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差別訴訟が係争中のセールスフォース日本人事本部長「トップの本気」「声を拾うこと大切」

9月25日東京ミッドタウン六本木で開催された、ダイバーシティインクルージョンをテーマにしたイベント「LIVES TOKYO2022」(NPOハンズオン東京主催)の、障害者などの雇用に関するトークセッションで、セールスフォース日本法人の人事本部長の鈴木雅則氏が登壇しました。

LIVES TOKYO2022中継動画キャプチャー

鈴木雅則(すずきまさのり)氏
株式会社セールスフォース・ジャパン常務執行役員人事本部長
(米)コーネル大学院人材マネジメント・組織行動学修士。2003年よりGE、Googleにて採用・リーダーシップ開発業務に従事。2011年コンサルタントとして独立後、2013年よりQVCにてHRディレクターアジア、BMWにて人事部長を歴任。2019年2月より現職。(登壇者プロフィールより)

トークセッション「SAMURAI125」
セールスフォース日本法人人事本部長・鈴木雅則氏の発言要旨
「インクルーシブなビジネスのためには、トップの本気みたいなのは必要だなと思います。社員の声を適切に拾うことが大切です。当社ではその手段として、障害者やLGBTなどをテーマにした従業員グループがあります。従業員グループには、当事者社員のほか、社員がアライとして入っているケースもあります。ここに、経営者もスポンサーとして入り、いまどういう環境であるか、チャレンジについて、考えていくのが大切です。
当社は創業当初から『ビジネスは社会を変える最良のプラットフォーム』という考えでやってきました。株主だけでなく従業員もステークホルダーとみなす、ステークホルダー資本主義の考えです。当社にはイクオリティ(平等)のコアバリューや、株式・売上・労働時間の1%を社会貢献に還元する『1-1-1モデル』の仕組みがあります。
イクオリティを絵にかいた餅にしないように、あの手この手で社員のボトムアップの活動を、従業員サーべイで従業員がどう感じているのかを把握するなど、日々活動を続けるのが大切です。
当社には、チーフイクオリティオフィサーという職種があり、リーダーは人事部に所属します。
社内の活動がちゃんと推進できているのか、下からの意見を踏まえて、いろいろなバックグラウンドの人達が自分らしくいられるような環境を整えていくこと。
それがお客様への良いサービス提供や、社員がお友達を連れてくるリファラル採用につながります。」

モデレーターのハーバード大学経営大学院教授の竹内弘髙氏は、「当社創業者兼CEOのマーク・ベニオフ氏は、米国のハーバードビジネススクールでもケーススタディになるほど斬新的なリーダーです」と解説。竹内氏より鈴木氏に「SAMURAI125に参画するとすれば、どんなことをしたいと思いますか?」という質問がありました。
鈴木氏は、「いろんな当事者の方がいて、色んな声があります。そういう声を拾うメカニズムを。当社はテクノロジーの会社であり、テクノロジーをより有効活用しながらこれをビジネスの戦略、社会政策につなげていけます。リアルタイムでいろいろなものを拾っていって、ほんとの声を直接きこえるような場がもっとあるといいなと思います」と答えました。

トークセッションの最後に、竹内氏は「登壇したバンクオブアメリカ証券副社長の林礼子氏と、セールスフォースの鈴木氏は、SAMURAI125を引っ張っていくと思いますので、ぜひ顔を覚えておいてもらったらと思います」という言葉で締めくくりました。

※The SAMURAI 125は、障害者のバリアフリーや雇用を呼びかけるダボス会議発の国際運動The Valuable 500に影響を受けて立ち上げられた、日本のビジネスリーダーと社員が一体となり、インクルーシブな企業、ビジネスの重要性を確信し、企業を変え日本社会に変革を起こしていく運動です。

筆者はオンライン視聴し、質問として同社の障害者雇用率未達や行政への報告が適切に行われていなかった問題や差別訴訟に言及し、「同社のダイバーシティや平等に関するメッセージをどう受け取ればいいのか」と投稿しましたが、反応はどのアカウントからもありませんでした。

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長谷川祐子(長谷ゆう)/ライター・翻訳者・ジャーナリスト/「ノルマル17歳。」12/15神戸上映会
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