキの茶漬けをアップしながら、この餃子たんの言葉を反芻していた。
そもそもお茶漬けなんて、我が家で禁止されていた「ねこまんま」みたいで、大人になるまで食べたことがなかった。というか、おかゆとかおじやならわかるけど、あとから液体をご飯にぶっかけるなんて食べ物の存在を知らなかったと思う。
時を経て、オトナの階段をのぼる。人間変わるものだ。
お茶漬けほど、お酒を飲んだ、否、お酒を飲みすぎた翌日に欲するものはない。ラーメンかお茶漬けかと問われれば、迷うけど私はお茶漬けを選ぶ。そのために冷凍ごはん用のタッパーに最低3食分はごはんをタッピングしている私である。
あ、ちなみに、これ言うと非国民扱いされそうだからあまりおおっぴらにしたことはなかったけど、パリに最初にくる三十路手前まで私はラーメンという食べ物が嫌いだった。食べるのが異常に遅かったので、どんどん伸びていって食べても食べても減らないところとかがまず苦手。そもそも猫舌だし、あの音をたてて食べる感じも苦手。とんこつラーメンの匂いとかまじ無理だった。これも、人間変わって今では好物ってやつのよい例だ。
ラーメンに話はそれたが、二日酔いの朝に食べる茶漬けって本当に最高だ。五臓六腑にしみわたるあの感じ。これが癖になって今日も私は酒を飲む、といっても過言ではない。
お子さまランチが究極のワンプレートなのであれば、ワンボウルの最高峰にお茶漬けを加えてもよいと思う。ワン碗だ、わんわん🐶
・・・こんなしょうもないことを考えていたときに限って、自由の女神は微笑む。反対方向だけど、パリから約9000km離れた米国西海岸からいつもお世話になっているきこぺんアロハさんが、はるばる教えてくださった。
5月17日はお茶漬けの日らしいですよ、と。
ちなみに私の好きな「お茶漬け」をきちんと定義するならば、出汁やスープをかける出汁茶漬けってやつだ。名前通りいったら普通お茶をかけるものだと思うけど、かつてどこかのお店でガチのお茶をかけた鯛茶漬けが猛烈に美味しくなくて、ガチ茶漬けはそれ以来食べたことがない。
昨日、朝一で歯医者にいってワクチン打って北からパリに戻る道中、猛烈な倦怠感で意識がもうろうとしながらこんなことを考えていたら、どうしたって何がなんでもお茶漬けの日にお茶漬けを食べなくてはならぬ脳になっていた。食欲なのかnote欲なのかわからないけど、それらはワクチンにも勝るのだ。
偶然にもお茶漬けの日に約9700km離れた日本では、私が師匠とあおぐPATAさんが、これまたどこまで丁寧でいらっしゃるんでしょうかお願い教えてアルムのもみの木よ〜的な鯛茶漬けを作っていらした。もう平伏すしかない。
私の酔狂クッキングとはまた別ベクトルでしかも全方位的に「すごい」。さすが師匠。挫折間違いなしとはいえ、いつかこの丁寧な工程に可能な限り沿ってこの見目麗しい鯛茶漬けを五臓六腑にしみ渡らせたいものだ。
さて、ところ戻ってパリの我が家である。3時間後、北から戻ってきたら、もうパリは夕方だ。
冷蔵庫は北で大量に仕入れてきた野菜を除き、すっからかん。そりゃそうだ、自分ですっからかんにしたんだもの(涙)
冷凍庫を覗いてみると、かろうじて冷凍庫に北に発つ前に冷凍しておいた豚肩ロースを2枚、発見。
これは・・・あれだ、とんかつ茶漬けって昔どっかで食べたことがあるぞ・・・と、遠い遠いとおーーい過去の記憶を辿る。かすかすぎて自分で食べたのか何かでみたのかさえも思い出せないけど、こんな食べ物があることはググったら確認できた。魚無理だし、これでいこうと心を決めた。
とりあえず肉2枚、電子レンジで解凍して、あとはカツ化するのみ。
日本のお米炊きはひとくちコンロが唯一の生命線なので、豚肉はオーブンに任せようってことで、今日はケイチェルおいたん方式で。パン粉をオリーブオイルで炒めておき、豚肉に小麦粉、卵、パン粉の順でみっちり付けてオーブンへGo。
焼いてる間に付け合わせ。このふりふり昆布、母が送ってくれた救援物資に入ってたので、きゅうりとセロリを適当に切って塩揉みしてふりふりしとこ。
さあ、どうやって食べるか、それが問題だ。
カツが2枚こんがりと焼き上がり、白米が炊けたら本日はここから夫婦別食。
まずはOtto氏。ラーメンでさえスープのみを最初に一気に平らげようとする氏なので、米にスープをあとがけするなんて考えられないのでは?
ってことで、昨日つぶやいたようにOtto氏には焼き上がったとんかつをただ白米にのっけてブルドッグソースをドバがけしたワン碗なディナー。
私は、強欲にひつまぶし方式といこう。
まずは半分くらい、おかずとして、ソースとからしで白米や野菜などとともに普通にいただく。カツの形がコウイカかなんらかのお魚に見えるくらいには魚に飢えている。
で、残りは白米の上にどーんとのせまして。ちなみに後ろにチラ見えてる安曇野生わさび、母が送ってくれたチューブだけどイケてるやつ。わさびって本当にうまいまずいがはっきりでるな。
薬味をのせる。しわっしわになってたけどかろうじてまだ使える大根をおろして、シソなんてものはもちろんありませんので、セロリの葉で代用。
出汁かけちゃいまーす!!
は〜〜、お汁、いいわ〜〜。
さっぱり食べられて、するするっと完食。
これ、天ぷらとかもいけるんじゃないか?
は〜〜浸かった、浸かった。
いい湯だな〜っと、脳内で繰り広げられる妄想。
・・・かれこれ1年半ほど浴槽浸かってないのでね!!
(シャワーしかありません我が家)
あ!俺も元気に戻ってきました
さあみんな、寝る前に俺と一緒に首の体操をしようね🐶くーるくるー🦴
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