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ザ・フレンチな一皿〜骨付き鶏もものソテー、ベアルネーズソース

土曜日の夜は、我が家の週末のはじまり。
Otto氏の1週間お疲れごはんということで、氏が好みそうなフレンチっぽいものを作ろうと心がけている。

日々目にする美味しいnoteで、フレンチっぽいレシピとか肉っぽいレシピとかをその都度作りたいリストにメモしているので、今回もそのメモからヒントを得た一品をつくってみよう。


そうは言っても私の場合、追える方がそう多くないのでインプットは限られる。ということで、いつもお世話になっている日本のパリの方からインスピレーションをいただくわけだが、もはやフランスのそのへんのビストロより美味しそうな一品を作っているケイチェルおじさん(通称おいたん)。

なんちゃって「ベアルネーズソースのチキンステーキ」とな。

私、かれこれトータル5年くらいフランスに住んでいることになるけれど、ソースをちゃんと作ったのは数えるほど。

フランス料理といえば「ソースに始まりソースに終わる」。わかってはいるのだ。

でも、ソースに使うあのバターの量とか知ってしまったら外でフレンチを食べられなくなってしまうのではという危惧しかり、単に面倒くさいしかり。

この「ベアルネーズソース」。詳しくは先ほどのケイチェルおじリンク先を参照いただきたいのだけど、いわく、

マヨネーズみたいだけど、味はかなり違う、説明が難しい独特な味。マヨネーズだとそのまま肉や魚のソースにすることはなかなかないと思うけど、このベアルネーズソースはステーキソースの定番。魚にかけてもうまい。

とのこと。ちなみにおいたん記事に出てくる「ルルド」ってフランスではとても有名な聖なる場所だけど、ルルドってフランス人にいうと全く通じないよね。

おいたんはこう続ける。

1番の特徴は、タラゴン(エストラゴン)というハーブを使うこと。エスカルゴバターに入ってる緑色のやつと言えば何となく知ってる感あるけど、サイゼリヤとか日本のエスカルゴバターはタラゴンじゃなくてパセリ使ってるのがほとんどなんだって。日本でもタラゴンは手に入らないことはないみたいだけど、なかなか売ってないよね。

ん?日本ではなかなか売っていない、と?

草好きな私はスーパーでも八百屋でも葉っぱコーナーに立ち寄るのが日課なのだけど、エストラゴン(Estragon)ってたしかメジャーハーブに混じって普通に売られていると認識している。買ったことないけど。

ならば、なんちゃってベアルネーズでなく本場ベアルネーズでチキンを食べようではないの!鶏肉に合わせればOtto氏が食べないという選択肢ないし。

ちなみにメインのチキンについては、おいたんがハマり、私もそこから流れ着き、ぶっとび系で料理クオリティ高過ぎゆえ最近楽しくガン見してるQOLブチ上げのぽなちゃん風を真似しようと思った。

でもこちとら、骨付きモモしかそのへんのスーパーで売ってないうえ、ぽな氏愛用の

「『生臭みをとり、旨味を凝縮する、ピチットロールレギュラー プロのための調理道具 浸透圧脱水シート 〜塩を使わず、身をしめる〜』通称ピチットシート」

っていうやつも、どこをどう探してなんという名で売られているのか皆目検討すらつかない。

というわけで、ここは自己流。何度も参考にしているこちらから。

東京にあるフレンチの名店「ル・マンジュ・トゥー」の谷 昇シェフが教えてくれる鶏焼きのコツ。こちらのシェフ、太っ腹で惜しげもなくコツを一般庶民に披露してくれるから好き。

というのも、前に登録していたAmazonの本読み放題みたいなやつでフレンチの基礎の料理本を公開してくださっていて、そのとき一通り試したけどもれなくどれも上手にできたからだ。それ以来、全幅の信頼を置いている。


さてまずはソース作りから。

こちらがイヌ散歩ついでに立ち寄った八百屋さんで売っていたエストラゴン。このままだとあまり香りがしない(常に鼻つまり気味)。

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見比べるのも億劫なので、ググって一番上にでてきたこちらを参考にする。

材料はこちら。エシャロットとエストラゴンはみじん切りに。エストラゴン、刻むと香りが立つ。あああ、確かに独特。ちょっと甘みを感じる?とてもいい香り。これはイカとかイカとか魚とかにも合いそう。すでにいくつかアイデアが浮かんだ。

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さすがに卵黄3個使って不要な卵白3個でると強制的にマカロンなので、今週末はスイーツ遠慮気味な私としては、卵黄1個に合わせて大体分量3分の1でそろえる。パセリも使うようにあるけど、冷凍しているのしかないのでエストラゴンオンリーでいこうと思う。

そういえば金曜に、ソウルメイトかつご意見番の港区男子R君と話していて、「あなたあれマジで一口コンロでやってるの?」と言われたので、本邦初公開、私の作業スペース。

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2年住んでた三田のマンションでさえ、コンロ2口あって作業スペースも多かったような。まあ身体小さいしい腕短いし、これくらいコンパクトなほうが動きが少なくていいのかもしれないけど。

諸事情によりずっとこの状態で、最初は不満しか出てこなかったけれど、人間郷にいれば郷に従ってしまうもの。慣れたので最近はなんとも思わなくなった。慣れってのはおそろしいな。

ソース作りに戻ろう。白ワインヴィネガーと白ワインとエシャロットとエストラゴンを10分くらい火にかけて

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卵黄とバターを少し入れ、

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ひたすら弱火でかき混ぜて、バターの残りをいれたらなんとなくソースっぽくなった。白ワイン足したりエストラゴンの緑を出したくて追いエストラしてる。塩と胡椒で味を整えてできあがり。

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ソースができたら、付け合わせのじゃがいもも同時に準備。皮むきして適当に切って茹でている間に、鶏肉の下ごしらえもすませておこう。

今日はごく普通のスーパーで買える鶏もも肉(もれなく骨つき)2枚を使用。6ユーロしないくらい(約700円)。日本のスーパーで骨なし鶏モモ2枚398円とか素晴らしすぎる…。

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先ほどの谷シェフのコツに従って、2つに切り離し、スネ部分のアキレス腱を切って整える。いつも思うけど、アキレス腱って結構硬いのね。これが切れたとなればそりゃ大事、走れなくもなるわと学ぶ。

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モモ部分の身部分にさっと火を通そう。

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身部分が白っぽくなったら皮目を焼きつつ、スネ部分も投入。

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油が出てきたら、スプーンを使って油を肉にまわしかける。アロゼってやつですね。アロゼっていうのはちなみに植物に水をまくという意味にも使われる。

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ちょっとひっくり返してみよう。非常にいい焼き加減。

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スネ部分は火の通りが遅いので、モモ部分だけを取り出す。Otto氏は少しでもロゼ色(血っぽい印象)が残っていると追い焼きを要求してくるので、ここは慎重にしっかり火を入れる。

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スネ部分がしっかり焼けた風になったら、モモ部分を再度いれて、仕上げ。本当はじゃがいもも一緒にソテーするようになっているけど、すっかりこのことを忘れていて、じゃがいもはすでに茹でたあとオーブンに入れてグリルしていた。

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盛り付けに入ろう。ベアルネーズソース、味は大変によろしいのだけど、卵黄が固まってしまったせいか見た目がいまいちよくないので、まず下に絨毯のようにしいて、その上に鶏をのせる。付け合わせはじゃがいも、長らく眠っていたホワイトアスパラの缶詰、緑が足りないので塩茹でしたいんげん。こちらOtto氏用。

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赤がほしいなあと思い、パプリカパウダーを振ってみた。こちら私用。

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温かいうちにと思って、Otto氏の分を先に持っていって、どうぞお先に召し上がれと促した。

その後私の分を盛り付けて、写真撮ったり飲み物を用意したりしていたら、私が食べ始める頃に氏はほぼ食べ終えそうな勢い。ソースももれなくバゲットを使ってきれいに食べてくれた。やはり鶏×フレンチソース最強。


今週もnoteのおかげで我が家の食卓は充実しておりました。懇意にさせていただいている皆さん、これからもうちのOtto氏が好みそうなものを、今後ともどうぞよろしくお願いします🙏


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ジャンポールゴルチエ風な俺からもどうぞよろしく🙏鶏もらったもんねー

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